《3000円以下のピノ・ノワールの難しさ》
ピノ・ノワールはブルゴーニュ産に限らず非常に人気の高い品種です。決して希少な品種というわけではないのですが、「お金の取れる品種」ということもあってでしょう。3000円以下で満足のできるものを探すのは非常に困難です。
その理由の一つは、「記憶の中にある美味しかったものと比べてしまう」という飲み手側の問題。しかしそれだけではありません。どうしても低価格帯のものは「薄くて酸っぱい」か「甘ったるくてピノ・ノワールっぽくない」になってしまうものが非常に多いです。2022-2023年に輸入ワインの多くが値上がりしたことで、これまで以上に良質なものに出会うのが困難になってきました。
その中でようやく見つけました。凝縮感は高くありませんが、軽やかで上品なところでしっかりバランスをとっているピノ・ノワールです。アルコール度数13%あるので、決して弱弱しさはありません。チャーミングな果実香とほのかな樽香がいい具合になじんでいます。
《生産者について》
ワイングート・シャーレスはラインヘッセン地方で1783年創業。現在8代目の家族経営の生産者です。25品種ものブドウを栽培し、ちょっと珍しいようなワインもいろいろつくっています。所有している畑は60haと比較的大きく、ワインが比較的リーズナブルなのがうれしいところです。
Schales Spatburgunder Trocken