雨で週末の予定が流れてしまったとき、Bプランとしてプチ贅沢できるワインをストックしておきましょう。
高額でなくとも豪華で個性的な風味を味わえるのは、生産者のラインナップで上級のワインです。
「いつもよりちょっと贅沢しただけあって美味しい!」があれば、雨の週末も潤いの時間に変わるはず。
雨の多いこの季節もしっかり自分のご機嫌を取るため、ワインをご褒美として上手く使いましょう。
祝日のない月だからこそ週末を大切にしたい!
ゴールデンウィークが終われば、7月中旬の海の日まで祝日はありません。暦通りの休みの方にとっては、1年で最も長く5連勤が続く季節です。
仕事のストレスから解放され、疲れを癒して来週がんばる気力をチャージする。そのためにも土日の休みは充実させたいものです。
そのためのBプランとして、上手にご褒美ワインを使う方法を提案します。
週末のレジャーと梅雨
北海道を除いて、6月から7月上旬にかけての悩みは梅雨です。
週末にどこかに出かける予定を立てていたとします。
テーマパークで遊び倒す。車で遠出して釣りを楽しむ。グランピング施設でバーベキュー。暑さが夏本番ではないのでサイクリングなどもいいかも・・・。
これらすべて、休日が雨なら「今日じゃなくても来週にしよっか」ってなりますよね。
楽しみにしていればいるほど、雨で予定が流れてしまうのはがっかり。天気は誰のせいでもないから仕方ないとはいえ、それでは来週頑張るための充実した休日になりません。
身体を休めるだけが休日じゃない。「こんな楽しい休日を過ごすためにも、明日からも仕事をがんばるぞ」そうなってこそ体と心のHPが回復するというものです。
そのために大切なのは、急にお出かけが無くなったときのBプランを用意しておくことです。
平日とは違う楽しみ いつもより豪華なワイン
雨でどこにも出かけたくない休日。あなたは何をして過ごしますか?
寝たおす?撮りためたドラマやアニメを見る?ゲームに没頭する?お酒を飲む?
そんな時間も必要です。人間、頑張り続けることはできないのですから。でもこれって平日でもある程度できますよね。日常です。
「こないだの休日は〇〇した」
たとえばそうInstagramにアップしたくなるようなことじゃない。
「こないだはちょっと贅沢にこのワイン飲んだよ!料理も頑張った!」
うん、XではなくInstagramっぽい投稿です。今週末"も"充実した休日を過ごしています。
仕事も充実、予定通りの休日も充実、雨で予定外の休日も充実。そんな生活を送る自分になるには、ワイン選びも工夫しましょう。
ただ高いワインがいいのではない
平日には開けるのをためらう金額のワインを思い切って飲んじゃう!期待を持って開けるなら、金額相応にいつも以上の美味しさを感じさせてほしいものです。
ワインの値段は様々な要因で決まります。正直、プロである我々にとってもブラックボックスです。
高いワインの方が美味しく感じる"確率は"上がりますが、絶対ではありません。高いのに期待ほどではなかったワイン、誰しも経験があるのでは?
いつものワインより美味しい!やっぱり高いワインは違うな~
そう感じたいなら『上級の』ワインを飲むことです。『上級の』とは、生産者がつくるワインのラインナップにおいて、スタンダードクラスではないということ。「高いからには価格説得力のある味を」とつくられたワインを選ぶのが、期待通りに満足するコツです。
安いワインと高いワイン、何が違う?
「この値段差の分だけ、何が違うの?」
いつもより高いワインを買うとき、一番知りたいのはコレじゃないでしょうか。
違う産地・違う生産者で比べたときには、ほぼこの議論に意味はありません。スイスワインが高価なのは「そういう物価なんです」ですし、ブルゴーニュワインが高価なのはブルゴーニュだからです。
一方で同じ生産者のラインナップにおいては、価格の上下で何が違うのかの傾向があります。
それにより「ラインナップ上位のワインに何を期待していいか」がわかります。
一番違うのはブドウ品質 だけど見えない
高いワインの多くが美味しいのは、良質なブドウを使っているからです。ブドウのみからつくるワインの味は原材料品質に依存するところが非常に大きい飲み物。いい生産者ほど「いいワインにはブドウが全て。そのためには畑仕事」と考える傾向があるように感じます。
一方でブドウの品質というのはおおよそ明確な数字や言葉に現れません。だから「高いワインはここが違う」と明確には言えません。
ただ、次に述べるある程度明確な特徴が全てと捉えるのは誤解です。高級ワインは小手先の技術ではなく、生まれから違うのです。
ワインの値段の上下で違うもの
同じ生産者のラインナップで比較したとき、その上級・下級で次のような点に違いが見られる傾向があります。
違いが現れる要素 | 下級ワイン | 上級ワイン |
---|---|---|
ブドウ栽培エリア | 広い(各地域からブレンド) | 狭い(特定エリアや単一畑) |
単位面積当たりの収穫量 | 多い | 少ない |
新樽比率 | なし~低い、あるいは樽熟成なし | 高い |
赤ワインのタンニン量 | 少ない | 多い |
熟成期間(※) | 最低限 | 長い |
ヴィンテージ表記(※) | なし(ブレンド) | 表記あり |
エチケット | 白地や明るい色を使いがち | 黒や紺・グレーなど濃い色を使いがち |
(※)スパークリングワインについて
この中で特にワインのスタイルを左右するのが、樽熟成と新樽使用の有無です。
樽熟成で豪華な風味になる、ことが多い
ワインをオーク樽に入れて熟成することで、ヴァニラやココナッツ、クローヴのような香りが付与されて、風味の複雑さが増します。また木目を通したゆるやかな酸素接触で、厚みのあるなめらかな口当たりが生まれます。赤ワインならタンニンがまろやかになる効果もあります。
その影響は古樽より新樽をつかって熟成した方が強く感じられます。
詳しくは樽熟成に関する記事をご覧ください。
この新樽を使った樽熟成により、一般的にワインは豪華で高そうな味わいに変化します。
樽熟成で全く違うワインになる場合も
シャルドネでつくる白ワインにありがちな上級・下級の違いで次のようなものがあります。
シャルドネのスタイルの違い
下級:ステンレスタンク熟成 リンゴや柑橘の風味を持つスッキリとしたシンプルなワイン
中~上級:オーク樽熟成 ヴァニラやトロピカルフルーツの香りを持つどっしり飲みごたえのあるワイン
これは極端な例ですが、このように全く別のワインのように感じることさえあります。
注意すべきは、樽熟成したから高い風味になるのではありません。もともと質の高いブドウだから、樽熟成の風味を受け止めて、複雑で高級感のある風味に昇華できるのです。
エリアが狭いから美味しいとは限らない
例えば玉ねぎなら淡路島のものが有名です。国産>兵庫県産>淡路島産とエリアが絞られるほど、なんとなく「ちょっと高くでも仕方ないか」という気持ちが生まれるのでは?
ワインも産地に味わいが大きく依存する飲み物です。一般的に狭いエリアでつくられたものの方が高価です。
特に単一畑や単一区画でつくるワインは、その土地の個性をより明確に表現するでしょう。注意すべきはそれが絶対に美味しいとは限らないことです。
上級ワインとしてより質の高いブドウをコストをかけて醸造する場合が多いです。だから評価誌では高いポイントを獲得するでしょう。しかしその方向性があなたの好みにあうかはわからない。
場合によっては上級ワインの単一畑をいくつもブレンドしたスタンダードクラスをより美味しく感じる。そんなケースも十分考えられます。
あくまで個人の好みとして。ナパ・ヴァレーの全域で地区ごとのワインをつくる「ザ・ヴァイス」という生産者がいいます。そのラインナップのカベルネ・ソーヴィニヨンで一番バランスが良く感じるのは、スタンダードの「ナパ・ヴァレー」だと感じています。
ただし上級には比べて違いを感じる楽しみがありますから、より高価であることは妥当です。もしも休日の贅沢として、いつものワインと比べて風味の豪華さを感じたいなら、こういう単一畑のタイプは避けるべきです。
グレードが豊富な生産者ほど確実性が高い!
「ラインナップで高価なワインは、その金額に相応しい味を」
生産量が多くラインナップが豊富な生産者ほど、そういう狙いを感じます。そしてそういう生産者ほどハズレがないです。
いつもあなたが飲んでいるワインのお気に入りに、より上級グレードのワインがあると知っているなら、雨の週末に備えてそれを買うのもいいでしょう。
もしそういったものに心当たりがないなら、次にご紹介する6本を参考にしてみてください。
5000円以下の家飲みワイン6選
せっかくの週末が雨で予定が流れてしまった。そうすると使う予定だったお金が浮いたはずです。ならばちょっとだけ贅沢しちゃってもいいのでは?
なので今回は予算を5000円に設定しました。普段は3000円以下くらいでワインを選んでいる方が、「たまにはいいか」と無理なく手を伸ばせる価格と想定しています。
別にすぐ飲まないといけないことはない。だから週末が晴れたらまた今度でいいんです。雨が降ってから欲しいと思っても間に合わない。だからそんな週末のためにストックしておきましょう。
オトナなエチケットとオトナな味わいに高級感
「毎日飲める」をコンセプトに掲げるリーズナブルな「デコイ」シリーズの上級版。デザインは同じで白から濃紺色になったエチケットには、落ち着いた高級感があります。新樽比率が高くなったもののその味わいは樽香が目立ちすぎずオトナな抑制感が好印象です。
普段飲みに向いたスタンダードクラスはこちら▼
ヴァニラとなじむフルーツ香にうっとり
ボーグルのシャルドネはスタンダードクラスでも十分に樽香香り、リッチな味わい。上級クラスになると熟成期間の長さとブドウの質ゆえか、ヴァニラ香がフルーツの香りとしっかり調和し、より奥行きのある誘い込まれるようなアロマに。こりゃいいワインだ!
ボーグルのシャルドネ、スタンダードクラスはこちら▼
別シリーズの位置づけですが、こちらも豪華な味のシャルドネ▼
「濃厚なのに飲みやすい」その理由は?
上級の赤ワインは熟成できるようにとタンニン多めにつくられることが多いです。その点このワインは、樽熟成と瓶熟成でその多いタンニンがなめらかになってから出荷。クリーミーでしなやかな口当たりで渋みが目立たないので、濃厚なのに親しみやすいんです。
スタンダードクラスも少し熟成していて魅力的▼
リッチなワインと料理で今日はチートデーに!
上級になるに従い、樽香なし⇒ほどほど⇒しっかりと分かりやすくリッチになるラインナップ。高くなればちゃんと「高そうな味」を感じさせてくれます。このタイプにはクリームやバターを使ったコクのある料理がおすすめ。カロリーの分だけ贅沢気分で明日の活力に!
樽香なしのスタンダード▼
古樽のみ熟成で果実の凝縮感が高い▼
比べて飲んでみなが驚く!
この生産者のワインでは下から2番目のクラス。それでも下級の、あるいは他のドイツピノと比べて風味にボリュームと豪華さがあります。試飲会に出品されれば毎回人気が集まるこのワイン。持て余した時間をたっぷり使って香りの変化を楽しんで!
ブドウの栽培地がより広いスタンダードクラス▼
単一畑の名前が入った上級クラス▼
おやつタイムからのロゼ泡でセレブ気分♪
「特にやることなければつい明るいうちからワイン開けちゃう」そんな方はこの上級ロゼ泡で昼飲みしてみては?単体でも飲み続けられるバランス感で、なおかつチーズケーキとの相性が◎。おやつタイムからロゼ泡をダラダラ飲みするなんて、海外のお金持ちみたい!
ロゼではなく白のスタンダードクラス▼
毎日は飲めないご褒美があるから頑張れる!
高いワインの全てが美味しいと感じるわけではありません。でもたくさんのワインを飲んでいくうちに、「やっぱり高いワインは、高いだけのことがあって美味しいな~」としみじみ感じることが多いです。手頃で美味しいワインとは、同じ美味しいでも質が違います。
チェーン店の牛丼でも美味しいと感じるが、高級レストランの料理は同じ美味しいでも満足度は格別。例えるならそのようなものです。
期待は大きいほど、それが満たされたときの満足は大きい。期待をかけて買う高いワインだからこそ、雨で残念だった休日を充実したものに変えてくれる力があります。また高くて美味しいワインを飲みたくなります!
そのためには仕事をがんばってお金を稼がないと。
自分のモチベーション維持・自分のご機嫌取りは、継続的に成長して成功を収める秘訣のひとつ。馬の目の前に垂らすニンジンのごとく、ワインを上手にご褒美としてつかってみてはいかがでしょうか。