ワインの楽しみ方ガイド

この時期だから冷やさず飲みたい白ワイン8選

2022年12月30日

寒い冬だからこそ冷やさずに飲みたい白ワイン8選|葡萄畑ココス
 
 
とっても寒い季節。冷たい白ワインが飲みたくないなら、ぬるめで飲めばいいじゃない
ワインは温度で味わいが大きく変わるお酒。高い温度なりの美味しさもあるんです。
温度による風味の変化を実験し、その応用として高めの温度で美味しい白ワインをご紹介します。
この冬楽しむ白ワインは冷蔵庫温度ではなく室温で。会得してみませんか?
 
 

白ワインの味は温度でこう変わる

 
「白ワインは冷蔵庫で冷やして飲むもの」
決して間違いではありません。
当店では大雑把に白ワインの飲み頃温度を次のようにおすすめしています。
 
スッキリ系の白ワイン 7~10℃
ボリュームのある白ワイン 10~12℃
 
 
もちろん飲み手による好みもありますし、多種多様な白ワインを2つに分類するのも無理な話。
あくまでまだ自分なりの基準を持たない方向けの目安です。
 
 

若干低めのスタートを推奨

 
おそらく上記の温度は、ワイン通の方々の経験的な飲み頃温度より若干低めです。
 
上記の温度に関しては、ワインを開けてボトルに注ぐ際の液温として考えています。
ワインをグラスに注げば、ワイングラスの温度によって若干温度が上がります。
さらに室温によって飲んでいるうちにも温かくなってきます。
 
 
それも見越して、1杯目が飲み終わるころにちょうどいい温度を想像して、少し低めの温度をおすすめしているのです。
温いワインを冷やすのは少し手間ですが、冷たすぎるワインならグラスを手で覆えばすぐに温度は上がります。だから、気持ち低めの温度で飲み始めた方がいいのです。
 
 

温度で風味はどう変わる?

 
味わいの点では温度で次のように変化します。
 
白ワインの温度による味わいの変化。冷たいとすっきり、暖かいとまろやか
 
白ワインには渋みがないので、舌で感じる要素はこの2つのバランスです。
一方で香りに関しては複雑です。
 
一般に温度高めの方が香り豊かなことが多いです。5℃くらいまで冷えたワインからは、ほとんど香りを感じません。しかし高すぎると逆にアルコール臭に邪魔をされることもあります。
飲み頃温度を分けるカギとなるのが樽香です。10℃以下の低い温度では、厳格で硬いイメージを持つことが多いです。適度な温度に上がってくると、甘い香りが漂い親しみやすい雰囲気になります。
 
この温度変化による基本の風味変化。割とたくさんの例外があります。ワインの理論通りにはいかないところです。
 
 

高い温度で飲んで美味しい白ワインはどんなもの?

 
暖房をつけていない真冬の室温であり、普段赤ワインを飲んでいるのは、14~18℃くらいでしょう。
今回は15℃くらいを「高い温度」と定義し、その温度で美味しい白ワインのタイプを考察します。
私の体験ではありますが、15℃と12℃では口に含んだ時に「冷たい」と感じるかどうかが違いました。
 
 

実は高いワインはおおよそ高い温度が美味しい

 
身もふたもないことを言うなら、1万円を超えるような高級白ワインはたいたいあまり冷やさないほうが美味しいです。
高級白ワインには、風味にボリューム感があり豊潤です。温度が高めの方が、その複雑な香りをより多く感じ取ることができます。
そしてたいていは高い酸味を持ちます。だから酸味がまろやかに感じやすい高い温度がちょうどいいのでしょう。
 
 
ワイン会で「白ワインの残りを後から飲んでみたら、温くなってたけれど案外こっちの方が好き」なんて経験ありませんか?

時間経過でワインが酸素と触れたことによる影響も否定しきれませんが、温度による影響も大きいはずです。

 
しかし高級ワインはそうそう自宅で毎日は飲めません。
今回はあくまで、日常消費用価格からそのちょっと上くらいまででご紹介します。
 
 

メインは樽熟成したシャルドネ

 
先述の通り樽香は低い温度ではあまり広がらず、少し温度が上がってから甘く広がります
だから冷やさず飲んで美味しい白ワインの有力候補は、樽熟成した白ワイン。とりわけ樽香のしっかりしたシャルドネです。
シャルドネの中価格帯以上のものは、大多数が樽熟成されています。だから非常に選択肢が多いんです。
 
 
今回は樽シャルドネの中でも酸味が低めのものを優先的に選びました
酸味が高めのシャキッとした印象を持つ樽シャルドネも、高い温度で美味しいかもしれません。しかしそういったものは、暑い時期に冷やし目で飲んでも美味しいです。
寒い時期に美味しいまったりとした口当たりのものは、酸味控えめなものでしょう。
 
ただ、樽熟シャルドネに関しては「今さら」感があるかもしれませんね。
夏場にこんなワインを飲んでて、時間をおいて温くなっちゃった状態。多くの方が経験があるでしょうし、想像がつくのです。
 
 

シャルドネ以外の樽熟成白ワイン

 
なので今回は、樽熟成したシャルドネ以外の品種のワインもご紹介します。
 
樽熟成するものの中で、ソーヴィニヨン・ブランやシュナン・ブランは外しました。ボディ感豊かでリッチな味わいにはなりにくい、あるいは高価なものしかないからです。
例えば熟成したボルドー・ブランなどは、高めの温度で素晴らしく美味しいです。むしろキンキンに冷やして飲むのはもったいない!でもそんなもの1万円からですよね。
 
こちらは2万円オーバー
 
なので今回は、セミヨンとピノ・グリに注目しました。
どちらも熟度の高いブドウを使えば、オイリーで広がりのある口当たりの白ワインになります。高めの温度でも味わいが崩れにくそうと考えました。
 
 

ローヌの白品種

 
コート・デュ・ローヌ地方で栽培される白ブドウは、ボディ感豊かなものがたくさんあります。
ヴィオニエ、ルーサンヌ、マルサンヌ、グルナッシュ・ブラン・・・・
 
 
これらは樽熟成なしでもリッチな味わいに仕上がります。特にヴィオニエは、高い温度でアロマティックな香りをより豊かに漂わせてくれるでしょう。
 
 

上質なリースリング

 
キリっとスッキリな味わいの白ワイン代表なリースリング。意外とリースリングは高い温度で飲んでも美味しいんです。
スッキリとした味わいを楽しみたければ、10℃以下で飲んだ方が魅力を発揮するでしょう。しかしその温度帯だと、3000円と8000円の違いをそれほどはっきりとは感じないこともあります。
 
 
違いが表れやすいのは高い温度帯。上品な白桃などのフルーツの香り。透明感のある柔らかい口当たり。
冷たい温度とはまた違った良さを感じられます。
 
ただし、そこまで品質の高くないリースリングだと、ただ温くて緩んだ味わいになります。それにニューワールドのリースリングはよく冷やした方が美味しい傾向にあるようです。
ドイツから選ぶのが吉です。
 
 

3種のワインで温度による風味の変化を検証

 
今回は3種類のワインについて、温度による風味変化を検証しました。
 
目的は冬の室温に出しておいて、開けてすぐ美味しい白ワインを見つけることです。
なのでワインセラーで15℃に設定して白ワインを抜栓後すぐにテイスティング
そこから脚なしグラスに入れて氷水で急冷したものとを比較します。12℃くらい(白ワインでやや高め)と7℃くらい(白ワインでやや低め)の温度になった段階で評価しました。
 
実験したのは次の3つのワイン。
 
  • リースリング アルテ レーベン 2021 カール ローウェン
  • ワイルドバーグ コウテリィ セミヨン ソーヴィニヨン ブラン 2022
  • ピノ グリ バリック ファーメント 2014 ギブソン ブリッジ
 
室温:約19度
ワインセラー温度:15.4℃
注いだワインの温度:15.0℃
 
 

15℃で感じるほのかな甘味にキュン♪

 
 
リースリングはキンキンに冷やして飲むもの?ニューワールド産は主にそうかもしれませんが、ドイツのリースリングは高めの温度もGOOD!カール・ローウェンがつくる「リースリング アルテ レーベン」アロマが非常に表現力豊かで、酸味も丸くより多くの方に「美味しい!」と言ってもらえるでしょう。
 
 

グラスにわずかに気泡がついた

これはモーゼルのリースリングによくあることです。モーゼルのリースリングは「Trocken 辛口」表記でも、最大9g/Lの残糖を含むことがあります。無濾過・無清澄で出荷されるワインは、出荷後に温度が上がることで、(劣化はしない15~20℃くらいの温度だったとしても)瓶の中で2回目の発酵が進むことがあります。二酸化炭素がわずかに発生し、グラスに注いだ際に泡となって現れます。これでスパークリングワインになることはありませんし、品質劣化というわけではありません。「泡があったから良くないボトル」とも「泡がある方が美味しい」とも言えませんし、ボトル差もあります。
こんなボトルを見かけたら、「あ、モーゼルらしいな」と思って楽しんでください。

 
 
《温度によるリースリングの風味変化》
 

【15.6℃で感じた風味】

レモン、それに柚子のような苦みを伴う柑橘の香り。それから濡れた石やスレートのような硬質な香り。アルコール感はなし。
わずかな発泡によるはつらつとした触感があるが、これは翌日には消えている。
クリスピーな酸味は高い温度でも十分なボリュームを持ち、レモンカスタードのようなほのかな甘さを感じさせる。舌先にわずかな甘味を感じるが、飲み込むころにはしっかりドライ。余韻の続き方は中程度で、上手くバランスが取れている。
まだ低い温度飲んでないけど、絶対この温度が優勝と確信。

 

【12.2℃で感じた風味】

レモンなどの柑橘を思わせるシンプルな香りで、15℃で感じた濡れた石などのいわゆるミネラルの香りはあまり感じない。
酸味の違いは3℃の差でも顕著で、キュッと舌が引き締められる。飲み込んだ後の舌で感じるザラっとした触感が強くなるように感じる。

 

【7.0℃で感じた風味】

香りのボリュームが極端に落ちてしまい、がんばって探さないと表現できないほど。柑橘っぽさは感じる。
酸味の感じ方は非常にシャープで、舌全体にまとわせると唾液が分泌されるのがわかる。飲み込んだ後にのどに刺すような刺激がわずかにあり、ほのかな苦みも残る。

 

【結論】

断然15℃が美味しい!
夏場に汗をかいて帰宅したあとなら、7℃のキリっと感も捨てがたい。しかし2021年というヴィンテージもあってから、このシャープな酸は人を選ぶだろう。
15℃の酸味は、十分高いものの丸みがあり、より多くの人を喜ばせることができるだろう。わずかに感じる残糖感も、「意識すれば」のレベルであり、辛口ワイン好きにおすすめして全く問題ない。

 
 

15℃付近でこそ円熟した味わいに

 
 
品種としての特徴香があまり強くないセミヨン。低い温度だとますます香りを感じない上に、少し苦味を感じる味わいに。このワイルドバーグがつくる「コウテリィ セミヨン ソーヴィニヨン ブラン」は15℃くらいの温度で果実の重量感と酸味のバランスが完璧に整いました。樽香はわずかなのに飲みごたえ◎
 
《温度による樽熟セミヨンの風味変化》
 

【14.8℃で感じた風味】

あまり特徴的な香りは上がってこず、わずかに柑橘と樽香。とあるサイトで見かけた「羊の毛」という表現がわかるような気がします。
味わいは非常に均整のとれたイメージ。最初に舌先から厚みと重量感のある果実味を感じ、舌の両脇をワインが通るときにピリッとくる刺激と酸味を感じる。ハッキリとした樽香を感じるわけではないので、樽シャルドネをイメージして飲むと肩透かしをくらうだろう。

 

【12.0℃で感じた風味】

香りはよりシンプルに、柑橘っぽいアロマと、ミントのスっとするような刺激。味わいは一段スマートな印象になり、先ほどは舌の両側を刺激していた酸味が、のどの奥をつっつくようになる。余韻にほのかな苦みを感じるが、これはポジティブにとらえられる。

 

【7.6℃で感じた風味】

寒い部屋では香りの時点でワインがひんやりして感じられる。香りは閉じこもってあまり感じられない。スムースに舌を流れるが、苦みを伴ったかんきつ系の酸味が、やや不快な余韻として残る。ボディ感も痩せて感じられるので、全くこのワインの魅力が引き出せていない。

 

【結論】

このワインに関しては断然15℃の勝利!
セミヨンはもともとそこまで特徴香を持たない品種であるため、低い温度だとより香りが感じられなくなってしまいます。アルコールが13.5%表記でそこまで高くないためか、15℃付近でもアルコール臭を感じませんでした。
ただ、試しに17℃くらいまで上げてみたら香りが平たんになってしまったので、15℃前後がベストなようです。

 
 

樽熟ワインだからと言って、樽の香りだけじゃ寂しい!

 
 
ギブソン・ブリッジがつくる「ピノ グリ バリック ファーメント」は、世界的に見てもあまり多くない樽香バッチリのピノ・グリ。熟成がやや進んでいることもあり、低い温度だと木の香りしかしません。白ワインとして高い温度になって初めて、この価格に相応しい香りの複雑さが表現されます。
 
 
《温度による樽熟ピノ・グリの風味変化》
 

【15℃で感じた風味】

メインとなるのは杉の板のような香り。そこに洋ナシのようなフルーツ感と、ヴァニラ香を感じる。アルコール感はほんのわずかにあり。
口に含むとピノ・グリらしいオイリーな質感を持って舌を覆い、オークの風味が全体へと広がったあと、舌の根のあたりにわずかな苦みが残る。

 

【12℃で感じた風味】

明らかに甘い香りが引っ込んだ!香りのボリューム自体が弱くなるのが、わずか3℃の違いではっきり感じられます。
口に含んだ時は冷たい感触がはっきりあり、15℃と違って舌の両脇を刺激する酸味を程よく感じます。苦みのような刺激はこちらの方がやや少なく、ワインとしてのバランスはよりいいかもしれません。

 

【7.2℃で感じた風味】

木製の家具のような、甘さもフルーツ感も弱い香り。シンプルであまり魅力的とは言えません。
歯がしみるほどではないものの、しっかり冷たさを感じます。ピノ・グリのオイリー感は感じるものの、オークの風味とのバランスが少しチグハグな印象。酸味の感じ方は12℃のときとさほど変わりませんが、のどにツンとくる刺激を持ちます。

 

【結論】

白ワインとしてのバランス感は12℃がベスト。ただし15℃がそう劣るわけではなく、「冷たい」という感覚のない点で冬ならこの温度で飲みたい。ただし、これ以上は上げないほうがいい予感。

 
 

冷やさず飲んで美味しい白ワイン プラス5選

 
実際に検証した3本以外にも、冷やさずに美味しい白ワインはたくさんあります。
先述の条件から導き出されるワインをさらに5本、ご紹介します。
 

営業さんが確信!「飲んでもらえば絶対売れまくる!」

 
「試飲販売したらバカ売れ確定です!」そう営業担当者が主張するのは、「アウスト シャルドネ オーク樽熟成」にグイグイ迫ってくるような樽熟成の甘い香りがあるから。その香りって低い温度では大人しいんです。15℃くらいまで上げてこそ、樽とフルーツが元気に主張してくれることでしょう。
 
 

熟成香があれば、そりゃ高い温度が美味しい

 
「2016年」くらいだと特別古いという感覚はないでしょうが、カリフォルニアの低価格帯シャルドネは普通できてすぐ飲まれるもの。「ガーネット シャルドネ モントレー 2016」は熟成といっても6年程度。それでも少し香りが変わってきていて、特に口当たりの質感、なめらかさに熟成の効果を感じます!
 
 

温度が上がれば樽香のボリュームアップ!

 
ヴェルディッキオはなかなか変幻自在。少数派ながら樽熟成したリッチなワインもつくられ、これもその1つ。モンカロがつくる「ヴィーニャ ノヴァリ ヴェルディッキオ リゼルヴァ」は、冷やしすぎると香りが閉じこもってしまうので、高めの温度がベター。ほのかな苦味をかんじるようになりますが、料理と一緒ならこの苦味がいい!
 
 

温暖産地の白ブドウは温かいの好き?

 
ヴィオニエを中心にローヌの白ブドウをいろいろブレンドしてこのワインはつくられます。どの品種もリッチでボリューミー。スタンダードクラスの「コート デュ ローヌ ブラン」ながら、そこはさすがのギガル!1000円台前半なのにしっかりコクがあります。少しアルコール感は強くなりますが、高い温度の方がいろいろな香りを感じます!
 
 

何が正解かわからない「謎」なワイン

 
爽やかなのか、まろやかなのか、コクがあるのか。人によってコメントがバラバラなこの「コナンドラム・ホワイト」。多様な品種をブレンドしているゆえ、温度によって目立つブドウが違うのでしょう。部屋が暖まるにつれてワインは冷やして、風味の変化を感じ取ってみては?
 
 

温度を制すればワインはもっと楽しい!

 
「白ワインは冷やして、赤ワインは常温で」
これが世間一般の常識かもしれません。
 
「赤ワインは常温といっても、室温よりはちょっと冷やし気味」
これをご存知の方は増えてきました。
 
 
一方で「白ワインは冷蔵庫から出してすぐ飲む」という方は、まだまだ多いんじゃないでしょうか。
冷蔵庫の温度は4~8℃くらいです。今回ご紹介したように、低い温度では本来の魅力が発揮できないワインがたくさんあります
 
 
白ワインを高めの温度で飲んでみるということを、ぜひ今試してみましょう。別に特別なものは必要ありません。グラスを手で覆って、ゆっくりとスワリングするだけ。だいたい1分で2℃くらい上がります。
寒い時期だからこそ気づける風味、この時期ならではの白ワインの楽しみ方というものもあるはずです。
 





※投稿に記載しているワインのヴィンテージ・価格は執筆時のものです。現在販売しているものと異なる場合があります。
購入の際は必ず商品ページにてご確認ください。




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