ワインの楽しみ方ガイド

初心者な若者に飲ませてあげたいワイン特集

2022年2月15日

初心者な若者に飲ませてあげたいワイン特集
「ワインって美味しいし面白いんですね。ちょっと好きになりました。」
身近な若い人と一緒に飲んだ1本がきっかけで、そういってもらえたら愛好家冥利に尽きるというもの。
相手の人柄や好みを熟慮してワインとつなげてこそ、そんな1本を選ぶことができます。
まだあまりワインを飲んだことがない若者に飲ませてあげたいワインを考察してご紹介します。
 

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目次

若者の酒離れ

 
「若者の〇〇離れ」はいろいろな分野で言われています。
最大の原因は「お金の若者離れ」だと私は考えているのですが、お酒に関しては他にも理由はあります。
 
 

お酒を飲む必然性の低下

 
「お酒を飲まない人が増えた」この業界にいると非常によく耳にします。
昔から「飲めない」つまり下戸の人はいましたが、そうでなく「飲まない」選択をする人が増えています。
 
 
一つの大きな理由は健康のためでしょう。お酒は体に悪い、太りやすいと。
もう一つの大きな理由は、「飲む必要がないし飲みたくないから、飲まない」ではないでしょうか。
お酒を飲む必然性はどんどん低下しています。
 
 

以前はお酒が飲めた方が有利だった

 
死語になりつつある「飲みにケーション」という言葉。
お酒の席の方が円滑なコミュニケーションが取れるという信念の元、会社で大学のサークルで、半強制的な飲酒の場がありました。
 
 
それが間違いだったとは思いませんが、急性アルコール中毒による死亡事故が起きていたのも事実。
業務時間外にある会社のイベントを強制すること・されることも、本来はおかしな話。
 
徐々に時代にそぐわなくなっています。
 
そういう席が多かった時代は、サラリーマンとしてはお酒が飲めた方が有利だった。営業職などは特に。
だから元は弱かったけど鍛えられていって、飲酒が習慣になったという人も多くいます。
 
 

飲酒は選択する時代に

 
今は「お酒は飲めて当たり前」の時代ではありません。
 
お酒は飲みたければ飲む
飲みたくないなら飲まない。飲ませない
飲酒は個人が選択する時代です。
 
 
特に2020年からのコロナ禍で、飲酒シーンが限られた期間を経て、人々の意識は大きくシフトしたと推測します。
 
 

減り続けるお酒の消費量

 
 
国税庁のデータによれば、国内の酒類販売量は平成10年前後をピークにゆるやかに減り続けています
コロナ前までのデータですので、ここからさらにガクッと減るのではないでしょうか。
 
ビールの消費量は、発泡酒や第3のビールに置き代わっているのを踏まえたうえでも、全体として減っています。
日本酒も減り続けており、これらのメーカーは早晩大きな決断を迫られそうです。
 
 
ワインの消費量についてはほぼ変わらずか微増を続けているはずですが、この状況がいつまでつづくか分かりません。
現在最も多くお酒を飲んでいる世代は50代、60代です。健康である限りは飲酒を続けていかれるでしょうが、20年後にはガクッと消費量が落ちるでしょう。
 
お酒の市場の縮小は、この業界の誰もが大なり小なり危機に感じているはずです。
 
 

ワインの市場が小さくなると何が悪い?

 
今のところその兆しは見えていませんが、もし将来日本のワイン市場が縮小すれば、一般愛好家にどんなデメリットがあるのでしょうか?
 
推測も含みますが、日本の市場の魅力が減ることにより、少量生産のいいワインが入って来なくなります
 
ブルゴーニュワインを例に挙げると分かりやすいのですが、数万円で販売できる高級ワインは、生産量を増やすことがほぼできません。
そういったものを徐々に値上げしながら販売しても、売り上げの増加は知れています。
それよりも新たな畑の取得や栽培農家と契約してブドウを買うことで、低~中価格帯の生産量を増やす方が増収につながります。
 
 
たとえ日本のワイン市場が縮小しても、高級レンジは売れ続けます。
しかし低級レンジを消費しきれなくなるかもしれない。
となると生産者にとって「数が少ないものばかりを求める面白くない市場」となってしまうのです。
なら高級品は、どのレンジももっとたくさん買ってくれる市場に回そうか、となるのが普通です。
 
経済的に強くなっていっている他国に、お金の暴力で負けてしまうかもしれないのです。
他にもいくつか理由がありますが、ワイン市場の成長ないし現状維持はしたいなと、一人のワイン好きとして思う次第です。
だからこそ飲ませてあげてほしい。身近な若者が「ワインにちょっぴり興味があるけど、何から始めていいかわからない」なら、その1歩の手助けをしてあげてほしいのです。
 
 

価値を感じれば、お酒だって飲む

 
今の若者はお金がないからお酒・ワインを飲まない。
そういう理由がないではありませんが、私はそれが主な理由ではないと思います。
 
 
自分が価値があると認めるものにお金や時間をかけ、それ以外のものに無駄に費やさない
賢くコンテンツを消費する力が、我々の若い頃より高いのだと思います。
 
要するに「皆が飲んでいるから」ではお酒は飲まないということです。
 
 

興味を持てばお金をかける

 
裏を返せば、興味をもって飲みたくなれば、しっかり向き合う若者はいるということ。
飲用習慣としてのワインではなく、興味を持って“好きだから”飲むワイン
人生を少しだけ華やかで充実したものにするための趣味として楽しむワイン
そんな風に楽しむ人が増えてほしいという願いを込めているのが、当ブログのタイトル『趣味のワイン』です。
 
 
ワインはもともとニッチな市場。日本人一人当たり年間4本程度の消費量なのに市場が成り立っているのです。
ワインを趣味として楽しむ人を維持し増やしていければ、たとえ日本全体の飲酒量が下がったとしても、ワイン市場はある程度成り立っていくでしょう。
 
 

若者が「面白い」と思うワインを

 
「ワインにほんの少し興味はあるけど、まだしっかり飲んだことない」
そんな若者にワインを好きになってもらうには、飲んでもらって「好き?嫌い?」だけじゃダメです。
それじゃあ別にワインを飲む必要はない。美味しいだけなら他にいろんなお酒や飲み物があります。
 
美味しい!他にこんなものもあるんだ。別のものも飲んでみたい!
そうやって2本目以降への展開があるワイン。ワインの世界の奥深さをちょっとだけ見せてあげられる1本。
そんなワインを一緒に飲めるなら、飲ませてあげるほうもワクワクしませんか?
 
 

あなたが若者のワインの入り口に

 
ワインを一口ただ飲んだだけで魅了された。そんなケースはめったにありません。そこには誰かの介添えがあるものです。
ワインを手渡すだけではさすがに不十分。ワイン好きになるために、あなたのガイドが必要です
 
 
下記にいくつかのペルソナを想像し、若者にどんな風にワインの世界に踏み出してもらいたいか、1本のワインとともに記しました。
あなたの身近な方に当てはめて、彼ら彼女らに合わせてアレンジしていただき、ワインの世界へ誘ってあげてください。
 
 

ペルソナ1 飲み会の時だけ甘いカクテルを飲む女性 Aさん

 
お酒の飲み始めって、ビールやハイボールのような甘くないお酒より、甘いお酒から入ったって方、多いんじゃないでしょうか
糖分は体が欲しています。だから「甘い」って美味しいんです!
 
 
20代前半のAさん、ご両親はお酒好きなので体質的には飲めるには飲めるんでしょうが、別に強くない。
普段はダイエットのためにも控えていて、飲み会に誘われたときだけ甘いカクテルを飲むくらいです。
でもスイーツは別腹です。丸いから㌍ゼロ!
 
 

難しいこと抜きに、「甘い」って美味しいじゃん!

 
そりゃあワイン好きが飲むものは大半が辛口。でもワインはあまり飲んだことのないAさんに、「甘口が好きって人は少ないよ」とか関係ありません!
理屈もウンチクも要らない。何も考えず美味しいと感じるものが優勝です。
 
そんな彼女に飲ませてあげたいワインがこちら。
 
 
ブドウの甘味を実感する、ほどよいコクの癒し系白ワイン。
輸入元の社内試飲で、特に新入社員の女子に大人気だったという実績があります。
 
 

ドイツのリースリングじゃなくてトカイがいい理由

 
「甘口といえば、ドイツのリースリングじゃないの?」
確かにワインとしてより高品質なものが多いのはドイツワインでしょう。ただ、それがイコール初心者の女の子が美味しいというかは別。リースリング特有の豊かな酸味を敬遠する人も多いのです。
だから初心者のためには酸味ほどほどのトカイがベター
 
 
それにこのワインが「美味しい!」ってなったとき、「TOKAJI トカイ」の文字だけ覚えてもらえば次の1本を探せます。トカイにも辛口はありますが、だいたいは甘口。
対してリースリングは甘口から辛口まで幅広く、ワイン初心者がボトルを見て判断するの、まず無理です!
 
1年後のAさんが、「家であんまりお酒飲まないけど、たまに飲むのはチューハイとか。あとはトカイですね」となってたら面白いですね。
 
 

ペルソナ2 趣味は読書なインテリ眼鏡をかけた B君

 
B君は社会人1年目。小学生のころのニックネームはハリーポッター。メガネは変えました。
昔から国内外の小説を読むのが好きだったのですが、大学で第2外国語を勉強したことがきっかけで、洋書を原語で読むことに挑戦しています。
特に映画化されたものを原著と比べることにハマっています。
 
 
 

「この小説の作者が書いた絵画を、ラベルにしているワイン飲んでみないかい?」

 
B君にこう提案してみてはいかがでしょうか?
フランス人の詩人・小説家・画家であるヴィクトル・ユゴー。
大のワイン好きとして知られる彼は「神は水だけを造った。しかし人はワインを作った」「リープフラウミルヒを飲むためだけだとしても、またヴォルムスに行きたい」などの名言を遺しています。
彼の代表作に「笑う男」「パリのノートルダム」や「レ・ミゼラブル」があります。特に「レ・ミゼラブル」は20世紀初頭から何度も映画化やミュージカル化されている名作。
 
 
ヴィクトル・ユゴーが描いたモンフォーコン城。リラックにそびえるその城を所有し、丘のふもとでワインをつくるのが、シャトー・ド・モンフォーコンです。
この生産者のワイン全てがこのエチケットなわけではなく、本拠地「リラック」への思い入れが感じられます。
 
 
 

果実味豊かなローヌワインの入り口として

 
もしこのワインをB君が気に入ったとしたら、そのポイントはおそらくベリー系フルーツの豊かな風味でしょう。
 
 
このワインの産地である南ローヌ地方には、こういった果実感豊かでなおかつリーズナブルなワインがたくさんあります!高級品でなければ、酸味や渋味は控えめなものがほとんど。
「Rhone」の文字を目印に、1000円から2000円くらいの価格で探すなら、B君は自分でもワインを選んで買えるようになるでしょう。
 
 

ペルソナ3 SNSを使いこなす今どきの女子大生 Cさん

 
Cさんはともかくおしゃれなもの、映えるものが好き
一人暮らしで家でもお酒を飲むが、友達と食事に出かけてそれをアップするのを楽しんでいます。
特にお気に入りが日本酒。ワインよりも安くて美味しいものが多いし、おしゃれなボトルもそれなりに増えてきたから。
それに日本酒の辛口淡麗でキレのある味わいが好き!。
 
 
 

見た目にもこだわるCさんに辛口ロゼワインを

 
ワインの中で圧倒的に写真映えするのはロゼワインですよね。
だから赤ワイン白ワインは遮光性のある色付きビンが殆どなのに、ロゼワインに関しては透明瓶がほとんど。
中でもボトルのデザインが独特なのがこちらのワイン。
 
 
ピチピチフルーティーな印象で繊細な味わいのロゼワイン。そんなにフワッと香りが広がるわけではありませんが、飽きずに飲み続けられる心地よさがあります。
 
 

今どきのロゼ、殆どがスッキリ辛口です!

 
「ロゼワインって甘いんでしょ?」特に40代以上の方には、未だにその偏見が残っているのか、敬遠される方が多い印象があります。
きっと戦犯は丸いボトルに入ったあの銘柄。甘ったるさに辟易した経験があるからでしょう。
 
でも若者にはそんな知識はありません。
それに実際に多いのはフレッシュさを売りにしたキリっと辛口タイプ
 
きっと日本酒のキレが好きなCさんも、その味わいが気に入るはず!
おしゃれなもの好きのCさんが、この1本をきっかけに、いろいろなロゼワインをインスタにアップするようになったりして
 
 

ペルソナ4 次の春に入社2年目となる男性社員 D君

 
23~25歳のD君、次の春には新入社員が入ってきて先輩となります。
会社の先輩と仕事終わりに飲みに行くのも、別に嫌そうじゃなく楽しんでいるD君。私は彼のカッコつけたがりなところを知っています。
なので彼には、来年後輩ができた時に誘ってワインバーに繰り出し、ご馳走してあげながら大人っぽさをアピールできるワインを教えてあげましょう。
 
 
 

ドヤりポイント「これを『シャンパン』と言っちゃいけないんだぜ!」

 
そんな彼には、後輩にカッコつけられるポイントがあるワインを紹介してあげましょう。
「シャンパン」というのはフランスのシャンパーニュ地方でつくられる、“スパークリングワインの一種”。
だから泡が出るからと言ってなんでもシャンパンってわけじゃない。
 
スペイン産のスパークリングワインは(とても大雑把に言うと)カヴァといいます。
 
 
こちらはそのカヴァの一つで、青りんごのような新鮮なフルーツをまるかじりするイメージのスパークリングワインです。
 
 

D君がスパークリングワインに興味を持つきっかけに

 

これはスペインでつくられているから「カヴァ」って言うんだ。
これを「シャンパン」って言っちゃいけないんだぜ!
「シャンパン」と違ってそんなに高いワインじゃないのに、気難しくなくてなかなか美味しいだろ?

 
 
まだワインを飲んだことのない後輩相手なら、十分これでカッコつけられるはず。
そう思ってもらいながら、一番の狙いは先輩になる彼に、スパークリングワインのいろいろに興味を持ってもらうことです。
 
「じゃあシャンパンとはどう味が違うんだろう?」「ほかの地域にもスパークリングワインあるのかな?」
3年後にはあなたよりスパークリングワインに詳しくなってたりして
 
 

ペルソナ5 折に触れて“育ちの良さ”が見えるEさん

 
地方から出てきて今は一人暮らしのEさん。
噂によるとEさんの実家はいわゆる「地主さん」で、実はかなりのお嬢様
身に着けているものがブランド品とかそういうのじゃないが、節々に育ちの良さが表れている。
実家ではきちんとした食事を食べる習慣があったのか、ジャンクフードを食べているところは見たことなくて、もっぱらの和食派
父の影響もあってお酒を飲むとしたら日本酒で、コクがあってまろやかなタイプが好きなんだとか。
 
 
 

日本酒に通じる旨み系ワインなら、和食にワインもOK!

 
ワインは発酵過程で澱(おり)が出るもの。澱はタンパク質なので、一緒に熟成させるとアミノ酸が溶けだして旨みに変わります。
その澱の旨みの味わいがよく感じられ、それがコクのあるタイプの日本酒に似ているワインがこちら。
 
 
香り豊かでなめらかな口当たりの白ワインです。
この口当たりのなめらかさは、まったりとした日本酒に通じるものがあります。
例えば昆布の旨みを感じる千枚漬けのような日本の料理にも、意外な調和を見せるのがこのワインです。
 
 

同じように“旨み系”のワインを探すなら

 
この白ワインが気に入ったとしたら、やっぱりポイントは『澱の旨み』。この味わいを生み出す製法を「シュール・リー」と呼びます。
この「シュール・リー」が度々用いられ、しかもラベル表記されることの多い品種が、フランス/ロワール地方のミュスカデと、日本の甲州です。
 
 
どちらも生魚などと合わせても生臭さが出にくいワインで、日本酒好きのEさんもきっと気に入るはず。
次に飲むワインとしては、これらを提案してみてはいかがでしょうか。
 
 

あなたと1本のワインが、好きになるきっかけに

 
最後までこの特集を読んでいただいているあなたには、単なる「美味しい」以上にワインが好きな理由があるはず
だから、今はワインが好きでないあの子にも「好きになってほしい」と思えるのでしょう。
 
ワインの大きな魅力はその多様性。数え切れないほどの種類の銘柄があり、その1本も飲み方や熟成で味が変化する面白さです。
だからこそ、若者にあなたの好みを押し付けてはいけません。このワインがいかにすごいかを語るなんて逆効果。
 
好みや感性や考え方がまずあって、そこにワインを当てはめる。
若者の数だけパターンがあるのに、その一つひとつにピッタリのものがきっとある。
多種多様なワインだからこそ実現可能なことです。
 
 
あなたが飲ませてあげる1本が、将来のワイン好きを増やすきっかけになるかもしれませんよ。
 





※投稿に記載しているワインのヴィンテージ・価格は執筆時のものです。現在販売しているものと異なる場合があります。
購入の際は必ず商品ページにてご確認ください。




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