《生産者について》
ドイツのワイン生産地で最も温暖なバーデン地域のカイザーシュトゥール。この地域で非常に品質が高いビオディナミの生産者として名を馳せているのがトラウトワイン醸造所です。1649年から続く家族経営のワイナリーで、現当主は二児の母でもあるアネ・クリスティン・トラウトワインさん。メオカミュゼやルフレーヴで研修経験のあるスーパーエリートでありながら、ほんわかした空気感を持つ優しい女性です。
《低アルコールワインについて》
涼しい年にブドウの栽培が雑だったり、収穫量が多かったりしてブドウが未熟だと、薄くてバランスの悪い低アルコールのワインが出来あがることがあります。だから多くの地域でブランド名称を使用するワインには、"最低"アルコール度数が決められています。アルコールが「上がらなかった」ワインは、美味しくないものが多いです。
しかしこのワインは全く別。低アルコールの軽やかな飲み口を狙って、冷涼なドイツでブドウを早く摘むことでアルコール度数を抑えてつくっています。例えば2021VTのアルコール度数は12%。2019VTは11%でした。
アネさんは「ビオディナミを導入したことで、ブドウの成熟ペースが揃うようになって、早摘みもしやすくなった」と語ります。
《テイスティングノート》
白桃を思わせる甘やかな香りが漂いますが、味わいはドライ。ドイツには甘口で低アルコールのワインはたくさんありますが、このワインは十分「辛口」と表記できるレベルです。軽やかな口当たりでワインがスムースに喉に入って来ます。早摘みしていますが決して酸味が鋭いことはなく、生産者の人柄を反映してかやさしい雰囲気です。
Trautwein Blanc