
特別なシャンパンを自分へのご褒美にすれば、明日への活力が湧いてきます。パーティーでは大手ブランドが定番ですが、自宅で楽しむなら知名度の低いRMシャンパンがおすすめ。プロモーションではなく品質重視だからこそ、1万円以下でも驚くほどの美味しさ。自分だけが知るその特別な味わいで、年末を贅沢なひとときに変えてみませんか。
なぜ今、特別なシャンパンを楽しむべきなのか
12月は1年の締めくくりとして、特別な時間を過ごすのに最適な季節です。自分へのご褒美にシャンパンを選べば、日常では得られない贅沢なひとときを演出することができるでしょう。
ここでは特別なシャンパンがもたらす魅力について考えていきます。
「シャンパン」がもたらす特別な時間ゆえに
ワインの中でも「シャンパン」という響きは特別ではないでしょうか。
それは単に泡の出るワインというだけではありません。「お祝いの席の乾杯にはシャンパン」。そのイメージはきっとたまにしかワインを飲まない人すら持っています。

平均価格の高いシャンパンを日常的に飲むという人は多くない。普段は飲まないからこそ「特別」です。
自分へのご褒美をあげるのも特別なときだけです。自信を労って甘やかし、自分のご機嫌をとるのに、シャンパンは非常に有効な手段ではないでしょうか。
なぜシャンパンは特別か
シャンパンの「イメージ」であり「ブランド」は、長い年月をかけて築き上げ、消費者に刷り込んできたものです。
シャンパンは基本的に高額です。相場としてはおよそ5000円がスタート。稀に3000円前後の格安品もありますが、かなりの企業努力がないと実現しません。7000円以下なら「リーズナブルな」と表現されるでしょう。
その分少なくとも日本に輸入されるもには、廉価な粗悪品はほとんどありません。それはシャンパンの生産者団体が「シャンパン」のブランドを保つため、規定をつくって最低品質をコントロールしているから。シャンパンの生産者もそれに協力しているからでしょう。
高級品として購入して、その味わいに裏切られることが少ない。ブランドを保つ上で重要なことです。
加えて大手シャンパンメーカーによるプロモーション活動も重要です。
例えばモエ・エ・シャンドン、ドン・ペリニヨンなどの超有名生産者が掲載する広告に、美味しさをアピールするようなものは見たことがありません。請求するのは憧れを抱くようなきらびやかなシーン。その中にシャンパンがあります。
あるいは映画やドラマの中で俳優が優雅にシャンパンを楽しむ。そのシーンを幾度となく目にするうちに、「ラグジュラリーシーンにはシャンパン」のイメージが培われてきたのです。

普段ワインを飲まない人の中には、「シャンパンはワインの一種」ということに驚く人すらいます。それほど「シャンパン」は特別なものとして広く認知されているのです。
12月に特別感を味わう価値
12月は多くの人がシャンパンを飲みたくなるようです。
単に味が美味しいというだけではありません。美味しいワインなら他にいくらでもありますし、シャンパン以外のスパークリングワインもレベルを上げてきています。そもそも美味しいお酒ならワイン以外にもありますし、ご褒美の手段はお酒だけではありません。
それでも12月はシャンパンの需要が明確に高まります。暑くて泡ものが美味しい夏よりも、12月の方が圧倒的に売れるのです。
それは「特別なときの贅沢にはシャンパンを」の気持ちが強いからでしょう。
12月は1年の終わり。今年頑張ってきた自分に、この季節くらい特別なご褒美をあげてもいいのではないでしょうか。それがきっと、来年もっと頑張る活力になります。
あなただけが知っているこの美味しさ ご褒美シャンパン8選
今回は「自分へのご褒美として自宅で楽しむシャンパン」という想定で、8本のおすすめを選びました。選考基準は次の通り。
選考のポイント
- RM(レコルタン・マニピュラン)がつくる
- 販路が少ない/輸入から日が浅いなどで知名度が低い
- 高級すぎない1万円以下
- 言葉にできる魅力がある
RM(レコルタン・マニピュランとは)
ブドウを購入してシャンパンをつくるのが一般的なシャンパーニュ地方にあって、自社畑のブドウのみからつくる小規模生産者。プロモーションに予算を割く余裕がないところが多く、知名度は低い。その分価格の割にはブドウの品質が高い傾向。
雑味のなさにブドウの品質を感じる!
RMがプロモーションに予算を割かない(割けない)とはいえ、やはりスケールメリットゆえにそうそう安いシャンパンはつくれません。シャンパンとして最低価格帯には、大規模生産者のスタンダードクラスが多いです。
ゆえにこのシャンパンは間違いなく破格!輸入元の試飲会で飲んだ時、価格を見た後RMであることを知って驚きました。
そしてちゃんと味もいい。ブレンド比率は半々ですが、シャルドネの特徴の方が強く現れています。アップルパイのような典型的なシャンパンの香り。そして手頃なシャンパンにありがちな雑味が全くないことから、すぐさま仕入れを決めました。
現時点で楽天市場に取扱店はほとんどなし。今後輸入され続けるか不透明なので、味わうなら今のうちです。
「格上」の味わいをこの価格で
シャンパンの中でヴィンテージ表記のある「ミレジメ」は、一般にNV(ノンヴィンテージ)より上級に位置づけられます。ブレンドせずとも味わいのバランスがとれる良作年のみにつくられること。NVよりも長い熟成期間が義務付けられることが理由です。
スタンダードクラスでも不思議ではないこの価格で楽しめるミレジメ・シャンパンというのは、近年あまり記憶にありません。しかも熟成期間はかなり長く、15年も前のヴィンテージ。出荷されたのは2023年末なので、決して飲み頃を過ぎていることはなくまだフレッシュさもあります。
これを「買いだ!」と思ったのは私だけではないようで、輸入元さんの在庫は既に完売。次回入荷は値上がりが決まっています。
これから入手困難になること間違いなし!?
ラクルト・ゴドビヨンが日本に輸入され始めたのは2023年。なのでまだまだ日が浅く、「この生産者のシャンパン、美味しいよね」がSNSなどを通して広まっていくには、もうしばらく時間がかかるでしょう。
巷では同じ村の超レア・シャンパン生産者である「サヴァール」に似ていると噂されているようですが、割と方向性が違います。似ているというより、「サヴァールのように入手困難になっていくだろう」と予想しているのです。その根拠は輸入元の営業さんのテンション。一斉に試飲した際に「絶対評判になるから、私のお客様にいっぱい買ってもらわないと!」の空気がすごかったそうです。
やわらかな果実味がありつつも、親しみやすいだけじゃない。鼻を抜けていく香りの複雑さと余韻の伸びが素晴らしい。この生産者の他のシャンパンも飲みたくなること間違いなしです。


ラクルト・ゴドビヨンのシャンパン一覧▼
シャルドネ生産者の「癒し」
全く未知の生産者よりも、やっぱり既知の生産者と関係するものの方が安心して購入できます。
このセロス・パジョンのうたい文句は、何といっても「ジャック・セロスの甥」。現在RMの頂点と言える生産者から、直接ワイン造りを学んでいるのです。しかも親戚関係ということもあり、一部の畑はジャック・セロスに隣接しているとか。
それもあって主力のシャンパンはシャルドネが中心です。一番人気は「サクル・ブラン」。 シャルドネ100%で酸味が高く、キレのいい緊張感のあるシャンパンです。
それに比べて3品種のブレンドであるからか、この「スーヴニール」はある程度の風味のふくよかさがあります。ゆえに酸味のシャープさがあまり目立ちません。
少量ではなく1本を通しての飲み心地の良さ。それを追求してるのかもしれません。
セロス・パジョンのワイン一覧▼
シャルドネの品質、その直球勝負
今回ご紹介するなかで、最も個性を抑え気味に正統派な味わいをつくるのは、きっとこのクロード・カザルでしょう。
育てているのはシャルドネのみ。そのブドウ品質はボランジェやルイ・ロデレールといった有名生産者も信頼を寄せ、果汁を購入しているといいます。およそ9haしかない畑から、さらに一部は売り払うのです。「クロード・カザル」名義のシャンパンには一番いいところのブドウだけが使われています。
シャルドネ100%のシャンパンらしい硬質な風味がありながらも、酸味はそれほど尖らずを含めた風味の豊かさとバランスをとっています。


スパイス感が熟成香と調和して
生産者の知名度は、RMの中で考えるなら無名とは言えない。しかしこのキュヴェに関しては日本で全く出回っていません。「誰も知らないシャンパン」という意味では、この中で一等賞!
ベースヴィンテージは2015年で、暖かく若いうちから親しみやすい年。2022年に出荷され日本に届き、「熟成」とは言わないまでも風味が少し落ち着いてきました。入港当初に飲んだ時は、余韻に残るスパイス感が印象的で個性派な部類。しかしその風味も混然一体となり始めており、風味に重厚感と奥行きが増して高級感を獲得。より飲みごたえのあるワインへと変化しつつあります。
以前ジャンシス・ロビンソンMW(マスター・オブ・ワイン)が「年末年始に飲むのにおすすめ」と紹介していたこのシャンパンをあなたもぜひ!
参考▼
地元で愛され続けるのが品質の証!
RMとしては非常に歴史が長く、1929年より瓶詰めを開始した歴史ある生産者です。なのに知名度がそう高くないのは、純粋に輸出される数が少ないから。国内で90%が消費されてしまうため、輸出されるのはわずか10%のみなのです。
9.4haから仮に80hl/haという平均収穫量でシャンパンをつくったとすると、年産約10万本。その10%なので1万本を世界で分け合います。一番多いのはアメリカでしょうから、毎年日本に入ってくるのは多くても1000本、2000本という単位でしょう。滅多に見かけないのも納得です。
輸出が少ないのは地元で愛され続ける証。きっと美味しさの理由の一つは、ヴァン・ド・レゼルヴの多さでしょう。シャンパンのもとになる白ワインをブレンドする際、最新ヴィンテージのものに以前から保管していたワイン「ヴァン・ド・レゼルヴ」を複数用います。その割合がRMとしては高い40%以上。ふくよかで複雑な味わいはそのためでしょう。歴史の長い生産者だからできることです。
なのにこの価格なのは、歴史が長いこそ懐に余裕があるからなのか、あるいは商売っ気がないのか。どちらにせよありがたいことです。


なぜこの7本?小規模生産者のメリット
「1本も自分の知っているシャンパンが1本もない。マニアックなセレクトだな~」
そう思われても不思議ではありません。
誰もが知っているシャンパンを今さら紹介しても仕方がない。そういう理由もありますが、あえて知名度の低い生産者にスポットを当てたのには理由があります。
いいところのブドウだけを使うがゆえに
「大規模生産者より小規模生産者の方が、ブドウの質が高い」というのは正確ではありません。
シャンパンもワインである以上、品質を決めるのはまずブドウであり、どんな畑でどれだけ丁寧に栽培されたかが重要。それは歴史ある生産者ほどよく知っています。そして大手生産者ほど、ブドウを購入する傍らで最良の畑は自社で確保しているものです。
ただしその高品質なブドウは、ラインナップの中の上級ワインに使われます。何百万本と生産される1万円以下のスタンダードクラスにはほぼ使われないでしょう。


一方でRMの中には「ブドウ栽培家が最近自社シャンパンもつくり始めた」というところが少なくありません。たいていは一部のブドウを継続して販売し、安定した収入を確保しています。
ブドウの販売は基本従量制、1kgあたり何ユーロかです。そうであれば畑の中で最良のブドウとそれなりのブドウのどちらを売却するか。答えは明白です。
もちろん個々の契約で例外はあるでしょう。「RMシャンパンの品質が高いのはブドウの良いところのみを使うから」という傾向はあると考えます。
ブドウの品質が高ければ何が美味しい?
ではそれでどう美味しくなるのかというと、明確な答えはありません。一概に語ることはできないでしょう。
あくまで筆者の考えとして語るとすれば、雑味の少なさと余韻の長さだと考えます。
雑味の少なさは、上記のソフィー・デュバロワの魅力として挙げた点です。試飲会で一緒に並んでいて、飲んだ結果採用を見送ったシャンパンには、わずかに心地いとは言えない風味がありました。
自社畑であるがゆえに、より丁寧な栽培と徹底した選果をする傾向があるのではないでしょうか。


ただし大手のシャンパンも中から上級クラスになれば、雑味を感じることはほぼありません。スタンダードからきれいな味でつくるところも多いです。「どちらかといえば・・・」程度だと考えてください。
余韻の長さはあくまで経験則です。RMのシャンパンの方が、よく熟したフルーツの風味がハッキリと現れ、それが長く続くものが多いように私は考えますが、「気のせいだよ」と言われれば否定できません。
RMの方が個性的な風味を持つ
「どう美味しいか」ということについては確かなことは言えませんが、「傾向として何が違うか」という点なら明確です。
RMのシャンパンの方が個性際立つものが多いです。それは良くも悪くもです。
その理由は生産規模。大手シャンパンのスタンダードクラスは、年間数十万本、数百万本と生産されます。それだけ毎年売り切らないといけないのです。
それゆえ消費者の好みがそれぞれである中でも、最も需要の大きいところ、平均値的な好みを狙って味をつくります。求められる味を知るために予算をつぎ込んでいることでしょう。「NV」表記のシャンパンにヴィンテージ違いはありません。同じシャンパンを何度も飲んでもらえることが必須です。
それゆえ「シャンパンらしい」と多くの人が考える味わいから、そう大きく外れたものはつくりません。


一方でRMの多くは少量多種類生産です。今回ご紹介した中ではラクルト・ゴドビヨンがまさにその典型。畑ごとにシャンパンをつくるのは、それぞれに個性があって飲み比べれば明白に違うからです。1種類のシャンパンがせいぜい数千本程度、時に数百本単位の生産なので、ワインの愛好家が「評判だから飲んでみたら美味しかった。次は何を飲もう?」となってくれたらそれで十分なのです。
逆にシャンパンらしい個性を抑えた基本の味をつくっても、値段では大手にかないません。知名度が低い中では数千種類のシャンパンの中で埋もれてしまい、注目してもらうことができないのです。
RMのデメリット
メリットだけ語ってデメリットを語らないのでは、説得力に欠けるでしょう。
例え原料の品質で劣っていたとしても、醸造技術は大規模生産者の方が上です。その多くは歴史の長い生産者なので、多くのリザーヴワイン(シャンパンにする前の白ワインとして保管しているもの)も多く持っています。より多くのリザーヴワインを複雑に組み合わせることで、風味の安定感と複雑さも狙えます。
キャッシュフローに余裕があれば、RMよりもより長い熟成期間を設定しやすいかもしれません。
味わいの個性が強いということは、好き嫌いが分かれるということでもあります。
畑の個性を表現することを目指す生産者は、ドサージュ(仕上げの甘味添加)を少なくする傾向にあります。そんなシャンパンを「酸っぱい」「酸味の高さが疲れる」と感じる方もいるはずです。
市場に流通するシャンパンは圧倒的に大手生産者の方が多いのです。商業的に見たときどちらが優れた生産形態かは明白です。
希少性は特別感
何百万本も安定した品質のワインをつくる技術は素晴らしいもの。それは間違いありませんが、「特別感」があるかと言われると違います。たまのご褒美として特別な体験をしたいのに、普段使いのスーパーにも売っているシャンパンではあまりテンションが上がらないでしょう。
それに対して生産量の少ないワインというのは、それだけで特別感があります。
数が少なく、その上で需要が高くて初めて「貴重 Rare」になるわけで、そうでなけらば単なる「マイナー」。「売れてないからたくさん輸入しないだけ、つくらないだけ」という考え方もできます。でもその中に評判が評判を呼び、数年後に「貴重」になっているワインもあるはずです。


年間数千本しかつくられない。日本に入ってくるのはそのうち数百本のみ。そんな貴重な1本は、ご褒美の夜を特別なものにしてくれるはずです。
なぜ自分へのご褒美に最適なのか
自分へのご褒美ワインとして、どうして大手よりもあえて小規模なシャンパンを選ぶべきなのか。それは「自分だけがその美味しさを知っていればいい」という点にあります。
パーティーにはみんなが知っている高級ワインを
12月といえば忘年会シーズン。ワイン仲間と一人1本持ち寄りで、なんて機会もあるのではないでしょうか。
ディープなワイン好きばかりの場でないなら、そういうたくさんの人が集まる場にシャンパンを持参するなら、大手生産者の有名ワインがおすすめです。今回ご紹介したような、無名で美味しいシャンパンよりもです。
〇見たこと・飲んだことがあるからこそ高級感が伝わり「おお~!」となるから
〇より一般受けする味にあわせているので、苦手な人が少ないから
〇美味しかったと感じた人が、後日入手しやすいから
8人もいる場に小規模生産者の誰も知らないワインを持って行っても、グラス1杯弱をすぐに飲み終わって、すぐに次のワインに興味が移ってしまうかも・・・。


自分だけがその良さを知っていればいい
対して自宅で自分へのご褒美に飲むなら、飲むのはあなただけ、もしくはあなたの奥さん・旦那さんと2人だけでしょう。
自分で選んで買うのです。検討段階では商品ページの説明をよく読むでしょう。どういうこだわりを持ってつくっているかが書いてあるかもしれません。その生産者のストーリーにひかれて購入を決める場合もあるでしょう。「美味しそう」「期待できるな」と判断したから購入するのです。
それを思い返しながら、あるいはもう一度ページを見ながら飲むことだってできます。


期待が大きいほど、その期待に応えられたときの満足は大きくなります。
「美味しそう!」と思って飲む方が、何も知らずに飲むよりも、同じ美味しさでも満足度で優ります。
あなただけがそのシャンパンの良さを知っていればいいのです。だってあなたのためのご褒美ですから。
RMのご褒美シャンパンを楽しむコツ
今回ご紹介したシャンパンは、あくまで私の意見として品質は間違いないと考えています。だからとりあえず冷やしてさえいれば、適当に開けて飲んでも美味しいはずです。
しかしせっかくだから最大限おいしさを引きだしたいと考えるなら、いくつかコツがあります。
美味しいシャンパンには白ワイングラスを使うべし
スパークリングワイン用グラス、フルートグラスは、立ち上る泡を美しく見せます。それは縦に細長くて液体に圧力がかかるからだと言われています。その分容量が少なく、香りが十分に感じられない場合があります。


ブドウの品質が高く香りにもボリュームがあるシャンパンは、チューリップ型のスパークリングワイングラスが向いています。底がすぼまっているため容量の割に高さが出るから、しかもある程度香りを溜めるスペースが確保されるからです。


もしこのタイプのグラスが家にないなら、フルートグラスよりは白ワイングラスがベターです。泡が立ち上る様子は見えにくいですが、より芳醇な香りを楽しめるでしょう。
もしフルートグラスで飲んで苦みに近い感覚を覚えたなら、ワイングラスが合っていない可能性があります。ぜひ大きいグラスに移し替えてみてください。
温度の変化も楽しんで
手頃なスパークリングワインを美味しく飲むなら、しっかり冷やすのがポイントです。飲んでいる最中も食卓に出しっぱなしにせず、こまめに冷蔵庫にしまうといいでしょう。
一方で高級なシャンパンを飲むなら、温度が上がるのを恐れすぎなくていいです。飲んでいるうちに温度が上がって、違う風味を発見できる場合もあります。


同様に泡が抜けるのもある程度許容しましょう。炭酸の強すぎる刺激は、むしろシャンパンの旨味を感じる邪魔をしがちです。2日目、3日目の方が美味しさを感じる可能性すらあります。
自分へのご褒美として1人・2人で1本飲むからこそ味わえる風味というものも、きっとあるはずです。
次につながる「自分だけが知っている優越感」


このシャンパン、あまり売っていないし全然SNSとかでは見ないけれど、美味しいんだよ
この生産者、最近なかなか手に入らないよね。日本に入ってすぐにたくさん確保していた、5年前の自分を褒めてあげたい


先述のとおりワインを良く飲む人・たまにしか飲まない人両方が集まる場なら、有名シャンパンが無難で喜ばれるでしょう。
一方でワイン好きばかりが集まる場なら、誰もが知ってるベタすぎる銘柄は、きっとウケが悪いです。個性が際立ちながら無名の銘柄の方が興味を持ってもらえます。しかし無名の銘柄なんて数限りなくあり、急に1本選んで持っていこうとしても難しいです。
個性際立つRMのワインを自分へのご褒美に飲むことは、そんなワイン好きに認められるための布石になります。
「有名ではないけれど、このシャンパンのこんなところが好きで持ってきました」
そうやって堂々と言える人を見下すワイン好きはいないはずです。だって自分の好きなものをみんなに飲んで欲しいって、素敵じゃないですか。
しかもみんなに美味しいと言ってもらえれば、「自分だけが知っていた」という優越感を得られるはずです。


あなただけが知っている美味しさ。無名の小規模生産者がつくるシャンパンを、まずは1年の総まとめであるこの季節にご褒美として楽しむ。そこで確認し気に入ったものを、今度はあなたの"推し"シャンパンとして教えてあげる。
失敗しないようにベタなシャンパンを買う贅沢とは、一味も二味も違った楽しみがあるはずです。