お昼過ぎ・夕方からワインを楽しめるのは、休みの日の醍醐味。
ほろ酔い気分で過ごすおうち時間、贅沢な午後を満喫できるはず。
ただ、それで酔いつぶれてもダメ。夕食が食べられなくなってもダメ。
ワインだけで楽しめて、良い感じに酔える、昼飲みにおすすめワインをご紹介します。
ダメな昼飲みのパターン
休日の昼から飲むワイン、別になんでも好きなもの飲めばいいじゃん
本当にそうでしょうか。
ワインをミスチョイスしてしまったがばかりに、もったいない休日にしてしまうパターンを挙げてみます。
夕食が食べられない!
飲み始めるのが14~17時くらいだとします。お昼ご飯を食べたのなら、まだお腹は空いていません。
そこでワインを抜栓。最初はワインだけで飲み始めます。
でも次第に何か食べたくなってきます。
それはワインに「飲みごたえ」のようなものが不足している、スッキリ過ぎるワインだから。
あるいは逆に、とても力強い赤ワインでタンニンも強く、渋味で舌が疲れて口休めが欲しくなったから。
何かおつまみを取り出して。何か簡単な料理をつくってワインと楽しむ。
うんま~♪
19時。お腹空かない。そりゃおやつタイムにあれだけ食べて飲んですればそうなります。
せっかく夜は美味しいもの作ろうと材料もそろえていたのに、ダメじゃん!
飲みすぎて寝ちゃって・・・
ワインがスルスル飲めちゃうスタイルでも問題です。
例えばプロセッコのようなスッキリスパークリングワイン。キリっとした軽やかな味わいについゴクゴク飲んでしまいます。
15時 ワイン抜栓。
17時 ワインが空になる。就寝。
21時 起床。起床!?
22時 今からごはんつくって食べるのもめんどくさくなる。
23時 明日に備えて早く寝たいのに全く眠れない。。。
ワイン、美味しかったけど、それで午後がほとんど終わっちゃったな・・・
昼飲みワインの条件とは
上記の例はやけに生々しかったかもしれませんが、まごうことなき実体験です。
ワインを楽しんだ上で、休日も時間いっぱい楽しみたい。
そのために必要なワインの条件は次の3つ。
〇何か食べたくならないバランス感
〇物足りなさのない、程よい飲みごたえ
〇ながら飲みでもったいなくない、高すぎない価格
何か食べたくならないバランス感
飲んでいると何か食べたくなってくるワインって、結構あります。
私は酸が高くてボディ感が細身のワインに、その傾向があると感じています。
ワインを表現する言葉で「バランス」というのはよく使われます。
でも記載される場合は「バランスがいい」と必ず書かれます。わざわざ「このワインはバランスが良くないけど・・・」と書く説明書きは普通ありません。そういう意味では、私は文字の上では「意味のない表現」だと思っています。
しかし実際口にしてみると、果実味と酸味・渋みなどのバランス感は1本1本違います。「バランスがいい」のなかにもいろいろあるんです。そして一流と呼ばれる生産者ほど、そのバランス感の崩れたワインをつくりません。
ベストなバランスは個人の嗜好によっても変わりますし、シチュエーションによっても異なります。
もしワインだけで心地よく飲むという場合なら、バランスポイントは酸味側からちょっとだけ果実味・ボディ方向に寄るでしょう。
渋味も目立っては疲れてしまいます。渋味が目立つくらいなら、熟成の際に新樽を多めにつかってこなれたタンニンになっているものがベターでしょう。
ちょっと甘口のワインも、単体で飲み続けるのには適しています。程よく血糖値を上げることで、さらに何かを食べたくなる気持ちを抑制する。それでいて「甘口」というほどでなければ、おなか一杯になって夕食が食べられなくなることもありません。
物足りなさのない、程よい飲みごたえと余韻
これが一番感覚的で難しい条件。
ワインがスッキリ系すぎてもダメ。濃すぎてもダメという訳です。
ガツンと一口目から味を訴えてくるワインは、往々にして単調な味で、1杯は美味しくても1本は飽きてしまうもの。
そういう点で最初は大人しめの香りで、徐々に花開いてくるものがベター。
ワインの口当たりが軽いこと自体は問題ではないのですが、余韻は続いてほしい。余韻が短いとすぐ次の一口を飲んでしまう。ガブガブ飲もうにも先ほどの一口の味が続いてて、つっかえるように感じる。
それくらいの余韻があると、ペースがコントロールしやすいはずです。
ながら飲みでもったいなくない、高すぎない価格
料理と合わせて楽しむ場合、その相性が一番大事。
ワインに少々不完全なところがある。例えば少し酸味が尖っているとか、余韻に苦味を感じるとかは、食事と楽しむならほぼ感じません。
でもワインだけで飲むなら、ワインのいいところだけでなく悪いところもしっかり感じてしまいます。ごまかしが効きません。
だから1000円台で勝負できるワインは多くありません。2000円台、できれば3000円台出したいところです。
一方で明るいうちから飲むなら、たいていワインは脇役。
映画やドラマを見ながら、読書をしながら、調べ物の合間に・・・何かをしながら楽しむ場合が多いでしょう。
そういう意味で、あんまり高いワインももったいないかもしれません。
本当に大事にしているワインなら、ディナータイムにそのワインに合わせた料理と楽しみましょう。
なので今回は4000円くらいを上限に選んでみました。
明るいうちから飲みたい昼飲みワイン5選+2
上記の昼飲みワインの条件、2000~4000円くらいでやや果実味・ボディ豊かで余韻の長い味わいのワインをピックアップしました。
さらに輸入元の担当営業さんに相談し提案いただいたワインも2本掲載しています。
夕暮れの色とロゼ泡のマリアージュ
先ほどプロセッコの例を挙げたように、スパークリングワインはワイン単体で飲むのにいい。それは一般的なスパークリングワインは仕上げに糖分を加えて、炭酸との味のバランスをとっているからです。
だからスパークリングワインで考えるべきは、適度に重たく、そこそこ余韻が長いこと。ロゼのスパークリングは白に比べて風味に甘いニュアンスが強い。だから同じような糖度でも、よりボリューミーに感じます。
イチゴやスモモ、マーマレードジャムのような甘く熟したフルーツをイメージさせる風味があり、飲み込んだ後にもじんわりと舌の上に甘い印象が残ります。だから適度にゆっくり飲みやすいワインです。
甘すぎない樽のリッチさがイイ!
オー・ボン・クリマがつくるワインは多様なラインナップを誇りますが、これはスタンダードクラスな1本。
当店では日本限定ラベルの「ツバキ・シャルドネ」が人気。それは樽の風味をかなり抑えて、フレッシュな酸味を大事にした細身なワインです。だからワイン単体で飲むならちょっと物足りなさがあるかも。
それに対して「サンタ・バーバラ・カウンティ」は樽の風味が顕著。しかし「ヴァニラやココナッツのような甘い風味」というよりも、口当たりの滑らかさ、厚みを強調してつくられています。
その程よい重量感が、ワインだけで飲むのにちょうどいい。国際的なオー・ボン・クリマのスタンダードワインとして人気なのも納得です。
このクオリティなら程よいペースで飲めそう!
先述のようにスパークリングワインなら、ゴクゴク飲み過ぎない余韻の長さが重要。
どのようにワインをつくれば余韻が長くなるのか。
おそらくまだ因果関係は分かっていないんじゃないでしょうか。少なくとも私はそれを説明した書物を読んだことがありません。
いくつもの要素が関係してのことなのでしょうが、ブドウの質が重要なのはまず間違いない。
その点、シャンパーニュの技術を持って、カリフォルニアで自社畑のみからつくるスパークリングワインはねらい目。
細かな泡が消えた後に、うま味にも似た余韻が残ります。これくらい質が高ければ、白のスパークリングといえどもグビグビっとはならないでしょう。
1日で飲みたいワインだからこそ休日に
このワインはひょっとしたら止まらないかもしれない。
スパークリングワインよりも泡感が一段階柔らかな、「フリザンテ」つまり微発泡ワインです。
フリザンテはもともとの泡も弱めで、その泡が抜けてしまうのも早め。つまり最高の状態で飲み切ることを考えるなら、1日で飲んでしまうのがベストです。
しっかりと色のついたロゼではありますが、その実ブドウは白ブドウが主体のブレンド。リーズナブルな価格と合わせて、スルスルっと飲み切ってしまうかも。「ワイン1本くらいじゃ酔いつぶれないよ」という肝臓強者の方にとっては、ひと際心地よい飲み口でしょう。
手ごろな価格ながらフルーツ感のインパクト抜群!
株式会社稲葉の福島がおすすめします!
業績上げまくりのやり手営業さんに相談しておすすめされたのが、このリーズナブルなロゼ。
先述のとおり、ワインだけで飲むならごまかしがきかないので、1000円台では難しい予想でしたが、「このワインは大丈夫です!」と胸を張ります。
巨大ワイナリーグループの「ヒル・ファミリー」がつくるワインなので、スケールメリットがあり価格の割に味わいの凝縮感は抜群。低温発酵ならではの丸かじりするようなフルーツ感が素晴らしく、この価格ながら物足りなさはありません!
「午後の紅茶」ならぬ「午後の紅酒」的に楽しんで♪
昼飲みのスペシャリストが提案する、スッキリ甘口♪
ヘレンベルガー・ホーフ 高橋がおすすめします!
「高橋さん、昼飲みに適したワインはありますか?」と質問したら、「うちのワイン、私は何でも昼から飲んでますよ」と元気にプッシュしてくださった高橋さん。予想どおりガンガン明るいうちから飲んでました。
「グイグイ1本空けちゃうと、寝ちゃって変な時間に起きるでしょ?」と、ペース抑えめで楽しめるものをと教えてもらったのがこちら。
ほどよい甘味のリースリングを提案いただきました。なんでもこの生産者のワインで最も軽やか&フルーティーなんだとか。
一口ごとにじんわり染みる味わいに酔いしれてください!
時間に縛られない休日ワインで贅沢なひと時を
明るいうちから缶ビールを開けるのは心なしか罪悪感を感じるのに、明るいうちからのワインはセレブになった気分。
それはワインが持つ「非日常」のイメージゆえかもしれません。
お酒は人生を楽しむための数あるツールの一つ。
気分がよくなるけど酔いつぶれて寝てしまいにくい。そんな昼飲みワインをうまく活用すれば、おうちで過ごすあなたの休日はより充実したものとなることでしょう。