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2000円以下のカリフォルニアワイン|イメージ通りな味の安心感

2000円以下のカリフォルニアワイン|イメージ通りな味の安心感
 
低価格のカリフォルニア産ワインの魅力は、選びやすさと安心感です。品種の特徴を期待通りに表現した、少し甘くて分かりやすい美味しさ。ブレンドの意図や産業構造を知れば、予想外のワインが少ない理由に頷けます。2000円以下のおすすめワインを通して、カリフォルニアワインの裏側をご紹介します。
 

2000円以下のカリフォルニアワイン、1番人気

 
「2000円以下のカリフォルニアワイン」というカテゴリに絞ったとき、当店で昔から売れ続けているのが「イーター シャルドネ」です
 
 
イーターのシリーズはいくつか取り扱っています。赤ワインもよく売れているのですが、3種類に人気が分散しているのもあるでしょう。販売本数ではシャルドネが一番です。
オーク樽熟成の風味が豊かに感じられ、酸味はやや低く濃厚。まさにイメージ通りのカリフォルニア・シャルドネなのではないでしょうか。
楽天市場店でのレビューコメントを拾うと、「樽の香りが心地よい」「濃い白ワイン」「手頃」と寄せられています。説明通りの味わいに満足していただいていることが伺えます。
 
オーク樽熟成によるものと、酸味が低いこともあり、香りや風味に甘いニュアンスを強く感じます。あくまで分類としては「辛口」の表記でしょうが、その範囲内で甘い風味を感じるのです。
こういったタイプはカリフォルニアワインにたくさん見つかります。
 
 

カリフォルニアワインは甘くて濃い?

 
全ての人が100点をつけるワインなどありません。カリフォルニアワインが嫌いという人もいます。
そういう人がよく口にするのは、「カリフォルニアワインは甘くて濃い。それが苦手」というものです。きっとそういう人が思い描くのは、このクリムゾン・ランチのようなワインでしょう。
 
非常によく熟した、ジャムを思わせるベリー系フルーツの香り。オーク樽の甘い風味も感じます。渋味や酸味は控えめで、まったりと滑らかな口当たりが人気です。
 
 

甘い風味の正体

 
一般に「辛口」として販売されているワインに、わずかに甘い風味を感じることは多くあります。
 
多くの場合その原因は香りです。
オーク樽で熟成されたものは、バニラやココナッツのような甘い香りが付与されます。新樽やアメリカンオークで熟成されたものはそれが顕著です。
あるいはオーク樽熟成していなくても、ブドウ品種由来のフルーツの風味に引っ張られて「甘い」と感じることもあります。
これらの場合、一度鼻をつまんで飲んでみましょう。それで甘い風味が消えれば、香り由来で「甘い」と錯覚しているのです。
 
 
一方でそれでも消えない場合もあります。カリフォルニアの低価格ワインの場合、意図的に糖分を残して発酵を止めるケースがあります。ワイン1Lあたりで5g程度であっても、糖分が残っていることで「甘い」と感じることもあるのです。
 
これはアメリカに限らず、チリやオーストラリアなどでも低価格帯ワインに時折見られます。
 
 

甘い方が結局好まれる

 
甘い物って結局美味しいんです
糖質は人類にとって手っ取り早いエネルギー源です。それもあってか、個人差こそあれ人は甘いものを求めています。とりわけスーパーでワインを購入するような、愛好家ではない一般消費者にとって、少し甘味があるくらいの方が好まれます。少なくともこれらのワイン生産者はそう考えています。
複雑な香りと豊富なタンニン、上品で引き締まった酸味とミネラル感。そんな風味の高級ワインより、フルーティーでちょっぴり甘いワインの方が直感的に美味しいと感じられる。その理由は頷けますよね。
 
小難しいこと抜きに、アメリカ市場にて多くの消費者が求める味を。それを追求した結果が「甘くて濃い」なのです。
 
 

カリフォルニアワインはそれだけではない

 
もちろん「カリフォルニアワインは甘くて濃い」とまとめてしまうのは乱暴です。そうではないカリフォルニアワインもたくさんあります。
例えばサンタ・バーバラのような冷涼な産地でつくるワインは、上質な酸味を備えて甘い風味はほとんどない、エレガントな味わいです。意図的に糖分を残すようなことはしません。
しかしそういうスタイルのワインは高級品です。2000円以下のワインとは、産地も造り方も想定しているターゲットも異なります。
 
「甘くて濃い」が間違いとは言いません。でもそれは低価格帯に限った話です。
 
 

イメージとは真逆のスルスル系

 
低価格帯ワインでも、イメージとは異なるスタイルのワインもあります。とりわけ白ワインに多く、「ピノ・グリージョ」がその筆頭です。
アメリカ人とて、毎日重たい食事を食べているわけではないでしょう。濃いワインが好きであっても、あっさりとしたものが飲みたくなる時もあるはずです。そんなときに選ばれているのがピノ・グリージョなのです
 
 
ピノ・グリージョは、驚くような美味しさを持つブドウではありません。このワインの魅力は、低価格ワインとして整った味わい。透明感をもってまとまっていて、スルスルと喉を通る心地よさが魅力です。
 
 

実は多いアメリカ産ピノ・グリージョ

 
ピノ・グリ(ピノ・グリージョ)の栽培面積において、実はアメリカは世界第2位。イタリアに次いで多く生産しています
ピノ・グリといえばフランスのアルザス産のイメージかもしれませんが、実際はそれよりはるかに多くつくっているのです。
 
つくっているだけでなく、たくさん消費しています。アメリカ市場の白ワインにおいて、1位はシャルドネですが、ピノ・グリージョはそれに次ぐ2位。「シャルドネ以外に何か飲みたい」の第1選択肢なのです。
カリフォルニアワインにピノ・グリージョのイメージはあまりない。そんな方も多いのではないでしょうか。きっとそれは地元消費されるから。ワインに高い値段がつけにくいうえ、十分に国内需要があるのなら、わざわざ輸出しないのにも納得です。
 
 

説明抜きの安心感

 
2000円以下のカリフォルニアワインの多くはヴァラエタルワイン、ボトルにブドウ品種名が書かれた単一品種のワインです
選ぶ側からすると、有名品種の名前と大まかな特徴を知れば、自分でワインが選べます。生産者はその期待に応えるべく、ブドウ品種の特性を表現したワインをつくります。
期待通りのワインを購入できる。その安心感が最大の魅力です
 
 

2000円以下の流通ルート

 
ワインの価格帯により流通チャネルは異なります。
例えばチェーン展開しているスーパーに、数十万円の高級ワインは普通置いていません。高級ワインを買いたい人は、信頼できるワインの専門店やネットショップを利用するからです。
 
 
逆に2000円以下のワインは、ワイン専門店だけでは捌ききれません。この低価格を実現するためには大量生産によるスケールメリットは必須。それだけの数を売り切るには、スーパーや量販店の棚に置いてもらう必要があるのです。
 
 

品種名が説明代わり

 
スーパーや量販店のようなお店には、たいていソムリエのような専門知識を持ったスタッフはいません。消費者はボトルのデザインのみから、あるいは値札の簡単な説明のみで選んで購入する必要があります
その際に「Cabernet Sauvignon」のような品種名は強力です。たとえそれが初見の銘柄であっても、消費者は過去の経験に基づいて「だいたいこんな味かな」と想像できるからです。
そこに「Regent」なんて書いてあってもほとんど売れません。想像できないものを「美味しそう」とは思えないからです。
 
品種名がワインの大まかな味わい説明となります。だからヴァラエタルワインは安心して購入しやすいのです。
 
 

品種名で説明できないもの

 
ブドウ品種の特徴に忠実な醸造をすれば、消費者の期待にある程度は応えることができます。ワインの風味や酸味が高め/低めなどの大枠は、品種によって決まります。
 
一方で品種名だけで測れない部分もあります。定義の難しい言葉「バランス」です。果実味に対する酸味や渋味の、ほんのちょっとの強弱。口当たりの質感や雑味の無さ。そういったものは飲んでみないとわかりませんが、「美味しかった」の印象には、そういう文字に表せないことこそ重要なものです。
 
 

ハズレが少ないソーヴィニヨン・ブラン

 
同じ生産者のシリーズで品種違いを飲み比べたときも、上記のような細かな優劣は感じます。その中で経験的に、イマイチであることが少ないと感じる品種がソーヴィニヨン・ブランです
 
 
カリフォルニアのソーヴィニヨン・ブランは、ニュージーランドのような青草の風味はあまり感じません。少しミントのようなグリーンノートがありつつも過剰ではなく、フルーツの香りとよく調和しています。みずみずしくフレッシュな味わいで、ゴクゴク飲みたくなります。
複雑さはなく、高級感ではシャルドネに劣るでしょう。しかし背伸びせずにネガティブなところなくまとまっているような雰囲気に好感が持てます。
 
ヴァラエタルワインは、同じクラスのシリーズであれば、いくつかの品種が同一価格であることが多いです。しかし現地でのブドウ取引価格は、品種の人気や希少さ、生産効率で異なります。
その点でソーヴィニヨン・ブランは、単位面積あたりの収穫量が多い品種です。収量制限による風味の差が大きくないと言い換えることもできます。そのため上級ワインにおいては、シャルドネよりソーヴィニヨン・ブランが低価格であることも多いです。
それゆえ同じ価格のワインにおいて、ソーヴィニヨン・ブランは一段質の高いブドウが使われているのではないか。それがイマイチなものの少なさ、味わいのクリーンさにつながっているのではないかと予想します。
 
 

低価格帯で難しいピノ・ノワール

 
逆に低価格帯で美味しいものを見つけるのが難しい品種代表がピノ・ノワールです
こちらはその中でかなり優秀な1本です。
 
 
リアルワインガイドにて旨安大賞を受賞したのが2019VT。それ以降も試飲会で口にしていますが、安定してこの価格とは思えない高品質を維持しています。この価格帯のワインにありがちな工業的なニュアンスがなく、価格相応のスケール感を持った素直な味わいが評価できます。
このグレイヴリー・フォードをつくるオニール社は全米で8位の生産規模。そのスケールメリットを活かした企業努力によって、この低価格が実現しています。
 
 

ピノ・ノワールが低価格ワインに向かない理由

 
低価格帯のピノ・ノワールが少ないわけではないのですが、きちんとバランスが取れているものは稀です。これはブドウを効率的に大量生産する手法と、ピノ・ノワールの性質の相性が悪いことによります。
 
 
カリフォルニアにおいてブドウの一大産地はセントラル・ヴァレー。ブドウ生産の7割程度を担っているといいます。セントラル・コーストから山脈を挟んで内陸側。温暖で平坦、広大な農地が広がるエリアです。乾燥していて病害対策の費用は少なく、灌漑(かんがい:水やり)によって安定した農業が可能です。平地なので機械化がやりやすいのも、生産コストを下げる重要な点です。
こうした大量生産に向いた地域は、冷涼な気候を好むピノ・ノワールには暑すぎます。無理に栽培しても、風味の成熟を待たずして糖度だけが上がってしまいます。アルコール感だけの色の薄いワインになってしまうのです。
補助品種で色を補っている例もありますが、やはりピノ・ノワール好きの求める味から遠ざかりがちです。
 
 

品種表記の75%ルール

 
実は「Cabernet Sauvignon」と書いてあっても、その品種100%とは限りません。カリフォルニアワインには、品種名表記の75%ルールというものがあります。75%以上その品種を使っていれば、品種名表記ができるのです
これはEUにも同様のルールがあり、EUに関しては85%です。
 
 

補助品種の役割

 
補助品種をブレンドするのは、その生産者が考えるブドウ品種の特徴に近づけるためです
 
例えばカベルネ・ソーヴィニヨンは、ブドウの質があまり高くないとボディ感に欠けがちです。ナパ・ヴァレー産の高級カベルネをイメージして飲むと、「思っていたものじゃない」と感じられてしまうかも。
そこでプティ・シラーやメルローといった、熟しやすくボディ感を出す品種をブレンドします。100%でつくるよりも、「カベルネ・ソーヴィニヨンらしい」と造り手が考えるのです。
 
 
こちらのワインもプティ・シラーがブレンドされています。濃厚な色合いと力強い味わいが特徴です。だからこそ新樽比率30%での熟成をしてもフルーツの風味が負けず、非常に濃厚で滑らかなカベルネ・ソーヴィニヨンとなるのです。
ソムリエなどの試験対策をしている人は、その品種100%を選びたくなるでしょう。そうでない人にとっては、美味しければいいはずです。生産者が考える「この品種らしい美味しさ」を感じてみてはいかがでしょうか
 
 

安くて美味しいならブレンドを

 
品種名表記ワインは、消費者が持つその品種のイメージに近い美味しさに近づけるべく、巧みなブレンドがなされます。一方でブレンドワインは、品種のイメージにとらわれずに生産者が考える「美味しいと思ってもらえるだろうワイン」をつくります。
味わいがイメージしにくいからと言って、ブレンドワインを避けるのはもったいないです。
 
 

エチケットから味わいが想像できる

 
 
こちらの「ファームハウス レッド」はクラインのエントリークラス。ジンファンデルを中心に、あまりメジャーでない品種がいろいろブレンドされます。
品種構成を見たところで、その味わいは想像しにくいです。しかしエチケットと名前で伝わります。
シンプルな色使いで農家の家が描かれているエチケット。この佇まいから、高級感ではなくほっと一息つけるような味わいであること。毎日の晩酌に気軽に飲んで欲しいという狙いが伺えます。
 
実際に果実味主体のチャーミングなワインです。渋味は控えめで熟成は全く必要とせず、高い酸味もないので親しみやすく柔らかい味わい。そこまで凝縮度は高くないので、飽きずに何度も飲みたくなります。
 
 

大企業が多ブランドを展開する

 
もう一つ低価格帯カリフォルニアワインの特徴を挙げるなら、生産者の顔が見えないワインが非常に多いことです。これは大企業が数多くのブランドを展開しているからです。
 
 

市場で飽きられないように

 
ワインを継続的に買っている人の中に、「どうせならまだ飲んだことのないものを」という選び方をする人は非常に多いでしょう。たとえ先日のワインが美味しかったとしてもです。
それゆえ一時人気を博してたくさん売れたワインでも、数年後には売れ行きが鈍ってくることはよくあります。簡単に言えば飽きられるのです。一方で継続して購入し続ける方もいるので、簡単には製造を止められません。
それゆえ安いワインほど頻繁にエチケットデザインを変更します。3~5年くらいでマイナーチェンジ、さらに期間を開けてガラッとデザインを変えることが多いです。
 
 
さらに強力な市場の飽和対策が、ブランドを分けてしまうことです。全く違う名前でワインをリリースし、元の名称は使いません。ワイン自体もマイナーチェンジし、その名称も人名ではなくコンセプトのようなものがほとんどです。
そのワインについて調べても、造り手の顔が全然出てこないワインがたくさんあります。大規模生産者が多ブランドを展開しているケースが非常に多いです。
 
 

同じようなワインが多い理由は・・・

 
低価格のカリフォルニアワインについて、もしかしたら「同じような味のワインが多い」と感じておられるかもしれません。「調べてみると、実は同じ会社だった」ということもあり得ます。
 
 
こちらのシャルドネ。実は冒頭で紹介した「イーター シャルドネ」と同じ生産者がつくります。どちらも「フィオール・ディ・ソール」という生産者が同じ哲学のもとつくるワインです。
ジューシーな果実味と甘く香ばしい樽香というのは共通していて、全く別々の機会に飲んだなら違いはよく分からないくらいでしょう。
 
 

工業的なワインの安心感

 
ワインの背景や造り手のストーリーまで知って楽しみたい方にとっては、大企業が名前を変えてつくるワインは、少しつまらなく感じるかもしれません。しかしそのワイナリーとて最初から大企業ではなかったはずです。確かなワインの品質と消費者の期待に応える味、そして何度もリピートしてもらいやすい価格を実現してきたからこそ、今の成功があるわけです
 
大きな工場のようなワイナリーで大量生産され、アメリカ各地や各国にて幅広いルートで販売される。それはワインが消費者の期待を裏切らない証拠であり、安心感の源なのです。
 
 

最大の魅力は安心感

 
自分でワインを選んで購入し飲む。日々そうやってワインを楽しむ方にとって、2000円以下のカリフォルニアワインは、ハズレが少なく思い通りの味が期待できる安心な選択です。
ヴァラエタルワインが多く、ブドウ品種の特徴を期待どおりに表現したワインがほとんどです。それを大規模メーカーがスケールメリットを活かし、多ブランドを展開してつくっています。だからこそ突飛で予想と違う味わいが少ないのです。
 
この選びやすさは、ワイン初心者の方にも感じてもらえるでしょう。少なくともフランスやイタリアワインから始めるより、ずっと少ない前提知識で楽しめます。
あなたの周りの方にも、リーズナブルなカリフォルニアワインを選んで買うこと、勧めてみませんか?
 





※投稿に記載しているワインのヴィンテージ・価格は執筆時のものです。現在販売しているものと異なる場合があります。
購入の際は必ず商品ページにてご確認ください。

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