《生産者について》
ジャン・ルイ・ヴェルニョンは2世紀にわたり続く生産者です。5.3haの畑はメニルを中心にオジェとアヴィーズ。すべてグラン・クリュです。
一般的にメニルのシャルドネは、鋭く厳しい酸味とミネラルを持つと言われます。そのままでは美味しく飲めるまで長い熟成を必要とするので、多くの生産者はマロラクティック発酵をすることで酸を和らげています。
しかしJLヴェルニョンではその美しい酸味を守るため、一切マロラクティック発酵を行いません。その代わりに十分に熟した質の高いブドウを使うことで、その鋭い酸に負けない豊かな果実味を備えます。結果としてフレッシュなうちから楽しめるのです。
《このシャンパンについて》
ラインナップの中でこの「エロケンス」と「コンベルサシオン」が2つのスタンダード。エロケンスの方がドサージュがわずかに少ないのですが、味わいから受ける印象は大きく違います。
活き活きとした酸味の鮮烈な印象と、醸造責任者クリストフ・コンスタンが「Salinite(塩気)」と表現するミネラル感が際立ちます。しかし豊かな果実味が全体を包んでいるので、決して酸っぱくて尖った味のシャンパンではありません。
《テイスティングノート》
グレープフルーツやアーモンド、ビスケットのような繊細で引き締まったアロマ。口に含めば元気な泡感と共に舌の両脇をフレッシュな酸味が刺激します。3g/Lというすくないドサージュが信じられないほど、しっかり舌の上に果実感が乗っかるため、その高い酸味とバランスがとれています。長く続く余韻は、石灰や塩味のイメージで消えていきます。
Jean Louis Vergnon Eloquence