ワインの法律

Veganヴィーガンとは?おすすめ認証ワインをご紹介

2022年2月10日

 
 
「明後日いらっしゃるお客様、ヴィーガンだから飲食物に配慮してほしいって言われたけど、どうしたらいいの?」
今後、海外からの旅行者がまた増え始めたら、対応が必要になることがあるかもしれません。
急にヴィーガンに対応した食べ物を用意するのは、簡単ではありません。
だからお酒・ワインくらいはささっと用意して、他の準備に時間を使いましょう。
 
ヴィーガンとは何かと、当店で在庫しているヴィーガン認証ワインの中からおすすめをご紹介します。
 
 

大多数の方にはメリットはありません。

 
ヴィーガン認証ワインだからといって、美味しいことはありません。体にいい訳でもないです
だからヴィーガン主義ではなく、お客様を迎える仕事に就いていない方には、雑学以上の意味はありません。
「ふーん」と思って終わりなので、戻るボタンを押して頂いて結構です。
 
 
ただ、海外の方と接する機会の多い方は、読んで頭の片隅に置いておいても損はないでしょう。
 
 

当店が取り扱うヴィーガン認証ワインの一例

 
当店が扱っているヴィーガン認証を受けたワインを、タイプ・価格帯で一例をご紹介します。
 
一覧は下記のリンクからご覧ください。
 
 
 

赤ワイン

 
 
 
 
 

白ワイン

 
 
 
 
 

スパークリングワイン

 
 
 
 

ロゼワイン

 
 
 

甘口ワイン

 
 
 

ヴィーガン認証マーク

 
ヴィーガン認証のマークは、その認定をしている団体が国ごとに違うこともあり、様々な種類があります
 
 
「V」の字を強調したものや、環境保護のメッセージ性が強いもの。いろいろありますが意味は同じです。
細かなマークの違いは気にせず、「VEGAN」の文字があれば認証を受けたワインだと思って大丈夫です。
 
 

ヴィーガンとは

 
ヴィーがニズムの定義を引用します。
 
衣食他全ての目的に於て‐実践不可能ではない限り‐いかなる方法による動物からの搾取、及び動物への残酷な行為の排斥に努める哲学と生き方を表す。
 
ここにある通り「ヴィーガン」「ヴィーガニズム」とは、その人の考え方であり主義です。
なのでまずはヴィーガンについて安易に良い悪いを論じるべきではないということを覚えておきましょう。
 
 

ベジタリアンとの違い

 
ヴィーガンは一般に、ベジタリアンの一種と理解されています。
ベジタリアンにもいろいろな種類があるようですが、その中でもヴィーガンはとりわけ徹底的。
 
大きな違いは2つ。
ベジタリアンは主に食事に関する主義であるのに対し、ヴィーガンは食べ物のみならず生活におけるすべてに対する考え方であること。
そしてベジタリアンは基本的に動物を「殺して」消費することを避けますが、ヴィーガンは動物を我々の生活のために利用しようとすること一切を禁じます。その根底には動物愛護の精神があります。
 
 
例えば卵。卵を食べたとて、それを生む鳥が死ぬわけではありません。ゆえにベジタリアンの中には卵はOKとする人もいます。
しかしヴィーガンの考え方では、我々が卵を消費するから、鶏が工場で飼育され虐待されることになると考えるのです。
 
だからヴィーガンとしてはサーカスや水族館のショーで動物を見世物にするのもNGです。
 
 

環境保護の精神

 
もう一つ重要な考え方として、ヴィーガンの根底には環境保護の精神があります。
 
東京新聞の記事によると、豚肉を1kg生産するために7.8kgもの二酸化炭素が排出されるといいます。
 
 
豚自身が呼吸で排出するのはもちろんのこと、その糞尿処理やえさの生産・輸送にそれだけの化石燃料などが必要となるという主張です。
この数字の信ぴょう性はおいておくとして、家畜を飼育して食肉にするのには多大なエネルギーと農作物が必要なのは確かです。
 
 
また、世界人口の増加に対して農耕地や農業用水の供給が追い付かず、いつか食糧危機に直面するだろうという懸念もあります。
家畜に飼料を消費させてその精肉を人が食べるより、別の農作物をそのまま人が消費したほうが効率がいいのは明らか。
 
ゆえに食肉をやめることは環境保護につながるというのがヴィーガンの主張です。
 
 

健康面での理由

 
「ヴィーガンは健康にいい」というような記述をたまに見かけます。
 
私に生理学的な専門知識はありませんので、この是非を論じるつもりはありません。
しかし、これは言えます。日本でヴィーガン主義を貫きながら、健康維持に必要な栄養を取り続けるには、かなり大変。手間が膨大です。
そして栄養が足りなければ健康を損ないます
 
 
そしてなにより、「健康のために」というのはヴィーガンの本質ではない。
だからヴィーガンの人に「ちょっとなら大丈夫でしょ」は全く通用しないと知っておきましょう。
 
 

ワインがヴィーガン認証をとるには

 
ヴィーガン認証のワインが1000円2000円のワインでも結構な選択肢があるのは、認証を得るのがさほど難しくないからです。
 
 
そもそもワインはブドウからつくるもの。
じゃあどんなワインもヴィーガン認証がとれるのではないでしょうか。
ヴィーガン認証が“取れない”理由は何かあるのでしょうか?動物由来のもの、何か使っているのでしょうか?
 
その代表的な要因が清澄剤です。
 
 

清澄剤とは

 
清澄剤とはワインの醸造工程において、にごりを取るために加えるもののことです
そして赤ワインに広く使われる清澄剤が卵白です。
 
フランスのボルドー地方は、世界有数の赤ワインの産地です。
そこでは季節にもよるでしょうが、非常に大量の卵白が使われます。つまり卵黄が余ります。
余った卵黄を使った食べ物として発展したのが、「カヌレ」だと言われています。
 
 
熟成が終わってブレンドされ、まだ細かな澱が舞っている濁ったワインに卵白を加えると、その成分が濁りを吸着して沈殿します。
だからワインが透明感のある色合いになり、あの美しい赤が生まれるのです。
同じようなことは、コンソメスープをつくるときにも行われています。
 
 

清澄の目的

 
濁りの中には酵母も含まれます。
酵母が生きたまま瓶詰すると、出荷後にわずかに残った糖分や酸素をつかって再発酵を始めて、吹きこぼれたり味が変ってしまったりすることがあります。
だから出荷前にはこの清澄工程と濾過(ろか)の工程を経て、ワインを安定化させる必要があります
 
ただしこの作業はワインのうま味まで取り除いてしまうと考える作り手もいます。
そういう人たちは、澱が沈むのを静かに待って、上澄みの部分を抜き取ります。これが無濾過・無清澄です。
時間がかかりますし、保管状態が万全でないとリスクが伴います。
 
 

卵白の代わりの清澄剤

 
ヴィーガン認証を受けるためには、清澄剤として卵白は使えません。
だから無清澄で瓶詰するか、別の清澄剤を使う必要があります。
 
赤ワインに他に使われる清澄剤としては、ゼラチンや牛乳に含まれるカゼイン、粘土であるベントナイトなどがあります。ヴィーガンには動物性のものは使えませんので、植物性のゼラチンかベントナイトが有力な候補です。
 
なお、清澄剤は基本的に完全に沈殿して除去されます。だからワインのラベルを見ても、卵なり他の清澄剤が使われたという記載はないのです。(書いている生産者もたまにあります)
卵にアレルギーを持つ方が多い中で、日本ではワインに卵を使用したことを記載する義務はありません。
 
 

馬による耕作

 
昔ながらのワインづくりを目指す生産者の中には、トラクターを畑に入れることを避けるため、今でも馬をつかった耕作をしているところがあります。
 
 
私の推測になりますが、ヴィーガンとしてはあれもNGなんじゃないでしょうか。
「害虫の被害を減らすため、鳥の巣箱を設置する」とか「下草を食べてもらうために羊を放牧する」はどうなんでしょうね。
昔ながらの農法とヴィーガンは、意外と相性が悪い時もあります。
 
 

ワインでヴィーガン認証は、取ろうと思えば取れる

 
上記の通り、ワインにおいてヴィーガン認証を得るためには、清澄剤を別のものに変えるくらいです。馬での耕作なんて、極々一部ですから。
 
だからヴィーガンワインの認証を取るのは、そう難しくないのでしょう。
現に1000円前後の手ごろなワインでも、認証を取得しているものがあります。
 
だからといって、現状「ヴィーガン認証を得ているからたくさん売れる」といケースはあまりないでしょう。
それなら売り先に困っていない生産者にとって、認証を得るのに費用をかける理由は特にないのです。
あるとしたら、そのワイナリーのオーナー自身がヴィーガニズムだから、といった場合です。
 
 

我々がヴィーガンワインを選ぶ理由は、特にない。

 
ヴィーガンの根底には環境保護がある。そこに共感する人は少なくないでしょう。
しかし、それとヴィーガン認証を得ているワインが環境保護に力を入れているかどうかは、全く別の話です。
だから「ヴィーガンワインを買うことで、環境保護に貢献できる」とはなりません。
 
 
もしもヴィーガンの人にお酒を提供する、一緒に飲むとなったときに慌てず用意できるよう、美味しいものを1本知っておく
それで十分かと考えます。
 
もちろん、「ヴィーガン認証がついているから、割高だったり美味しくなかったりする」ということもありません。
あなたがヴィーガン主義でないなら、マークの有無に関係なく好みのワインを選ぶべきです。
 
 

ヴィーガン認証ワインが多く作られるところ

 
ヴィーガンの人の割合が一番高いのは、イギリスだそうです。
ゆえにイギリス市場をターゲットに作られているワインは、比較的ヴィーガンワインが多く見つかります。
その代表格が南アフリカワイン。ワイン生産者自身が環境保護への意識が高いという理由も関係しているのでしょう。
 
 

ヴィーガンワインがほとんどない地域

 
ヴィーガン認証を受けていても、輸入元様のHPに情報がない場合が少なくありません。
だから弊社の倉庫でアナログに1本1本見て回り、ヴィーガンのマークがついているかチェックしました。
結果的に、ヴィーガン認証ワインが見つかりやすい地域は、かなり偏りがあることがわかりました。
 
 
ブルゴーニュ、シャンパーニュ、ボルドー、カリフォルニア。そういった高級ワインの産地からは、今回1本も見つかりませんでした
もちろん、見落としが絶対ないとは言えませんし、単に当店が扱っていないだけかもしれません。
しかし、少ないのは確実です。
 
 

高級ワインにヴィーガン認証が少ない理由

 
なぜ高級なワインにヴィーガン認証を取っているものが少ないのか。
私は詳しい知識を持ちませんが、ひょっとしたら清澄剤の優劣があって、品質を考えるなら卵白などの動物由来の清澄剤を使いたい。そういう理由があるかもしれません。
 
しかし最大の理由は間違いなく、「別に認証を取らなくても、十分売り切れる」だと考えます。
わざわざお金と時間をかけて認証をとる必要がない。それに尽きます。
 
もしヴィーガンでなおかつ結構なお金持ちのお客様をワインでもてなすとなったら、ワイン選びはかなり広く調べる必要があるでしょう。
 
 

まとめ ヴィーガンワインを知っておこう

 
ヴィーガンとは生活のあらゆる面において、動物由来のものを避けようという考え方
その根底には、動物愛護と環境保護の精神があります
 
日本人でヴィーガンの方と会うことはめったにありません。しかし外国の方をお迎えするとなったら、中にはいらっしゃるでしょう。
そういう方に提供するワインは、ヴィーガン認証のマークを目印に選べばOK。ただし、高級ワインを用意するのは困難です。
 
誰だって自分の大切な考え方は否定されたくない。尊重されたい。
いざという時のためにヴィーガンに関する最低限の知識は、頭に入れておいて損はないでしょう。
 

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