ワインの楽しみ方ガイド

3000円以下で選ぶ秋のBBQワイン特集

2024年10月25日

 
家族や友人との手軽で楽しいバーベキューに、満足度を一段階上げるワインがあれば言うことありません。家の庭やベランダなどで行うならば、レジャー先のBBQと比べてワインを飲む条件で優ります。広い選択肢がある中でワイン選びに気をつけるべきは、「もったいない」タイプを避けること。気軽に何本も揃えられる3000円以下のものから、バーベキューシーンを盛り上げるワインをご紹介します。
 

タイプ別 秋のBBQにおすすめワイン8選

 

赤ワイン:溢れんばかりのジューシーな果実感

 

赤ワイン:なめらかスムースな口当たりは屋外でも心地よい!

 

白ワイン:赤ワインに負けないリッチさで最初から最後まで

 

白ワイン:ほのかな甘みとコクが食前酒にピッタリ

 

ロゼワイン:フルーツ感つややかで満足度高い!

 

スパークリング・ロゼ:黒ブドウ100%ならではのコクがイイ!

 

スパークリング・赤:珍しい赤ワインの泡がBBQを盛り上げる!

 
数あるワインからこの8本を選んだ理由を詳しくご紹介します。
 
 

夏と秋のバーベキューは何が違う?

 
屋外でバーベキューコンロを使い、肉や野菜などを焼いて食べるのがバーベキューの基本。
それをどんな場所やシーンで行うかについて、「夏と秋」という表現で区別しました。
一番の違いはキッチンに遠いか近いかです。
 
 

レジャーシーンでのバーベキュー

 
バーベキューはアウトドア料理の定番。キャンプに出掛けた際に楽しむ方も多いでしょう。
大型連休もある夏は、遠くへ出かけてレジャーを楽しみたくなる季節です。
 
 
ただし、ことワインを飲む上ではアウトドアは不利です。
普段と同じ質のワイングラスは使いづらいことワインの温度をベストに保ちにくいことが大きな要因です。
ワイングッズを工夫することでベストに近づけることはできます。とはいえ純粋な味わいでは室内で飲んだ方が美味しいのは否めません。
 
とはいえ大切なのは夏休みのレクリエーションとしての満足度。ワインの美味しさはその要素の1つにすぎません。トータルで満足で「楽しかったな~」となればいいのです。
 
キャンプのBBQでワインを楽しむコツはこちら▼

 
 

庭先で気軽なBBQ

 
涼しくなってきたから、今度の休みは友達招いてBBQにするか
 
自宅にちょっとした庭やバルコニーがあり、バーベキューコンロなどの道具も持っている。そんな人にとってはBBQは、休日のちょっといい料理として割と簡単なものです。下ごしらえの手間があまりかかりませんから。
泊りがけでのキャンプとなると、3連休以上は欲しくなる。でも庭先でのバーベキューならもっと手軽。朝準備を始めて昼過ぎから食べ始め、夕方には片づけを終えられます。翌日仕事でもさして負担にならないでしょう。
 
 
そんな家の近くでのBBQならば、ワイングラスはいつものものを使えます。屋外で飲むなら多少温度が上がりやすいでしょうが、夏に比べたらマシ。飲み始めるときには適切な温度で用意できます。4~5人いて飲み切るまでの時間が長くないなら問題はありません。
 
まとまった休みというのが多くないので、秋のBBQなら庭やバルコニーで、としました。夏でも家の庭でするなら同じような条件ですし、春が悪いわけでもありません。
 
ゆえにいつもの夜に室内で飲むワインと比較したとき、BBQに飲むワインにとって不利なのは、主に風と煙です。
 
 

秋のBBQに適したワインの選び方

 
バーベキューは屋外にて炭火で焼いてこそ。そのそばにワインがあるのは、ワインの立場からというと不利です。
風によって香りが感じにくくなる上に、炭火の煙は鼻をマスクしてしまいます。香りが十全には感じられません
 
「香りがなくてイマイチだったな。いつも通り屋内で飲めば、もっと美味しかったかもしれないのに。もったいないことをした」
そうならないためのBBQワインの選び方を紹介します
 
 

BBQにもったいないワインとは

 
繊細で複雑な香りが魅力のワインは、風と煙のある環境で飲めばその魅力を大いに損ないます。余計な臭いのない室内で飲むのと比べて、あまりにもったいない!
具体的には中級以上のピノ・ノワールや、熟成したワインです。これは極端な例としても、やはり香りに対して鈍くなるのは間違いありません。奮発して高いワインを開ける効果は、相対的に薄いと言えるでしょう。
 

煙の前で繊細なワインの香りは感じません。

  
一方でゲヴュルツトラミネールやヴィオニエに代表されるアロマティック品種はのワインは、明確でボリューム豊かな香りを持ちます。香りに魅力のあるワインですが、「繊細」ではないので屋外でもある程度魅力を発揮します。
樽熟成による甘いヴァニラの香りが際立つワインも、そう大きく崩れることはないでしょう。
  
  

味わいに魅力の比重があるワインとは

 
香りが控えめながら、そのスッキリとした味わいとのど越しが魅力な白ワイン。それにスパークリングワイン
あるいは完熟フルーツのような凝縮感のある風味が魅力の、リッチな白ワインや赤ワイン
 
こういったタイプのワインは、たとえ香りをあまり感じなかったとしても、満足度はさほど変わりません。「リッチ」や「パワフル」という表現を用いられるタイプです。
 
 
凝縮感の高いワインは、アルコール度数が高い場合が多いです。温度が上がりやすい環境で高アルコールのワインを飲むと、アルコール臭さでトゲトゲしく感じる場合もあります。
キャンプに持っていくとしたらこのタイプは注意が必要。でも家のそばで行うのなら飲む直前まで冷やしておけます。赤ワインの15%オーバーでも美味しく飲めるでしょう。
 
 

赤ワインなら適度にジューシーで重ためのもの

 
先述の通り赤ワインで選ぶなら、リッチな果実味があるタイプがおすすめです。ワイン好きばかりが集まる場ではないなら、苦手な人がいないよう渋味は強いよりは穏やかなものをチョイスするのがベターです。
 
 
689セラーズがつくるワインの特徴は、溢れんばかりの果実味とその濃厚さの割に手頃な価格であること。この「レッド」がまさにコンセプト通りのワインで、品種特性ではなく「689が考える消費者が喜ぶ味と価格」を表現しています。
ベリージャムのようなジューシーなフルーツの風味は、甘辛い焼肉のタレに混ぜても美味しそうな濃度。当然相性はバッチリです。渋味はほとんど感じないので、冷蔵庫の野菜室温度くらいで飲み始めて、徐々に温度を上げながら楽しんでもいいでしょう。
 
 
 
ベリー系の香りも魅力ではあるのですが、このワインの良いところは何と言っても口当たりのスムースさ。マルベックという品種が持つ柔らかい果実感が豊かに広がります。ガツンと力強いというほどではないけれども、リッチでなめらか。「デーモン・ノワール」といういかつい名前の割には、守り神的なやさしさを感じる味わいは、アウトドアの環境でもあまり崩れません。
 
 

白ワインなら適度にパワフル/食前酒として

 
フルーツ感をジューシーに感じるのは赤ワインだけではありません。凝縮感のある白ワインもぜひ検討すべきです。
 
 
先ほどの「サブミッション」と同じ689セラーズ。ナパ・ヴァレーの非常に熟度の高いブドウを用いたリッチな白ワインです。シャルドネばかりだとまったりとした味わいになりすぎるところを、ソーヴィニヨン・ブランによって爽やかさをプラス。さらに少しだけヴィオニエをブレンドすることで甘く芳醇な香りに仕上げています。
たとえ風と煙のある屋外でも、「ちょっと高級なワインを飲んでいる満足感」を与えてくれるでしょう。酸味がありつつリッチなので、食前酒からお肉のお供にもOK。最初から最後まで通して楽しめるので、「ワインを飲む人が少なくて1~2本だけ」というときのチョイスにいいかもしれません。
 
 
メンバーが集まるのを待ったり、BBQの火が起こす準備中だったり。食べ始める前にワインだけで始めるアペリティフタイムがあるかもしれません。そんなワイン単体での満足を求められる場にピッタリなワインがこちら。黒ブドウであるピノ・ノワールでつくる白ワインです。
収穫したブドウをすぐにプレスして果汁だけを発酵。そうすれば果皮の色がつかず白ワインとなります。しかし味わいには黒ブドウらしいコクがあります。さらに半辛口を意味する「ファインヘルプ」であり、ちょっとだけ甘味を感じる味わい。だからこそワインだけで飲み続ける満足度が高く、かつメインディッシュであるBBQ前に満腹を感じることもありません。
 
 

ぜひ検討すべきフルーティーなロゼワイン

 
ついつい「赤か白か」と考えがちですが、ロゼワインも忘れるべきじゃない!特に暖かい産地のロゼワインは、凝縮したフルーツ感を持つ傾向。しかも赤ワインに比べて割安感のあるものが少なくありません
  
 
このワインは香りのボリュームも素晴らしいのですが、この値段ながら口に含んだときの艶やかな質感が素晴らしい。ロゼワインの中ではやや穏やかな酸味によって、より口当たり滑らかに感じます。
生産者がつくる最下級ワインながらこの完成度。今度はきちんと室内でより上級を飲んでみたくなるかも?
 
 

スパークリングなら黒ブドウ主体で

 
BBQを食べながらはもちろん、食前酒としても適しているのがスパークリングワイン。わずかな甘みが単体での満足度を高めます
先ほどの「ブラン・ド・ノワール」と同様、黒ブドウでつくるものをチョイスするのがポイントです。
 
 
ピノ・ノワールとカベルネ・フランからつくるロワールのロゼ・スパークリングなら、上記の条件を完璧に満たします。中でもこのデュテルトルがつくるものは、比較的しっかりめの味わい。乾杯でゴクゴクっと飲むよりは、ある程度時間をかけて飲みたいタイプです。3~4人で行う小規模なBBQにおすすめ!
 
 
ある程度いつもワインを飲んでいる人が集まるならば、こういう飛び道具もいかが?シラーズでつくる赤のスパークリングワインです。赤ワインの濃厚さがありながらも渋味はなく、ほんのりやさしい甘味が広がります。先ほどの「サブミッション」と同様、甘辛いタレで食べる焼肉との相性は抜群!
何本か用意するワインの1本に可愛いラベルでちょっと珍しいタイプのこのワイン、楽しい会となること間違いなしです!
 
 
 

あえてワインで「毎回違う」BBQを

 
BBQのときに楽しむお酒として、ワインは決して一般的ではありません。缶ビールや缶チューハイの方が安くて手軽なのは間違いない。チューハイはいろいろな種類があるとはいえワインほどではないので、選ぶのも簡単です。
だからBBQのお酒にわざわざワインを選ぶあなたは、きっと週末にBBQパーティーが珍しくないくらい何度も楽しんでいるのでは
 
 
炭火で肉と野菜を焼いて食べる。そのマンネリしがちなBBQにとって、ワインの種類の多さは魅力にもなり得ます
今回ご紹介したワインは、当店で在庫しているものの中で条件に当てはまり、コストパフォーマンスが高いと筆者が考えるものを選んだにすぎません。BBQに適したワインは他にたくさんあります。
 
であればBBQを何度開催したって、毎回違ったワインを選べるということ。さらにワインに合わせて食材を変えてみても面白いでしょう。
BBQのマンネリ解消になります。食材を焼いて塩やタレで食べるだけなのに、ワインが違えば感じ方もちょっと違う。たとえいつものメンバーだったとしても、みんなで囲む1本はいつも新しいもの。
その多様性で飽きさせないのがワインです。
 
家族や友達と何度でも楽しみたいBBQ。その時間の充実度を上げるため、上手にワインを使っていただけたらうれしいです。





※投稿に記載しているワインのヴィンテージ・価格は執筆時のものです。現在販売しているものと異なる場合があります。
購入の際は必ず商品ページにてご確認ください。




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