ワインの楽しみ方ガイド

【万能ワイン】来客用にもプレゼントにも晩酌にも 我が家の"常備菜"的なワイン5選

2022年4月10日

 
急にワインが欲しくなった時、慌ててワインショップや酒屋に走らなくていい。
「そうそう!冷蔵庫/ワインセラーにあのワインがあるから大丈夫!」と安心できるもの。
多くのシチュエーションに対応できる『万能ワイン』に求められるのは、どんな条件でしょうか?
まるで”常備菜”のように常にストックしておきたいワインを考察します。
 
 

ワインを買う目的

 
個人の方がワインを買う目的は、次のどれかであるはずです。
  1. 自分が飲む(自分を含めた複数人で飲む)
  2. プレゼントする
  3. ストックする
 
後は他に「転売する」もあるかもしれませんが、一旦置いておきましょう。
 
 
ストックする場合も、いつ飲むかが決まっていないだけで概ね1番のはず。
なので1番と2番について、もう少し詳しく分類します。
 
 

飲むためにワインを買うとすれば・・・

 
飲むためにワインを買うとすれば、飲むシチュエーションは次のどれかでしょう。
  • 自宅で一人/夫婦/家族で普段の晩酌
  • 自宅で一人/夫婦/家族で特別な日に飲む
  • 自宅に来客を招いて飲む
  • 手土産として持参して飲む
  • レストランに持ち込んで飲む
 
このほか、「アウトドアシーンで飲む」なども考えられますが、概ねこのどれかに分類できるでしょう。
 
 

急にワインが欲しくなるのはどんなとき?

 
自宅の晩酌でワインが「急に必要に」なることはありません。急に飲みたい気分になることはありますが、それは「必要」とは違いますよね。
 
家族で祝うような特別な日。例えば子供の入学/卒業や誰かの誕生日などが考えられます。
そういったお祝い事は前々から分かっているもの。急に慌てるとしたらまず自分の無計画を見直すべき。
 
レストランに持ち込んで飲むのも、別に手元に適したワインがなければレストランのワインを飲めばいいわけで。
 
 
となると急にワインが欲しくなるとしたら、
  • 自宅に来客を招いて飲む
  • 手土産として持参して飲む
 
このどちらかでしょう。
 
今日/明日、よかったらうちでご飯食べない?/お邪魔していい?
突然そういう話がまとまってしまったという状況が考えられます。
 
 

プレゼントするためにワインを買うとすれば・・・

 
プレゼントするためのワインを選ぶうえで、最も考慮すべきは
  • プレゼントの用途/目的
  • お互いの年齢や立場
  • 相手の方の嗜好
 
この3点でしょう。
 
 
例えば「社長就任祝」のプレゼントと「先日お呼ばれしたお礼」なら、予算額は違ってしかるべきということです。
また、お互いの年齢/立場や相手の嗜好も様々。相手が個人でない場合もあります。
この点で、すべてのプレゼント用途に対応するワインなど存在しません。いや、ワインに限らずそんなものはないでしょう。
 
万能なプレゼントなど存在しないのであれば、つぎに考えるべきは、「急にワインのプレゼントが必要になるってどんなとき?」です。
 
 

急にプレゼントにワインが必要だとしたら

 
予定外にプレゼントが必要になって、買いに行く時間がないから家のセラー/冷蔵庫から見繕う。
どんな用途のプレゼントが考えられるでしょうか。
 
まず外れるのが、結婚祝い、出産祝い、母の日、父の日、クリスマス、お歳暮、お中元など。これらはいつ必要かがあらかじめ決まっているか、少々遅れても大丈夫なものです。急に必要にはなりませんので、ゆっくり調達できます。
病気のお見舞いにワインというのは、あんまりイメージできません。
 
 
あるとすれば次のようなシチュエーションでしょう。
 
  • 予定外に、あるお店の周年パーティーに参加することになった
  • お世話になっている人の誕生日をついさっき知った
  • 先日とてもお世話になった方に、明朝会う段取りがついた
  • 得意先への差し入れで、相手の担当者がワイン好きとさっき知った

 
共通するのは、そんなに高価なものでなくとも問題なさそうという点でしょう。
もちろん普段飲み価格のものでは不適ですが、数万円もするようなものは逆にミスマッチかと。
 
 

必要にならない場合もある

 
以上の通り、急にワインが必要となるとしたら、割と限られたシチュエーションです。
つまり、「もしものときに備えていたけど、1年くらいそんな状況はなかったな」なんてことが当たり前に起こり得ます。
 
もしもの時のためにストックしていたワイン。そんなときは飲んじゃいましょう!
その点ではなるべくワインの価格は抑えたい。1万円のワインをプレゼントするならまだしも、何でもないときの晩酌に飲むのは抵抗がある方が多いはずです。
 
 
これらのシチュエーションに対応し、そんなに高くないワイン。
そんなワインが自宅に1本あれば、ちょっと安心ですよね。
”常備菜”的なワインに求められる条件とはどんなものでしょうか。
 
 

”常備菜”ワインの条件とは?

 
”常備菜”ワインに対応できてほしいシチュエーションはつぎの7つ。
  • 自宅に来客を招いて飲むためのストック
  • 手土産として持参して飲むためのストック
  • 予定外に、あるお店の周年パーティーに参加することになったときのお祝い
  • お世話になっている人の誕生日をついさっき知ったときのプレゼント
  • 先日とてもお世話になった方に、明朝会う段取りがついたときに渡すお礼
  • 得意先への差し入れで、相手の担当者がワイン好きとさっき知ったときの差し入れ
  • 上記の6つのイベントが起こらなかったときの、ふだんの晩酌
 
これらのシチュエーションから、ワインの条件を明確にしていきましょう。
 
 

"嫌われにくい"味わいのワイン

 
1番、2番のシチュエーションが求めるのは、ワインの美味しさというより、「苦手じゃないこと」です。
 
1番、2番は結局、自宅か友人宅かの違いで一緒に飲むという点は同じです。
ワインをストックする時点では、誰と飲むかわかりませんから、好みを合わせることはできません。
全ての人が美味しいというワインがあればそれ越したことはありませんが、残念ながらそんなものは存在しません。人の好みはそれぞれだからです。だからこんなにも多くの種類のワインがつくられているんです。
 
 
ならば次善として考えるべきは、「ビックリするほど美味しくはないが、苦手ともされにくいワイン」です。
  • 渋すぎるもの
  • 酸っぱすぎるもの
  • ベタっと重たすぎるもの
  • よく分からない複雑な風味
 
この理由は過去の記事「週末は友人宅でご飯♪手土産におすすめワイン特集!」で考察しております。
 
家に招いて食事をするときにワインを飲もうと考えるなら、本当のワイン初心者というわけではないはず。20代前半、「ワイン飲むの初めてです」というわけではなく、普段から多少は飲んでいる方が相手なのでしょう。
だとすれば、突飛なものではなく中庸な味わいのものを選べば、「これ嫌い」とは言われないでしょう
 
 

料理に対して万能なワイン

 
料理とワインがお互いに高めあう関係にあることを「マリアージュ」と呼びます。
それは「カギとカギ穴の関係」に例えられるほど、よく考えてぴったりあわせないといけないものです。
だからすべての料理にマリアージュするワインは存在しません
 
 
しかし、「ほとんどの料理を邪魔しない」ワインならあります
これに関しては以前の記事「万能家飲みワイン特集!「料理との相性なんかイチイチ考えてられない!」」に詳しくご紹介しています。
 
条件としては先ほどの”嫌われにくい"ワインの条件と似通ってきますが、加えるとすれば一つ。
 
樽感の強いワインは避ける
 
ということでしょう。
この料理に対する万能さは、1、2番のシチュエーションに加え、7番の晩酌するときにもうれしい特徴です。
 
 

プレゼントに適したワインとは

 
3~6番のシチュエーションはプレゼントです。味わいの中庸さとエチケットの華やかさを重視しましょう
 
プレゼントにするワインを選ぶときは、ブランドをある程度気にするものです。「年配の方に贈るのだから、やっぱりフランスワインが高級って思われるかな」みたいなものです。
今回は突発的なものでかしこまったものではないので、そこまで気にする必要はないでしょう。
 
これまた相手を想定せず選ばなければいけないので、味わいは先ほどのように中庸なものがベターです。
そのうえで、ボトルを見た時に「なんか高級そう」とちょっとだけ思ってもらえるようなエチケットだとポイントが高いです。
 
どんなエチケットがデザイン性が高いかは、その人の感性によるので判断が難しい。
とりあえず、「安っぽく見られかねない」ものを避けましょう。
 
例えば手土産ワインとして紹介した、「ザ・ペアリング」などは、そのエチケットのシンプルさから安っぽく見られかねないと思います。
 
 
あとはスクリューキャップかコルクかも見ておいた方がいいでしょう。
「スクリューキャップは安もの、コルクの方が高級」と考えられる方は少なからずおられます。断じてそんなことはないのですが、「事実」と「イメージ」は時に異なるもの。
相手を想定してのプレゼントならスクリューキャップもいいですが、今回はコルクのものを選ぶのが無難でしょう。
 
 
また、「贈り物」のワインである以上、日常消費用の価格帯は避けた方が無難です。
いくらまでが日常消費用かは個人の経済力に大きく依存しますが、一般的には3000円以下はデイリーワインとして扱われます。
あとはご自身の年齢や立場を考慮してください。20代の方なら2000円台もアリだと思いますし、「50代の経営者なんだから、5000円くらいは出さないと恰好がつかない」という考えも理解できます。
  • 中庸な味わい
  • 安っぽいエチケットを避ける
  • コルク栓
  • 3000円以上
 
これが突発的なプレゼントに適したワインの条件です。
 
 

"常備菜"ワインの条件をまとめる

 
以上の考察から、様々なシチュエーションに対応する"常備菜"ワインは次のような条件を満たすものです。
 
  • 突出した味わいでない、中庸なワイン
  • 樽感が強すぎないもの
  • 安っぽいエチケットでない、できれば華やかで見た目のいいもの
  • コルク栓
  • 3000円以上
 
これらの条件を満たすワインをご紹介していきます。
 
 

わが家の"常備菜”ワイン5選

 
プレゼントとして恰好がつき、かつたまには家飲みしてもいいだろう、3000~5000円の価格帯で選んでみました。
 

ろうキャップ+エチケットの高級感と豪華な味わい

 
シュナン・ブランは酸味の高い品種なので、ともすると条件から外れます。ただ、この生産者は収穫が遅めでしっかりボディ感があるため、「酸っぱい」とはほぼ感じないでしょう。
特徴的なエチケットと、裏面の「SERIES RARE」の文字も高級感を感じさせます。
 
1点不安があるとすれば、蝋キャップであること。開けるときはそのままコルクスクリューをさすだけなのですが、プレゼントする相手がワインに不慣れな方なら、戸惑ってしまうかもしれません。
 
 

嫌われにくい味わいと高級感のあるボトル

 
スパークリングワインもまた、幅広い料理に対応するワインです。
リースリングのスパークリングワインは、シャルドネ&ピノ・ノワールのブレンドのものより、気難しさがなくシンプルな味わい。ゆえによりワイン初心者の層から楽しんでいただけると考えています。
エチケットも豪華なので、プレゼントにすれば都合のいい方法に誤解してもらえるかも?
 
 

他国のワインと同価格で勝負できる日本ワイン

 
あらゆる年代で日本ワインに対する関心は高まっていると感じます。どこに出しても胸を張れるクオリティーの日本ワインが手元にあれば、ワイン好きと一緒に飲む場でも唸らせることができるでしょう。
一方で「日本ワインってあんまり美味しくない」とネガティブなイメージを持たれているかたもおられます。過去においしくないものに当たってしまったのでしょう。大丈夫。マルスワインのフラッグシップワインは、きっとその悪いイメージを払拭してくれます。それだけの力強い味わいをもったワインです。
 
 

料理に万能なワインといえば・・・

 
料理に対して万能なワインといえばチャコリ
なのでチャコリの中で選ぶとすれば、酸味が尖っていないことをまず考えるべきです。
オーク樽熟成はしていないものの、適度にボリューム感のある味わいなので、「酸っぱいもの大嫌い」という方以外は大丈夫かと。エチケットもシンプルながら高級感がありますね。
 
懸念材料としては、「チャコリ」自体がちょっとマイナーすぎるかな?でも、「バスク風チーズケーキで有名なバスク地方のワインだよ」といえば大丈夫でしょう。
 
 
 

ブレンドだからこそ幅広い料理と

 
赤ワインで幅広い料理に合わせたければ、いろいろなブドウ品種をブレンドしたものを選ぶべし!それぞれの品種に合う料理があるので、なんとなく幅広く合うワインに仕上がっています。
温暖なイメージのある南アフリカで、海に近く最も冷涼な地区でつくられます。それゆえにそれほど力強さはなく、濃すぎることがありません。それでいて日照は十分受け取っているのか、ボルドーのワインよりも親しみやすさがあります。
 
 

万能ワインは白が強い

 
条件よりもとめる形でワインを選ぶと、白ワインが多くピックアップされる結果となりました。
一番の理由は、赤ワインで中庸な味わいかつレベルの高いものが難しいからです。
 
とても大雑把に言えば、赤ワインは高級なものほど渋みが強いです。でなければ熟成で渋味が和らいでいるか。
「柔らかいくちあたりで、やさしい味わいのワイン」ってだけでは、3000円を超えたときの価格説得力が難しくなるのです。
当店の仕入れのときに、「この味でこの価格、ちょっとアピールポイントに困るなぁ」とはじいているという理由もあります。
 
その点、白は高級なものは酸味が高くなりますが、凝縮感があれば「酸っぱい」とは感じにくいです。樽抑え目なものを選べば、広く料理に合うワインは選び安いです。
 
その点、南アフリカワインは注目です。「樽ひかえめシャルドネ」「暖かめの産地のシュナン・ブラン」が条件に当てはまりやすいのです。南アフリカばかり並べてもつまらないので1つに絞りましたが、いくつも候補がありました。
 
 
スパークリングワインも“常備菜“ワインとしてはとても活躍してくれます
今回、白ワインより少なかったのは、単に当店での取り扱い種類数の違いゆえです。
手ごろなシャンパンなども、ストックしておけば安心です。
 
 
もう1点、"常備菜"ワインの重要なポイントを最後にお伝えします。その美味しさを知らないことです。その方が飲まずにとっておけますし、プレゼントする際も後ろ髪を引かれることなく渡せます。「ホントは自分で飲みたかったんだけど・・・」とならない方がいいでしょ?
でないと飲むものに迷ったときの晩酌に「あ!そうそう、これがあったんだ♪」と開けてしまって、肝心なときにない!なんてことになりかねませんから。
 





※投稿に記載しているワインのヴィンテージ・価格は執筆時のものです。現在販売しているものと異なる場合があります。
購入の際は必ず商品ページにてご確認ください。




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