ワインの選び方

寒い季節に美味しいリッチ&ふくよか白ワイン特集

寒い季節に美味しいリッチ&ふくよか白ワイン特集
 
寒い季節に赤ワイン“だけ”を選ぶのはもったいない。今こそ「リッチでふくよかな白ワイン」がベストです。スッキリ爽やか系とは対照的な芳醇なコクと厚みは、少量でも満足感が高く、冷える季節の食卓に寄り添ってくれます。王道の樽熟シャルドネはもちろん、樽なしでも濃密でリッチな白ワインもあり、選択肢は実に多彩です。品種ではなく味のタイプから選ぶ濃厚な白ワインで、この冬ならではの面白さをぜひ体感してみてください。
 

リッチで芳醇なおすすめ白ワイン8選

 
リッチな白ワインといえば樽熟成したシャルドネ。そんなイメージを持っていませんか?
間違いではありませんが、それで全てではないのです。樽リッチなシャルドネ以外の白ワインもあれば、樽熟成なしで芳醇な風味を持つワインもあります。
飲み比べることで違いとそれぞれの魅力を感じていただけるでしょう。
 
 

甘い樽香に癒される

樽熟成してリッチな白ワイン
 
名前が中身を表しているワインは非常に分かりやすい。こちらはパウンドケーキのような甘い樽香が特徴のシャルドネです。
完熟パイナップルのような果実味と穏やかな酸味が溶け合い、口当たりは極めてまろやか。2,000円台前半とは思えないリッチな満足感があります。
正直、似たようなワインはたくさんあります。それはこういった甘い風味を持つふくよかなワインが大人気である証拠です。
 
 

完熟果実と香ばしい樽の至福のコク

樽熟成してリッチな白ワイン
  
このワインに感じるのは、南イタリアに燦々と降り注ぐ太陽。アプリコットやマンゴーの濃厚果実味に、オーク樽由来のローストナッツやバニラ香が重なります。
品種の違いは気にする必要はありません。上記のようなシャルドネが好きな方なら、違和感なく楽しめるはず。華やかさと濃密なコクのバランスが秀逸です。
 
 

これぞ芳醇!すべての要素が強い

樽熟成してリッチな白ワイン
 
通常はステンレスタンクで醸造されることの多いファランギーナ。それをあえて新樽で発酵・熟成を行ったのがこちらのワインです。
新樽由来のバニラの香りはもちろん、ブドウ由来の白桃やハーブの香りも濃厚。果実味に凝縮感がありつつ酸味もしっかりとあり、すべての要素が力強くバランスをとっています。
樽シャルドネとは大きく違う感覚。こんな濃厚ワインもあるんだと驚くでしょう。
 
 

これは新感覚!不思議な風味に酔いしれる

樽熟成してリッチな白ワイン
 
アルコールが15%に達するほど完熟させたブドウからつくるので、その風味も素晴らしく複雑で豊かです。飲む前から感じる香りもさることながら、口に含んでから鼻を抜けていく香りが面白い。ハチミツやスパイスのなんとも表現しがたい個性的なキャラクターを持ちます。
お気に入りワインをひたすらリピートするタイプの方にはおすすめしません。個性的なワインを楽しめる方にこそ提案したい、またとない存在です。
 
 

ピュアでパワフル、驚きのエキス分

樽なしだけどリッチな白ワイン
 
酸味は豊かなのに、それを上回るような密度を持つ果実味。香りも味わいも濃縮されたように感じるパワフルなワインがこちらです。
洋なしや黄桃のようなリッチなフルーツの香りに、味わいには適度な苦み。酸味とのバランス感で大きく表情を変えるので、サッパリ飲みたいかどうかも、温度でコントロールできます。食材も気分も対応の幅が広いワインです。
 
 

黄金色の凝縮感!

樽なしだけどリッチな白ワイン
 
プティ・マンサンは先ほどのジュランソンのワインでも使われている品種。果粒が小さく果皮が厚いため、カビなどの病気に強く風味に密度が生まれます。さらに糖度が高く上がりやすい。その性質が日本の気候に向いていると考え導入されました。
このワインは見た目から濃厚なのが分かります。若いワインなのに濃い黄金色の液体。アプリコットや金柑などのような果実味は、日本ワインとしては圧倒的な密度です。
 
 

産地と品種がかみ合ったコッテリ風味

樽なしだけどリッチな白ワイン
 
シャルドネのようなブルゴーニュ品種と違い、ローヌ品種は完熟のために豊かな日照と温度が必要。暑く乾燥したバロッサ・ヴァレーにピッタリです。シラーズ(シラー)が有名な一方で、ローヌの白品種でも素晴らしいワインができることを、このワインが証明しています。
トロピカルフルーツのようなリッチなフルーツの香り。そのイメージ通りの力強い果実味を、豊かな酸味が支えています。
 
 

シュール・リーが生む果実味と厚み

樽なしだけどリッチな白ワイン
 
みずみずしいフルーツの風味とともに、しっかりと厚みのある口当たりを備えるこのワイン。先述のワインほどの厚みはありませんが、1000円台の値段を考えれば期待以上です。
その理由はシュール・リー。澱とともに熟成させることで、コクや旨味が強化されているのでしょう。フリウラーノはどちらかと言えばスッキリ系の品種ながら、温かみを感じる味わいです。
 
 

「リッチでふくよかな白ワイン」は何が違うのか?

 
同じブドウからつくるのに、どうしてこれほどまでにワインの風味は様々なのか。
誰しも一度は疑問に思ったことがあるでしょう。
 
白ワインに限っても大きく違います。「リッチでふくよかな白ワイン」は何が違ってそう感じるのでしょうか。これは「スッキリ爽やかな白ワイン」と比較してみると分かりやすいでしょう。
 
 

結果から考察する「リッチでふくよか」

 
「リッチでふくよかな味わいだ」と感じる原因は、一つの要素だけではありません。いくつもの要素から総合的に感じています。ポイントとなるのは次の通り。
 
・高いアルコール度数
・口当たりの滑らかさやコク
・風味の複雑さ
・風味の性質(熟したフルーツ、落ち着き)
・色合い
 
例えば先ほど紹介したワインの中で、「パウンドケーキ・シャルドネ」は、風味が複雑でトロピカルフルーツのような完熟した香りを持ち、口当たりなめらかです。アルコール度数は特別高くはなく、色合いも薄くはない程度ですが、全体としてはリッチに感じます。
 
 

高いアルコールの理由とは

 
アルコールが高いワインをつくるには、糖度の高いブドウを使用します。高いアルコールはワインの味わいにおいて、アタックの強さや舌で感じる重量感、コクとして現れます。アルコール14.5%に達する白ワインは、ほぼ間違いなく「濃い」と感じるでしょう。
 
 
そのためにはブドウを遅く収穫するのが最も手っ取り早い方法です。熟度の高いブドウからは、レモンやリンゴといった甘味の少ないフルーツよりも、パイナップルやマンゴーといったトロピカルフルーツの香りを感じます。この風味の方向性も、スッキリ爽やかな白ワインとの違いです。
糖度が上がりやすいブドウ品種を選んだり、日当たりのいい畑を選ぶなどの栽培面の工夫もあります。

風味の複雑さをもたらすには

 
ワインの香りを言葉にしたとき、いくつの言葉が出てくるか。簡単に言えば、たくさんの風味表現が思い浮かぶのが「複雑な風味のワイン」です。
オーク樽熟成をすれば、バニラやココナッツ、クローヴといった、樽熟成由来の風味が追加されます。ワインの風味を複雑にする分かりやすい方法です。
 
 
かといって樽熟成していないワインの風味がシンプルとも限りません。たとえシンプルな醸造であっても、上質なワインからは複雑な風味を感じます。ブドウ自体の質が素晴らしい証拠です。
 
 

澱と酸素がもたらす変化

 
樽熟成の効果は風味の付与だけではありません。木目を通した微量の酸素接触により、ワインの口当たりがなめらかになります。
同時に風味の印象も変化します。もぎたてフルーツのようなフレッシュな風味は控えめになり、ドライフルーツにしたものなど、落ち着いた雰囲気を感じさせるようになります。
 
シュール・リー(澱との接触)も重要です。発酵時に生じた澱(おり)が自己分解することで、アミノ酸がワイン中に戻っていき、旨味やコクとなって感じます。
 
 

酸味のなめらかさの違い

 
ブドウに由来する酸味成分リンゴ酸は、シャープでキリっとした味わいです。それをまろやかな乳酸に変えるのが「マロラクティック発酵」です。あわせてバターや乳製品のような香りが加わります。
 
赤ワインのほとんどは、このマロラクティック発酵を実施します。白ワインの場合、スッキリ系のワインを造りたい時は、この発酵をブロックし、フレッシュで爽やかな印象を保ちます。
一方でなめらかな酸味にしたいとき、まろやかさを加えたい時は、マロラクティック発酵を実施します。
 
マロラクティック発酵の有無は情報がないことも多いですが、この季節のワイン選びはマロラクティック発酵ありのものがより適しているでしょう。
 
 

外観からも予測できる

 
色の濃いワインの多くは濃密な風味を持ちます。今回の安心院ワインのプティ・マンサンはその代表格です。果汁に対して果皮の比率が高いので、これほど濃い色になるのです。オーク樽熟成しても色合いは少し濃くなります。
逆にとても淡いレモンイエローの白ワインは、スッキリ系の味ではないかと推測できます。
 
 
ただし白ワインは、熟成によっても色が濃くなりますし、紫外線の当たる環境に保管しても濃くなります。色は予測の役に立ちますが、絶対ではありません。
 
 

酸味と果実味のバランス感

 
「ふくよか」あるいは「まったり」とした印象を受ける白ワイン。それは酸味が穏やかな場合もあれば、酸味はしっかりあっても、それ以上に果実味がたっぷりある場合にそう感じられます。
 
酸味の感じ方は人それぞれであり、酸っぱいと感じるワインを敬遠するのは当たり前です。一方で酸味が高いワインは、醸造や保管のリスクが減ったり、味わいの輪郭をハッキリさせたり、食事の油脂を切って後味をサッパリさせる効果があったりと、多くのメリットがあります。
ソムリエや専門家に好みのワインを相談するとき、「酸味の穏やかなワインをください」というと、変に甘い物足りない1本を提案されるかもしれません。「果実味たっぷりのワインをください」という方がおすすめです。酸味がある上で酸っぱいと感じない、上質なワインを提案してもらえるでしょう。
 
 

寒い季節、リッチな白ワインが活躍するシーン

 
ワインショップでは、春から夏にかけて白ワイン・スパークリングワインの売り上げが伸び、秋から冬にかけて赤ワイン比率が上がってきます。季節に応じて愛好家はワインを使い分けている証拠です。
その理由を紐解いていけば、今回ご紹介したリッチな味わいの白ワインは、赤ワイン的な飲み方が適していると分かるでしょう。
 
 

濃いものを少しだけ

 
気温が下がれば発汗量が変わります。夏ほど水分を必要としないので、「喉を潤すようにグビっと飲みたい」というシーンはあまりありません。スッキリとしたものをたくさん飲むより、一口に重みのあるものを少量ずつゆっくり飲みたい。
 
赤ワインは一般的に、白ワインよりアルコール度数が高いです。白ワインの一般的なアルコール度数が12~13.5%程度なのに対し、赤ワインは13~14.5%程度でしょうか。正確な統計ではなく感覚的ではありますが、1%程度の差があります。
わずか1%とはいえ、アルコール度数の差は味わいの違いとしてはっきり現れます。一口目からより力強い印象を受けます。だからこそ「赤ワインの方が飲みごたえがある」と感じる理由の一つです。これが秋冬に赤ワインを飲みたくなる理由の一つでしょう。
 
もちろんこれは大雑把な話です。赤ワインの中には、軽快で夏にピッタリのものもあります。そして今回ご紹介した白ワインのように、寒い季節に一口ずつ噛みしめるように飲みたいものもあるのです。
 
 

温度で味わいをコントロールする

 
「寒い季節に身体が冷える冷たいものをあまり飲みたくない」という理由もあります。
一般的に白ワインは赤ワインよりも低い温度で飲みます。寒い日に手が伸びやすいのは、然程冷たくない赤ワインの方でしょう。
 
  
その点でリッチでふくよかな白ワインは、スッキリ系のものより高い温度が適しています。ベストは10~12℃くらい。冷蔵庫から出して、寒い季節なら30分くらいでしょうか。
もっと温度を上げて、15℃前後で飲むのもありです。温度を上げれば酸味が和らぎ、甘味が強調されます。香りが立ちやすく、よりまろやかな印象になります。
上げすぎればバランスが崩れてしまいますが、そうであればまた冷蔵庫に入れればいいだけです。この冬は「1本のワインを温度を変えて、自分好みの味で飲む」ということに挑戦してみてはいかがでしょうか。
 
 

「濃厚=樽シャルドネ」はもったいない

 
リッチでふくよかな白ワインを飲みたいと考えるとき、まず思い浮かべるのは樽熟成したシャルドネでしょう。特にカリフォルニア産のものは、そのようなタイプが低価格のものから豊富にそろいます。
シャルドネは樽熟成の風味との相性が非常に良いとされます。明確な品種の特性香というものを持たないので、産地や醸造法の特性がよく表現されるからです。
 
だからといって、他の品種が樽熟成に向かないというわけではありません。品種の特性香と樽香が合わさることで、今回の「ペクトゥス ファレルノ デル マッシコ ビアンコ」や「カトル タン ジュランソン セック」のように、非常に面白い風味のワインが出来上がります。
 
 
樽シャルドネは安心感があります。「こんな味のワインを飲みたいな」という期待から大きく外れません。その分、マンネリ化してしまう恐れもあります。
そんなときこそ、シャルドネ以外の樽リッチワインです。きっとワインの面白さを再認識できるはずです。
 
 

料理によるリッチな白ワインの使い分け

 
今回は樽熟成あり/なしの2つのタイプをご紹介しました。樽の有無で料理との相性が変わってきます。
 
樽熟成しているものは、とりわけクリームやバターを使った料理と好相性です。
樽から来るバニラやココナッツの風味。マロラクティック発酵によるバターや乳製品の風味と口当たりのなめらかさ。それらの要素が料理にもあると、風味の相乗効果や口当たりの調和が期待できます。
グラタンやクリームシチュー、魚のムニエルのような料理は、寒い季節の食卓にピッタリでしょう。
 
 
一方で樽なしで味わいに厚みのあるワインは、素材自体の脂や甘味を味わうような料理に向いています。豚肉や鶏肉のロースト、脂の乗った魚のソテーなど、素材そのものの良さを味わうとき、樽香のないピュアな味わいの方が適しています。酸味が高いと料理の余韻を完全にリセットしてしまう恐れもあります。ほどよく抑えられた酸味の白ワインの方が、脂の心地よい余韻を引き継いでくれるでしょう。
 
 

選択肢が広がれば食卓も心も豊かに

 
楽しく選べる範囲であれば、ワインの選択肢は多いに越したことがありません。
 
「冬にワインを飲むなら赤だよね」よりも、「赤ワインもいいし、濃厚な白ワインもいいよね」の方がいい。もっと言うなら「樽熟成したものと、樽なしのもの、両方買っておこうか」の方がもっと楽しめます。ワインは1本に決める必要はありません。予算が許す限りいろいろあった方が面白いに決まっています。
 
様々なワインを家に蓄えて、その日の気分や夕食のメニューにあわせて選ぶ楽しさ。そして温度などの飲み方を変えて味わいをコントロールする面白さ。この冬、自宅で堪能してみてはいかがでしょうか。
 





※投稿に記載しているワインのヴィンテージ・価格は執筆時のものです。現在販売しているものと異なる場合があります。
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