ワインの選び方

【ソムリエが選ぶ】1000円台おすすめ白ワイン 8選!《入門編》

2020年6月5日

先日の「1000円台おすすめ赤ワイン」に続いて、今回は白ワイン。
ソムリエが選ぶ1000円台のおすすめ辛口白ワインをご紹介します。
 
 
手ごろな白ワインを選ぶ際に留意すべき点は1つ。
「飲みごたえ」を求めるか「軽やかさ」を求めるかです。
 
 

白ワインを3つに大別すると

 
今回は辛口白ワインのおすすめをご紹介します。
甘口白ワイン好きの方も少なからずいらっしゃると思いますし、私も甘口は好きです。
しかし「ワインは辛口がいい」という方が多くいらっしゃるのも事実なので、甘口は別の機会で。
 
一般的とは言えませんが、私は白ワインは3つに大別できると考えます。
 
①しっかり系 オーク樽熟成したもの
②すっきり系 オーク樽熟成しないもの
③香り系 アロマティックな香りが特徴なもの
 
 
ひとまず考えるべきは、①と②どちらがいいか。
好みで選んでもいいですし、どこでだれと飲むかでも判断できます。
 
③については、①と②を両方試してみた上での変化球です。
 
 
順に解説していきます。
 
まず①について、飲んだことがある方なら、カリフォルニアの2000円くらいのシャルドネを思い浮かべてください。
ワインの醸造の際に、オーク樽で熟成することでバニラのような甘い香りとリッチな風味を得ます
(より詳しくはオーク樽熟成についての記事で解説しておりますが、今回の記事に関しては別に読まなくても構いません。)
 
香りはシンプルながらもボリューミーで、熟したフルーツの風味が豊か
ワインが訴えかけるものが大変分かりやすく、飲みごたえを感じます。
よって大人気です。
 
品種はシャルドネが多いですが、一部のソーヴィニヨン・ブランやローヌ品種もこれに当たります。
 
 
一方で一人でたくさん飲もうとすると、飽きてくる可能性があります。
10000円クラスのものなら一人で飲む間にもワインの変化を楽しめるでしょうが、1000円台のワインにそれを求めるのは酷というもの。
飲みごたえが「濃い」と感じ、疲れてしまうかも。
 
ならば一人で飲まずに2人、3人と分け合う
もしくは2日に分けて飲む
 
そうすることで、しっかり系のワインをより楽しめます。
 
 
逆にオーク樽ではなくステンレスタンクで熟成を行えば、ブドウと発酵由来の香りがより明確に感じ取れます
樽熟成のシャルドネのようなリッチさはなく、②のスッキリ系ワインは飲みごたえという点では劣るかもしれません。
 
しかしより幅広い食事を引き立てるのは、このような繊細な風味をもつワインです。
だからこそ、晩酌に飲んでいるとすぐなくなっちゃう!
スイスイ飲めてしまうところが、いいところでもあり悪いところでもあるのです。
 
ブドウ品種の代表格は、ボルドー以外のソーヴィニヨン・ブランやリースリング、シュナン・ブランなど。
 
 
 
③の香り系とはブドウ由来の香りがハッキリ現れる品種の白ワイン。
 
 
最も分かりやすいのがゲヴェルツトラミネールという品種。
ライチのような甘い香りが広がります。
生産国に関わらず共通したアロマが感じられる、非常に特徴的なブドウで、少し甘口に仕上げられることが多いです。
 
次にメジャーなのはモスカート系の品種でしょう。
食用ブドウとして見かける「マスカット」の近縁種。
ブドウの香りがワインからもストレートに感じ取れるのが特徴です。
 
その他には、ヴィオニエ、ピノ・グリ、トロンテスなど。
マンゴー、パイナップル、洋ナシ、メロンなどのよく熟した香りが共通します。
 
 
今回のセレクトでは、③の香り系はあえて外しています。
それぞれ特徴があって面白いのですが、楽しみ方としては何本かワインを飲む中の1本、というのがいい。
家で1本を一人ないし二人で飲むなら、まずは①か②がおすすめです。
 
香り系白ワインに関しては、別の機会にご紹介いたします。
 
 
なお、この分類は業界の共通認識というものではなく、境界もあいまいであることをご了承ください。
 
 
 
ではまず①のしっかり系白ワインからご紹介します。
 
 

ヴァイン イン フレイム シャルドネ 2018 ブドゥレアスカ

東ヨーロッパに位置するルーマニア。
あまりなじみのない生産国でしょう。
 
しかし2019年のワイン生産量は世界13位
ニュージーランドやオーストリアなどより多いのです。
 
ヴァイン・イン・フレイムのシリーズが日本に入荷したのは確か3年ほど前。
輸入元のモトックス様の試飲会でお披露目されるなり人気爆発。
 
2か月持たずに欠品になっていたと記憶しています。
 
現在もちょくちょく欠品するのが、一番人気のシャルドネ
 
 
トロピカルフルーツの風味を覆うようにオーク樽、ヒノキのような風味がしっかり香ります。
1年ほどの熟成でも風味が溶け込んで良くなりそうですが、それまでに消費しつくされてしまうのがもったいないところ。
 
 

リントンパーク 76 シャルドネ

オーク樽とフルーツの風味のバランスを考えた時、ヴァイン・イン・フレイムの方はオーク樽より。
逆にフルーツ感が強いタイプがこのリントンパークのシャルドネ。
メロンやいちじく、バターのような香りを感じます。
 
輸入元マスダ様の売り上げランキングでも上位に入るそうで、当店でもよく売れています。
 
 
2016年ヴィンテージより、リチャード・カーショウMWがコンサルタントに入っているのだとか。
5000円強の”リーズナブルな”シャルドネをつくる、あのカーショウです。(飲めば納得)
その結果ワインはよりきれいな味わいとなり、リピート率がより上がったのでしょう。
 
 

シャトー ボーモン レ ピエリエール 2016

しっかり系白ワインの代表はやはり樽のきいたシャルドネです。
なので上記の2種以外にも、それはもうたくさんあるのですが、同じようなものばかり紹介しても仕方がない。
 
他にリッチな白ワインとして挙げられるのがボルドーブランです。
 
メインとなる品種はソーヴィニヨン・ブラン。
他にセミヨンやミュスカデルなどがブレンドされます。
 
同じようなスタイルのものがカリフォルニアなどでも見られますが、たいていは2000円を超えてしまいます。
 
 
ブドウの間引きを行い、1本の樹になる房の数を抑えた栽培。
そして90%ブレンドするソーヴィニヨン・ブランをオーク樽で発酵・熟成。
 
1000円台で飲めるのが信じられないほど、しっかりとした味わいに仕上がっています。
 
 
 

ヘレンベルク ホーニッヒゼッケル ブラン ド ノワール ファインヘルプ 2018

しっかり系白ワインの裏技ともいうべきなのが、「ブラン・ド・ノワール」。
 
シャンパンによく用いられる用語で、直訳すると「黒の白」。「黒ブドウからつくる白ワイン」という意味です。
この場合は黒ブドウのピノ・ノワール100%を用いて、皮の色が果汁に移らないように醸造しています。
 
色はほぼついていないので、果皮から来る渋味・タンニンはありません。
しかし黒ブドウ由来のコクのある味わいは、やはり白ブドウとは違う。
 
ちょっとだけ高めの残糖度も、甘さとして感じるよりは重たさとしてあらわれます。
 
 
 
続いて「飲みごたえ」よりも「スッキリ感」「飲み疲れしない」ことを優先する②のワインをご紹介していきます。
 

アルクーミ ホワイトラベル リースリング 2019

筆者片山はリースリング好きでして、公私ともに数多くのリースリングを飲んでおりますが、いまだにこれより安くて美味しいものは見つかっておりません。
決して高級な味がするわけではないのですが、「もうこれでいっか」とこれに落ち着いてしまう。
 
それほど”悪いところがない”ワインなのです。ケチのつけようがない。
 
頭をからっぽにしてゴクゴク飲みたいときにおすすめです。
 
注意点としては、このワインは温度が上がると締まりのない印象になります。
これはスッキリ系の白ワイン全般に言えることですが、しっかり冷蔵庫の温度まで冷やした方が美味しいです。
 
例えばテレビを見ながらゆっくり飲む場合などは、グラスに入れすぎないようにして、ボトルも時々冷やす。
冷蔵庫が食卓の近くにないのであれば、スリーブタイプのワインクーラーを用意する、などの工夫でより楽しめます。
 
 

フィリップ エ シルヴァン ラヴィエ アビーム 2018 

スッキリ系の白ワインで、私が全力で推したいのがこのアビーム
 
正直、売れ行きのいいワインではありません。
このワインの産地である「サヴォワ」は、残念ながら人々に忘れ去られたような産地。
その「ジャケール」という地ブドウの名前を聞いても、誰も「美味しそう!」とはならないでしょう。
 
でも旨い。
 
輸入元のアズマコーポレーション様は、そういうマイナーだけど飲んだら旨くて値ごろ感があるワインを探して来るのが上手なのです。
 
この白ワインからは、アルプス山脈から吹き下ろすカラっと涼しい風を感じるかのようです。
 
 
 

ソアーヴェ 2018 ジャンニテッサーリ

「スッキリ軽い口当たりのワインがいいけど、酸味が強いのはイヤ」という方もいるでしょう。
 
「スッキリ上品で美味しい」と感じるか、「酸っぱくてイヤ」と感じるかのラインは人それぞれ。
それは単純に酸度やpHというより、「酸の質」によるのですが、定量化できるものではないので飲まないとわからない。
 
レモンのような酸っぱいものがかなり苦手な方は、リースリングやソーヴィニヨン・ブランといった柑橘系の風味をもつものは避けてもいいでしょう。
 
その点意外と懐が広いのがイタリアの白ワイン。(ただしフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州のものを除く)
イタリアはワインの生産量世界一であり、フランスよりも全体的に温暖。
その量をさばくため、酸が低めでもカジュアルにゴクゴク飲めるスタイルのものが多いのです。
 
大半の「ソアーヴェ」はその代表格。
 
家の冷蔵庫に何本も白ワインが冷えていて、「今日何飲もう」と考えるとき。
あまり「そうだ!ソアーヴェが飲みたい」とはなりません。
迷った後「今日はソアーヴェでいいや」と選ぶのです。
 
でも、結局たくさん飲まれるお酒って、そういうものじゃないですか。
 
 

クメウ リヴァー ヴィレッジ ピノ グリ 2017

しっかり系がいいかスッキリ系がいいか迷っちゃう。
間をとったようなのないの?
 
ございます。
 
ピノ・グリがおすすめです。
 
 
ピノ・グリというブドウは、ピノ・ノワールの親戚。
「ノワール」とはフランス語で黒、そして「グリ」とは灰色のことです。
ピノ・グリは完熟すると灰色がかったピンク色に色づきます。
 
このまた親戚にピノ・ブランという白ブドウもあるのですが、ピノ・グリをこれと比べるとコクが違います。
ピノ・グリの方が舌の上に重たさ、粘性を感じるのです。
 
なのでオーク樽熟成していない白ワインですが、適度な飲みごたえがありつつピュアな風味。
スルスルとグラスが進みます。
 
 
 
私は、ワインの魅力はいろいろな味が楽しめるところだと考えています。
1000円台という手ごろな価格帯に絞ってみても、それは千差万別。
「自分の好きそうなものを1本」なんて言わず、普段飲まないようなものもどんどんチャレンジして頂きたい。
 
きっとワインの広大な世界は、驚きをもってあなたを迎えてくれるはずです。
 
 
◆今回ご紹介したワイン
 

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