ワインの楽しみ方ガイド

スッキリ辛口な夏ワインの選び方 晩酌充実で夏バテ知らず

2023年6月15日

スッキリ辛口な夏ワインの選び方 晩酌充実で夏バテ知らず
 
晩酌をより楽しくする夏ワインがあれば、夏バテなんてしているヒマはありません。
バランスのよい食事を美味しく食べること。これが一番の健康維持だからです。
夏の気候・食事・体の状態を考察し、適したワインのタイプをご紹介します。
日々のお酒に夏ワインを取り入れて、調子よく充実した夏にしましょう!
 

日本の夏を考察する

 
日本の夏は世界的に見ても「暑くて不快」と言えます
厳しい環境だからこそ、そこで体調を崩してしまうことは決して恥ずかしいことではありません。
 
 
そう述べるとこう思われるのでは?
「日本より暑い国なんてたくさんあるでしょ?」
それは間違いではないのですが、夏の厳しさという点ではやはり日本は世界有数なんです。
 
 

不快指数とは

 
不快指数とは夏の蒸し暑さを数量的に表した数値です。
不快指数80~85で全員が「暑くて不快」に感じ、85を超えると「暑くてたまらない」となるそうです。
 
例えば猛暑日として分類される最高気温35度。湿度10%なら「半数以上が不快に感じる」指数76ですが、湿度が55%あると「暑くてたまらない」指数85に達します。
 
 
2022年、東京都の8月の平均最高気温は31.6℃。そして平均湿度は80%です。最小の湿度でも40%です。
 
 
 
32℃の最高気温のとき湿度が40%だったと仮定しても、不快指数は79。
 
 

夜間気温の高さ

 
最高気温の値でいうなら、「フランスのブルゴーニュ地方で40℃を記録」なんてニュースは近年珍しくありません。
しかし夜間の気温が違います
 
例えばこちらのデータで、ブルゴーニュのディジョン市における8月の平均最高気温は26℃。最低気温は14℃です。
(平均の最高気温26℃から、ニュースで見る最高気温40℃って・・・・何がどうなった!?)
 
それに対して東京の8月の平均最低気温は25℃くらい。いわゆる「熱帯夜」が普通であり、夜になっても暑い日がほとんどなのです。
 
 
平均最高気温32℃、平均最低気温25℃という数字は、赤道直下にあるシンガポールとほとんど変わりません
 
 

日本は夏暑く冬寒い気候

 
日本は地理的には東岸海洋性気候に分類されます。
この特徴は夏に暑く冬に寒いことです。大きな海と大陸との位置関係、夏に太平洋高気圧の影響を強く受けるため、猛烈に暑くなるのです。アメリカの東海岸も似たような気候です。
 
それに対して西岸海洋性気候は、夏の暑さ穏やかであり、冬の寒さも厳しくない環境です。
この気候に属するのがヨーロッパやニュージーランド。オークランドの夏の気温は、最高が平均26℃、最低が平均17℃とかなり過ごしやすいものです。
 
 
余談になりますが、筆者は高校生のころ地理の授業をクーラーのない教室で受けている最中に、この気候区分を学びました。
「絶対に将来西岸海洋性気候の国に住んでやる」と心に誓いつつ、まだ日本を脱出できておりません。
 
 

夏に負けたって仕方ない

 
こうして日本の夏が厳しい事実を挙げたところで、耐えやすくなるわけじゃありません。
言いたいのは「こんだけ暑いんだから、夏に負けたってしかたないって」ということ。
気象庁が呼びかけるように、適切にクーラーを使うことは必要なんです。
 
 
かといってクーラーが全てを解決してくれるわけではありません。
種々の要因により毎年「夏バテ」をしてしまう方も、少なくないでしょう
 
 

夏バテのメカニズム

 
夏バテとは夏の高温多湿に対応できずに生じる体の不調の総称です。(※)
体の調子を整える自律神経(交感神経と副交感神経)が乱れることで起こります。
「体がだるい」「食欲がない」「疲れがとれない」などの症状です。
 
 
「お酒が夏バテに効く」なんて胡散臭いことを言うつもりはありません。
でも「ワインを上手に使えば夏バテしにくくなる」と言えるはずです。
 
アリナミンHPによる
 
 

夏バテになる原因

 
自律神経に不調をもたらす原因として挙げられるのが、睡眠不足や睡眠の質の低さ、生活リズムの乱れや運動不足、食事内容の偏りです。
これ全て「私は問題ありません!」と言い切れる現代人、どれだけいるでしょうか
 
 
完璧じゃなくていいんです。夜の短い夏場は自然と睡眠時間が短くなる方も多いでしょう。
ちょっと寝不足気味だし、暑いから動きたくないけど、バランスよく食事はとってるよ
 
これで十分とは言えないでしょうが、何もしないよりはマシです。
 
 

バランスのいい食事にワイン

 
「暑いからさっぱりしたものしか食べたくない」
そうやってそうめんやゼリーばかり食べていては、栄養素が炭水化物に偏って不調の原因になり得ます。
 
 
言い換えれば夏場でもサッパリ美味しいものならたくさん食べれる
料理をさっぱりとしたメニューに工夫するのもいい。夏はそんな食材も多いです。
一方で食事にワインを取り入れるのも効果的です。
 
 
 

食生活改善にワインの酸を

 
夏バテの症状があらわれてからワインを飲んだとて、効くとは思えません。むしろ余計に体に負担をかけてしまうでしょう。
効果を求めるなら予防として。
暑さによって減退しがちな食欲を高めるために、食中酒としてワインをおすすめします
 
 
なぜならワインはいろいろなお酒、いろいろな飲み物の中で特に酸味が高いものの一つだからです。
もちろんワインによって酸味の強さは違います。それでも他の飲み物に比べて食中酒として飲むことで、後味をスッキリさせる効果が高いのは間違いないです。
 
 

ワインは酸味が高い

 
ワインはガラス製の瓶に入れてコルクで栓がされています。
この理由は他の飲み物に比べて非常に酸性度が強く、金属製の容器を腐植させてしまうからです。
 
 
酸性・アルカリ性の強さを示す「pH」。pH=7が中性で値が小さくなるほど酸性、大きくなればアルカリ性です。
ワインのpHは3.0~3.8くらい特に白ワインの酸性度が高いです。これは白ワインの醸造方法に関係するので後述します。
 
とがみ歯科さんのHPによれば、ビールのpHは4.3。焼酎や日本酒で4.9くらいだそうです。
ビールや日本酒にもいろいろ種類があるので個体差はあるでしょうが、それでもワインの酸性度が高いのは明らか。
 
酸性度が高い = 酸味が強いとは言えませんが、関係はしています。
 
ちなみにワインは酸性が強いので、歯のエナメル質を溶かします。虫歯予防の観点からは、決して優れた飲み物ではありません。
対策として食後にすぐ歯磨きをするのはもちろん効果的。そのほか口内のpHは唾液でも調整されます。ワインだけで飲み続けるよりは、食事をしながらの方が口内ヘルスにはベターです。
 
 

夏の食中酒としてビールが優れている理由

 
夏はワインじゃなくてビールでしょ
あながち否定できません。私もやはり夏場はビールを飲む頻度が増えます。
 
アサヒグループHDによる資料では、スーパードライの販売数量は年に2回。宴会シーズンの12月と夏場の7月です。
 
 
一方でワイン専門店である当店の売り上げは、7月か8月が年間で最も低くなることが多いです。
 
 

夏にビールがうまい理由

 
気温が高く多くの汗をかくこの季節。ビールが美味しい理由は次の3つではないでしょうか。
 
〇辛口 甘味がないこと
〇喉を刺激する炭酸
〇アルコール度数の低さ
 
甘くまろやかな味わいのものよりは、辛口で甘味を感じないものの方が「スッキリ」とした印象になりやすいです。
その印象を炭酸の刺激が強調します。炭酸が入っていると甘味を感じにくくなることも、相乗効果があるでしょう。
夏場は汗でより多くの水分が失われます。アルコール12~15%のワインより、アルコール5%のビールをゴクゴク飲みたい。そう体が求めるのでしょう。
 
これらの条件はハイボールにも当てはまります。
 
 
夏場にビールが飲みたくなるのは自然。でもその理由を考察していけば、夏に美味しいワインの条件が見えてきます。
さらにワインには、ビールではあまり強く感じない「酸味」という武器があります
 
 

夏に体が求めるワインの条件

 
「辛口」「炭酸」「低アルコール」。
低アルコールについてはワインで実現することは難しいですが、残りの2点についてはほとんどすべてのスパークリングワインが満たしています。
 
とはいえ「夏にはスパークリングワインも美味しいよ!」なんて結論は面白くないですよね。「知ってるよ!」と。
ゆえに多種多様な白ワインの中から、夏に飲むに相応しいものを選ぶポイントをご紹介します
 
 

夏ワインは樽熟成とマロラクティック発酵を避けるべし

 
樽熟成とはアルコール発酵が終わった後のワインをオーク樽に入れて数か月から数年保管することです。
赤ワインの大半がオーク樽熟成してつくられます。適度な空気接触で渋みをまろやかにするためです。
白ワインの樽熟成をする/しないは、ブドウ品種で傾向があります。シャルドネはするものが多いですし、他の品種なしないものの方が多いでしょう。オークの風味が付与され、ボリューム豊かな味わいになります
 
 
マロラクティック発酵とは、ワイン中のリンゴ酸を乳酸に変える反応のことで、アルコール発酵に次いで起こる/起こします。
ワインの酸味がまろやかになり、出荷後の状態が安定します
これも赤ワインではほとんど行われます。白ワインではやはり品種により、フレッシュなフルーツ感や酸味を大事にするワインでは行われません。
 
夏の白ワイン、スッキリとした風味がより強調されたものを選ぶためには、樽熟成もマロラクティック発酵もしていないものを選ぶのがポイントの一つです。
 
 

白ワインのほとんどは辛口

 
甘口のワインを除けば、大半の白ワインが含む糖質はかなり少ないです。
「辛口」と呼ばれる白ワインが1L中に含む糖分の量は、ショ糖換算でおおよそ4g以下。ちょっと高いものでも9g以下です。
ちなみに赤ワインはもっと糖分の量が絞られており、2g/L以下のものが多いです。これくらいになると舌で差は感じられません。
 
 
一方で国内で流通するジュースや缶のお酒などに表記される成分表示は、100ml当たりであることが多いです。だから炭水化物の量の表記を10倍して比較する必要があります。
例えば缶チューハイのヒット商品「氷結」シチリアレモン味の糖質は100mlあたり3.6g。つまり36g/Lということ。
「辛口」を謡うスーパードライの糖質は、100mlあたり3.0g。つまり30g/Lです。
 
つまりワインはビールなどに比べてもずっと「辛口」なのです。
 
 

酸味の高さは産地とブドウ品種

 
ワインの酸味の高さには産地とブドウ品種、収穫のタイミングが大きく影響します
 
一般的に酸味が高くなりやすい品種、落ちやすい品種があります。
そのうえで同じ品種でも冷涼な産地なら酸味が高くなり、温暖な産地なら酸味穏やかになります。
 
しかしそれは絶対ではありません。温暖産地でも収穫のタイミングを早くすることで、フレッシュな酸味を残すこともできます。
 
 
だから飲んだことのないワインの酸味の高さを予測するのには、結構な知識が必要です。
そして大事なのは、酸味は高ければいい/低ければいいというものではありません。ワインとしてバランスがとれている上で、飲み手にとってちょうどいいことが大切です。
 
だからこそ次の章からのおすすめ夏ワインを参考に、ジメジメ暑い気分をシャキッとさせる1本を選んでみてください。
 
 

濃厚白ワインがお好きな方の夏ワイン4選

 
「夏にはスッキリとしたワインがおいしい」とはいえ、「酸っぱいワインは苦手」という方も多いでしょう。
そんなに変える必要はありません。まずは樽熟成によるリッチさがないワインを選んでみる。そのうえでまずは酸味が高くないものから始めて、口に合うようならもっとサッパリとしたワインにシフトしていくのがおすすめです。
 
普段はリッチで濃厚な白ワインを好んでいる方へおすすめする、口当たり軽くあまり酸っぱくないワインをご紹介します。
醸造に関する情報が不十分なものもありますが、おそらく全てステンレスタンク発酵&熟成でマロラクティック発酵はなしです。
 
 

スッキリのなかにまろやかさとコク

ピノ・グリはあまり酸味が高くならない品種。植物性油のようななめらかで厚みのある質感を持つワインが多いのが特徴です。
このワインはやや早く収穫しているのでしょう。平均よりはちょっと高めでさっぱり目の味わい。しかし酸味はまろやかに仕上がっています。
 
 

2000円だからこそ夏にうまい

グリューナー・フェルトリーナーはオーストリアにて高級品種。高価なワインは「フルボディ」と表現したくなるようなボリューム感を持つワインに仕上がります。でもこのワインは違う。
フレッシュな果実感と程よく高いスッキリとした酸味。スマートで夏にピッタリの口当たりは、手ごろな価格だからこそです。
 
 

主産地じゃないから安くてまろやか

アシルティコはギリシャを代表する白ブドウであり、高級品種。サントリーニ島でつくられるものが有名です。果実の凝縮感も酸味も非常に高いのが特徴で少し厳しさを持ちます。
しかしギリシャの大陸側でつくられるものは、もっとフランクでフレンドリー。味わいも雰囲気もいい感じに『ゆるく』、スッキリなんだけどキリッキリではありません。
 
 

香りだけ甘い軽やか辛口

11%ほどの低めのアルコールであるこのワイン。低いアルコールは軽い口当たりにつながるので、さっぱりとした味わいです。
しかしその香りは豊潤で甘やか。ムスカテラーやゲヴュルツトラミネールといったブドウ品種の特性です。酸味も尖ってはいません。
 
脱アルコール処理などではなく、自然な低アルコールの辛口ワインというのは、実は作れる場所はかなり限られています。
 
 

スッキリ系白ワインがお好きな方の夏ワイン4選

  
普段からスッキリ系のワインもよく飲んでおられる方は、夏場はもっと攻めてもいいでしょう。キュンキュンとした酸味のあるワインは、あなたの気分を引き締めてくれます
  
酸味が適度に高いワインも、ちょっと尖りすぎているようなワインも、味わいの説明には「バランスがいい」と表記されます。だって「すっぱい」って書いたら売れないじゃないですか。
  
当店のリーズナブルなワインの中で、「すっぱい」と言われるのを恐れない味づくりをしているものをご紹介します。
   
  

シャルドネのイメージが変わるかも!?

冷涼産地。主にステンレスタンク発酵・熟成、おそらくマロラクティック発酵なし。
もともと品種特性の香りが強くないブドウ品種です。人によってはいつも飲んでいるシャルドネと風味が違いすぎて、同じ品種とは思えないかもしれません。
 
それほどキュンキュンのシャープな酸味のある白ワインです。特に執筆時(2023年6月)に販売している2021年は酸味の高いヴィンテージです。これは暑い時期にこそ飲みたい!
 
 

夏でもがっつり食べたいときのお供に

アルバリーニョもリースリングやソーヴィニヨン・ブランのように酸味の高い品種です。
個人的な意見ですが、アルバリーニョは他の品種に比べ、「酸味が太い」イメージを持ちます。口の中で酸味を感じるゾーンが広く感じるのです。
 
 
それもあって酸味の感じ方にボリュームがあります。海沿いの地域でつくられるワインだけあり魚介料理との相性はいいのですが、どちらかというと油もしっかりつかった重ための魚料理。揚げ物などといかがでしょうか。
 
 

料理にレモンを絞る代わりに

現地では生ガキを食べるときのワインとして「ハンター・セミヨン」はド定番なんだそう。
高い酸味と控えめな柑橘の風味のある白ワインを一緒に飲むのは、まるでレモンを絞るみたいな感覚なのです。
 
 
早摘みによって11%程度のアルコールに抑えられるのが、「ハンター・セミヨン」のスタイル。ついついゴクゴク飲んじゃいます。
 
 

とりわけ酸味がシャープで刺激的!

ニューワールドのリースリングの中でも、ひと際ドライでキュンキュンしている。
そんなイメージが強いのがこのフイアです。
 
ニュージーランドでリースリングは基本的に半甘口に仕上げられます。辛口なものは「DRY」と表記されるので非常にわかりやすい!
現行2017年の数値は未確認ですが、公式HPの2019年のpHが2.84!かなり低い数値です。バッチリ歯が溶けそうなワインです。
 
 

スパークリングや赤の夏ワイン

 
夏は白ワインがよく売れる季節であるとはいえ、スパークリングワインがお好きな方や年中赤ワインを飲みたい方もいるでしょう。
先述の夏場においしいワインの条件を踏まえながら、泡と赤でも夏ワインのおすすめをご紹介します。
 
 

ドサージュなしなら泡が抜けてもドライ

 
炭酸の抜けたジュースは甘ったるく感じるように、泡がなくなったスパークリングワインは甘くもったりとした余韻になってしまいます。
それは一般的なスパークリングワインには、「ドサージュ」といって味わい調整のための甘味が加えられているから
「BRUT」と呼ばれるスパークリングワインには、1Lあたり最大12gの糖分が入っていて、それでちゃんと「辛口」に感じるのです。
 
ドサージュについて詳しくはこちら。
 
だから炭酸が抜けてしまえばバランスが崩れ、甘味が感じられるのが必然。
それがイヤならドサージュがなし/ほとんどなしのスパークリングワインを選べばいい。「BRUT NATURE」や「EXTRA BRUT」などの表記が目印です。
 

 
ドサージュをなくすこと自体は別に難しくもなんともありません。ドサージュなしで酸っぱく薄っぺらいワインにならないためのブドウの質。それを手ごろな価格で実現するのが難しいんです。このワインはお見事!
 
 

夏ワインで充実した晩酌ライフを

 
夏を楽しむ上で「体の調子がいいこと」は非常に大切。夏バテしてては夏を楽しめません。
そのために必要なのは、質の高い睡眠やバランスのいい食事など。
 
残念ながらワインに限らずお酒は睡眠の質を下げてしまいがちですが、だからと言ってお酒飲まないという選択はこのブログの読者にはないはず。
 
 
夏の晩酌にはビールが選ばれがちですが、ワインにはビールにない魅力もあります。高い酸味で食事をさっぱりさせ、食欲を増進させてくれることです。
 
普段の晩酌に上手に夏ワインを取り入れて、晩御飯をより美味しく食べて、厳しい日本の夏を乗り切りませんか?





※投稿に記載しているワインのヴィンテージ・価格は執筆時のものです。現在販売しているものと異なる場合があります。
購入の際は必ず商品ページにてご確認ください。




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