寒い季節、つい家にこもりがちなあなたへ。プチぜいたくワインで、日常にメリハリとワクワクをプラスしてみませんか?週末ディナーが楽しみになるだけで、一週間がぐっと充実します。今回は、“ぜいたくしたくなる理由”に合わせた特別なワインを厳選してご紹介。おいしい料理とワインのリラックスタイムで、心機一転、2025年を最高のスタートにしましょう!
「ぜいたく」はあなたの人生にプラス
「贅沢」と「浪費」は紙一重です。
無為にたくさんのお金を使うのはあまり褒められたことではないでしょう。しかしいつもより高価なものだからこそ、「よ~し、頑張るぞ」の気持ちになれたのなら、それは自分への適切なご褒美。モチベーションやメンタル維持のための、意味のある贅沢です。
冬こそおうちディナーを
ぜいたくをするのは何も食べ物だけではありません。
ブランドものの衣服やアクセサリーなどを身に付ける。高級車や時計にお金をかける。遠方へ旅行する・・・。自分が心から欲しいと思えるもの、楽しいと思えることにお金をかけるのが、一番のご褒美です。
とはいえこの寒い季節。雨や雪の日はもちろん、「あまり外に出たくない」とつい家にこもりがちな方も多いのでは?
あるいは年末にふるさと納税で取り寄せた食材で、冷凍庫が圧迫されているのでは?
外出の機会が減れば、おのずと出費は少なくなるもの。その浮いたお金をちょっとだけ使って、週末にはちょっと特別なおうちディナーを楽しんでみてはいかがでしょうか。
その食卓には、やはりいつもよりちょっと豪華なワインがあってほしいと願います。
こんな理由ならぜいたくしちゃってもいい!
あなたに当てはまるものはありませんか?
自宅と会社の往復だと、ついつい毎日が単調になりがち。でも週末に楽しい予定があれば、その1週間は仕事も充実するもの。自分のモチベーションを上げるような「楽しみになるおうちディナー、豪華な料理とワイン」でぜいたくしよう。
太陽ってなんとなく元気をくれるから、私は夏が好き!冬は日が短くて夜が長いから、食後の時間はつい気分が沈みがちなのがイヤ。メディアの娯楽で誤魔化すのではなくて、心がポジティブになれるようなリラックスタイムを過ごしたい。
1月は1年の始まり。この時期にアクティブに過ごせたら実りある1年にできそう。逆にここでだらけちゃったら、代り映えのない1年になっちゃいそう。心機一転、気持ちを切り替えられるようなきっかけが欲しい。
ぜいたくを許しちゃいたくなるこれら3つの理由別に、値段の価値があるおすすめワインをご紹介します。
冬の週末を彩る贅沢ディナー
「週末に豪華な料理をつくろう。それに合わせていいワインを開けよう」
そんな予定があれば、週の半ばからワクワクしませんか?自らの手でニンジンをぶら下げてモチベーション維持に努めることも、大事な大人のスキルであるはずです。
そのためには伝統のフランス料理とそれにピッタリのワインがおすすめです。
クラシックなフレンチがおすすめな理由
なかなか美味しい本格派料理を、テクニックにあまり左右されずつくれる。それが伝統的なフランス料理のいいところだと私は考えます。
鮮度が悪く質も決して良くない食材を使って、いかに美味しく保存性のいい料理をつくれるか。それを目指してフレンチは発展してきたのだと、私は理解しています。だからこそというべきか、クラシックなフレンチのレシピは超絶面倒くさい傾向です。
その代わりにレシピが簡単に入手可能です。YouTubeなどでイメージを得て、信頼できる情報源のレシピを参考にする。手間と材料費はかかるでしょうが、初めて作った料理でも高級感のある味わいに仕上がります。まるでおうちレストランです。
そして産地に目を向ければ、相性のいいワインを選びやすいです。その地にとってメジャーな料理とメジャーなワイン。そうそう大崩れすることはありません。
飲んだことのない、いつもよりちょっと高価なワインを買うにあたり、歴史が示す根拠は安心感につながるでしょう。
ブッフ・ブルギニヨン 牛肉の赤ワイン煮込み
その名の通りブルゴーニュの伝統料理ですが、ボルドーワインにも相性抜群です。材料として赤ワインを大量に使うのですからさもありなん。
一例として3つほどレシピのリンクをご紹介します。
家庭画報
東京ベルエポック製菓調理専門学校
Ovni
牛肉と野菜から出た出汁に加えてトマトの旨味。赤ワインの酸味と野菜の甘味。それらが濃密に調和して食べ応えのあるブロックの牛肉を包む。
簡単に言うならこれがブッフ・ブルギニヨンです。牛肉はそこまで上等なものを使わなくても美味しくできますし、硬い部位でもいいです。ただし工程はとっても多く時間がかかります。
その分出来上がれば「ちょっと料理上手になったかも!」と思っちゃうほどテンションが上がりますよ!付け合わせはマッシュポテトがおすすめです。
ブッフ・ブルギニヨンに合わせたい赤ワイン
ブッフ・ブルギニヨンの牛肉は、やわらかく煮込むとはいえ噛み応えがあります。ゆえにある程度タンニンが豊富なワインが向いています。野性味はないので、カベルネ・ソーヴィニヨンかメルロー。粘性のある厚みのある質感の料理なので、メルロー主体の方がより好相性でしょう。
「ちょっと若いかな」と思いつつも、ワインアドヴォケイトの評価が高い「シャトー・フルール・カルディナル2020」を選びました。天候に恵まれた2020年ヴィンテージ。しっかり果実味の凝縮感があるので、料理の濃厚な味わいをより引き立てます。
早めの抜栓がおすすめです。料理を始める前に一口味見。きっとその時点では渋味が強めでしょうが、空気に触れることで徐々にまろやかになり、ディナータイムにはちょうどよくなっているはず!
サーモンのムニエル ヴァン・ブラン・ソース
白ワインと魚や鶏の出汁、エシャロットの風味に生クリームを合わせて煮詰めたもの。これがヴァン・ブラン・ソースです。
これも2つほど本格的なレシピを載せておきます。
プロのレシピ La Table
フランス料理ロドゥラ
エシャロットは小さな玉ねぎのようなもの。玉ねぎで代用してもいいでしょうが、できれば百貨店などで探したいところです。
白ワインの酸味と出汁の旨味、クリームの甘味、そして塩味が調和した、何でもつけて食べたくなる中毒性の高いソースです。
これにサーモンや白身魚などのムニエル、焼き野菜をつけて食べる。もう白ワインが止まりません。
ヴァン・ブラン・ソースにあわせたい白ワイン
この場合は食材というよりソースにワインを合わせるイメージです。
鉄板なのはブルゴーニュのシャルドネ。マロラクティック発酵に由来するバターや乳製品のニュアンスがあり、樽熟成していてほどよくリッチな味わいのものがいいです。
本来はムルソー村名格だった畑が、事情により広域クラスに格下げされてしまったもの。なので価格はちょっと高めの広域クラスですが、味わいではワンランク上のち密さがあります。10%だけ新樽も使って熟成されており、たっぷりのバターで仕上げるムニエルのボリューム感に負けないでしょう。
ヴァン・ブラン・ソースには白ワインの酸味がある程度あるので、酸味が穏やかで樽香の目立つものよりは、ある程度上品な酸味があるものがベターです。その点では西オーストラリアやドイツ、南アフリカなども候補になります。
長い夜のリラックスタイムをワインで優雅に
日が短い冬は、夏に比べればつい早めに帰宅しがち。そうなると自宅で過ごす夜は長くなります。
その長い時間をただ暇つぶしに使うのか、それとも充実したひとときに変えるのか。そこに五感を刺激するような美味しいワインがあれば、一人時間の質を向上させることができるでしょう。
静かな部屋でグラスを片手に、一口ずつゆっくり味わいながら自分だけの時間を過ごす。そのワインはきっと特別な夜を演出してくれるでしょう。
このワインをより深く理解しようと、五感に集中する。この美味しいワインを味わえる幸せを嚙みしめるように、人生について深く考える時間にする。あるいは何もしない・何も考えなくていい贅沢を楽しむ。
そんな時間を演出してくれるのは、夕食を食べながらのワインよりも、そのあとのリラックスタイムに単体で味わうワイン。それにはボディ感があって余韻に広がりのある赤ワインがピッタリです。
高樹齢のブドウが生み出す余韻の広がり
このワインのブドウ品種はプリミティーヴォ。2000円前後の手頃な価格なのに濃密な風味があり、酸味や渋味が穏やかなので親しみやすい。そんなイメージの強いブドウであり、あまり高級感はありません。
「プリミティーヴォに6000円も出す意味あるの?」
ございます!
まずこのワインには安いプリミティーヴォにはあまり感じない、高めの酸味があります。しかし果実の熟した風味が濃密に香るフルボディな味わいなので、よくよく味わって気づくような酸味です。きちんと酸があることでべったリせず、飲み飽きせずに飲み続けることができます。
そして何より高級感につながっているのは余韻の広がり。ワインを飲みこんだ後に、様々なベーキングスパイスやチョコレートのような複雑な香りが鼻を抜けていきます。余韻が広がりながら長く続くので、自然と次の一口までの時間が長くなるでしょう。そのためワインだけで飲んでも自然とゆっくりなペースになり、酔っ払いすぎることがありません。
リラックスタイムに向いている理由です。
確たることは言えませんが、おそらくはその美味しさの秘密、手頃なプリミティーヴォとの違いはブドウの樹齢。一部は100年越えの樹だからこそ、地中深くの根は地表の高温にさらされず酸を保てる。そして自然と落ちる収穫量に栄養が集中して、エネルギッシュな風味になるのでしょう。
変化の大きな熟成ワインのワクワク感
長い時間を飽きることなく楽しめるワインの条件の一つが、時間とともに風味が大きく変化することです。
「開けたてのころより、渋味がまろやかになってきた」「最初は感じなかったこんな香りが出始めてた」
それはワクワクへとつながり、ゆったり流れる時間を変化に富んだものにしてくれるでしょう。
そんなワインの選び方に確たるセオリーはありませんが、熟成ワインがその傾向が大きいというのが経験則です。瓶熟成の年月によって亜硫酸が消費され、抜栓後の変化が大きくなるからではと予想します。
熟成ワインとしてはボルドーワインが最も選択肢が多いでしょう。しかし1万円以下の価格帯で考えるなら、どっしりボリューム豊かな味わいは多くありません。スマートで上品なタイプが多く、高めの酸味でつい何か料理が欲しくなりそう。
ゆえに今回はトスカーナのものを選びました。サンジョヴェーゼも酸味が高い品種ですが、高温の気候ゆえにふくよかなボディ感もあります。熟成によってしなやかになったタンニンが、広がる香りと共に舌に優しく余韻を残します。
ぜいたくワインで新年にむけて心機一転
1月は1年の始まりの月。この時期をアクティブに過ごせたら、その1年は充実したものにできそうです。
でも中には年末年始の慌ただしさを引きずってしまっている方もいるかも。
そんな時には「気持ちを切り替えるためのぜいたくワイン」です。
少し熟成して落ち着いた味わいよりも、出来立てのフレッシュで元気な雰囲気のものが、一年の始まりに飲むワインにはピッタリです。さらに、設立されたばかりのワイナリーや、日本に入荷したばかりのワインなら、その「フレッシュさ」が心に新しい風を吹き込んでくれるでしょう。
設立2年目でこの洗練された味わい!
「南アフリカのコート・ドール」と称される、ヘメル・アン・アード地区。海から谷にそって冷たい風が吹くこの地区は、ブルゴーニュ品種の高級産地として大注目。ここ20年ほどでどんどん優良ワイナリーが現れています。
この産地の残念なところは、手頃なワインがないこと。でも「コスパの悪い産地」というわけではありません。きちんと価格に見合った品質です。
ハッシャー・ファミリー・エステートもその一つで、ベルギー人の夫妻が移り住んでワイナリーを設立したのは2021年。日本にはこの2022VT(執筆時)がファーストヴィンテージであり、2024年の夏ごろ入荷したばかりです。
ワインづくりの経験が浅いオーナーながら、強力なコンサルタントがついているので品質は間違いなし。非常にクリーンな味わいで、ピノ・ノワールの美しい味わいを余すことなく表現しています。イチゴやチェリーなどの赤いフルーツの香りが華やかに広がり、グラスにワインを注いだだけで部屋中がその香りでいっぱいに。思わず口角が上がるワインは、1年の始まりを彩るのにピッタリのワインです。
酒屋から地域貢献型ワイナリーへ
地域密着型の酒屋を長年営んできた中山氏が、富山県にワイナリーを設立したのは2018年。それからブドウを植えた自社畑からワインをつくれるようになったのはごく最近です。
積極的に営業活動を始めたのはここ1、2年のことらしく、評判が広まるのはまだまだこれからでしょうが、だからこそ今から注目しておく価値があります。
自社畑からつくるこのシャルドネ。正直「富山、立野原らしさ」を味わえるようになるには、樹齢が上がるのを待つ必要があるかもしれません。しかし現時点でも洗練された「上級シャルドネらしい味」が十分に楽しめます。世界中で、そして日本でも広く栽培されるシャルドネだからこそ、様々なものと比べてほしい。その上で十分価値があると私は感じています。
同じクラスのシャルドネと比べて、決して見劣りしない香りのボリューム感と洗練された味わい。これからもっと美味しくなっていきそう、他にもいろいろ美味しいワインをつくってくれそうと期待させてくれます。
未来が楽しみになるワインに負けないよう、あなたのこの1年も明るいものにしましょう。
ドメーヌ・ボーについてはこちらで詳しく
時間をかけて1本楽しむ時間が人生を豊かに
ワインをただ酔っぱらうために飲むのはもったいない。それならば他に安くて手頃なお酒で十分かもしれません。
それでもワインを愛する人が多いのは、ワインには特別な魅力があるから。種類の豊富さや、1本ごとに違う個性。そのどれもが、つくり手の思いや土地の物語を持っています。だからこそ、1本の特別なワインと向き合う時間は、一期一会の体験です。
特別な日に少しだけ奮発したワインを開ける。味わいをじっくり楽しみながら、「あのときの素敵な時間」を思い出せるようなワインとの出会いは、きっとあなたの人生に彩りを加えてくれるはずです。
そんな美味しいワインとの出会いをお手伝いできること。それが、このブログを続ける私の喜びです。