ヴィーガンとは

ヴィーがニズムの定義を引用します。


衣食他全ての目的に於て‐実践不可能ではない限り‐いかなる方法による動物からの搾取、及び動物への残酷な行為の排斥に努める哲学と生き方を表す。

ここにある通り「ヴィーガン」「ヴィーガニズム」とは、その人の考え方であり主義です。
なのでまずはヴィーガンについて安易に良い悪いを論じるべきではないということを覚えておきましょう。



ベジタリアンとの違い


ヴィーガンは一般に、ベジタリアンの一種と理解されています。
ベジタリアンにもいろいろな種類があるようですが、その中でもヴィーガンはとりわけ徹底的。

大きな違いは2つ。
ベジタリアンは主に食事に関する主義であるのに対し、ヴィーガンは食べ物のみならず生活におけるすべてに対する考え方であること。
そしてベジタリアンは基本的に動物を「殺して」消費することを避けますが、ヴィーガンは動物を我々の生活のために利用しようとすること一切を禁じます。その根底には動物愛護の精神があります。



例えば卵。卵を食べたとて、それを生む鳥が死ぬわけではありません。ゆえにベジタリアンの中には卵はOKとする人もいます。
しかしヴィーガンの考え方では、我々が卵を消費するから、鶏が工場で飼育され虐待されることになると考えるのです。

だからヴィーガンとしてはサーカスや水族館のショーで動物を見世物にするのもNGです。


ベジタリアンとの違い


もう一つ重要な考え方として、ヴィーガンの根底には環境保護の精神があります。

東京新聞の記事によると、豚肉を1kg生産するために7.8kgもの二酸化炭素が排出されるといいます。

豚自身が呼吸で排出するのはもちろんのこと、その糞尿処理やえさの生産・輸送にそれだけの化石燃料などが必要となるという主張です。
この数字の信ぴょう性はおいておくとして、家畜を飼育して食肉にするのには多大なエネルギーと農作物が必要なのは確かです。



また、世界人口の増加に対して農耕地や農業用水の供給が追い付かず、いつか食糧危機に直面するだろうという懸念もあります。
家畜に飼料を消費させてその精肉を人が食べるより、別の農作物をそのまま人が消費したほうが効率がいいのは明らか。

ゆえに食肉をやめることは環境保護につながるというのがヴィーガンの主張です。


ヴィーガン認証マーク


ヴィーガンの人が安心して食べるもの・飲むものを選べるように、ヴィーガンの認証マークがあります。
ただそのマークは1種類ではありません。世界各地に認定団体があるため、マークは多岐にわたります。



ヴィーガンワインは普通のワインと何が違う?

ブドウからできるワインに動物性のものが入っているのかと疑問に思われることでしょう。
原材料として使われているわけではありません。しかし醸造の過程において清澄剤として使われることがあります


清澄とはワインの濁りを取り除くこと。清澄剤を加えれば、濁りを吸着して沈殿するので、ワインが透明になるのです。この清澄の工程で出荷後のワインの状態が安定します。再発酵したり濁ったりというリスクが減らせるので、重要な作業です。

清澄剤として用いられるものは多様ですが、赤ワインに卵白や動物・魚由来のゼラチンが用いられることがあるのです。
清澄剤は沈殿して取り除かれるのでワイン中に残ることはありません。しかしヴィーガン認証では清澄剤としてでも用いることが許されません。

ヴィーガン認証を取得しているワインは、別の清澄剤、例えばベントナイトなどを用いるか、清澄を行いません。

特にオーガニックでワインをつくる生産者にとってヴィーガン認証を取るのは難しくないところも多いようです。
しかし認証には費用がかかり、一定期間ごとの更新もあるため、「取れるけど取らない」わけです。



ヴィーガン主義以外の人に直接的なメリットはあるのか?


動物愛護や環境貢献といった間接的なもの以外に、ヴィーガン主義ではない方にとってヴィーガンワインのメリットはあるのかどうか。

全くありません。

ヴィーガンワインだからといって、体にいいことはありません。
ヴィーガンワインだからといって、美味しいことにはなりません。

一方でヴィーガンワインだからといって、割高ということも特に感じません。
つまりヴィーガンのマークを目印にして選ぶ理由も選ばない理由もないということ。

このマークが意味を持つのは、ヴィーガン主義の人と一緒にワインを飲むときのみ、と考えていいでしょう。


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