《生産者について》
いつかは嫁いで行くであろう杉本夫妻の二人の娘達の結婚式を二人の名前が冠されたワインで祝ってやりたい、との思いから2005年に設立されたワイナリー。ワイナリー名の由来は、家紋である「丸に違い鷹羽」をシンボルにし、Ch.igai Takaha(シャトー・イガイタカハ)と名付けられました。
《ワインメーカーの交代》
2006年よりイガイタカハのワインメーカーを務めてきたグレッグ・ブリューワー氏が2019年ヴィンテージをもって退任。そのあとをポール・ラト氏が継いで、ワインの中身が一新されました。今回はその交代前のバックヴィンテージが入荷しました。
最新のヴィンテージはサンタ・バーバラ・カウンティの表記で、サンタ・マリア・ヴァレーのブドウを使います。それに対して2019VT以前はサンタ・リタ・ヒルズの表記。より骨格のしっかりとした味わいでした。だからこそ熟成ポテンシャルが期待できます。
ワインメーカーの交代を比較できる、なかなかない機会です。あくまで「園」というワインのコンセプトのもと、2人のワインメーカーの表現を比較するのも楽しいでしょう。
《ワインの味わいの傾向》
イガイ・タカハのピノ・ノワールの傾向は、「フルボディなのに上品」です。冷涼なサンタ・リタ・ヒルズでありながらかなりの遅摘みをし、アルコール度数が15%を超えるようなワインをつくります。通常ならそこまで糖度の上がったブドウは酸が落ち、べったりと重たく濃いだけのワインとなり、ピノ・ノワール好きが求めるものではありません。しかしイガイ・タカハのものは、サンタ・バーバラの冷涼な気候のためか、巧みな補酸技術のなせる技か(筆者の推測)、濃くてフルボディなのにバランスが崩れていません。一口目から表現力豊かで鮮烈な美味しさを持ちながら、心地よく飲み続けられる上品さがあります。
《2016年ヴィンテージについて》
適度な降雨と理想的な温暖気候が特徴の年。完璧なバランスを誇る文句なしのグレートヴィンテージ。ピュアな果実味と美しい酸があり、万人受けする現代のクラシックなヴィンテージと言われます。
【パーカーポイント92点】
[ワインアドヴォケイト 2015年8月]
白ワインと同様、2013年産のピノ・ノワール「園」も、軽やかでアルコール度数の低いワインではなく、スミレ、ビングチェリー、フランボワーズ、ペッパーのようなスパイス、お香、ドライフラワーの香りが力強く広がります。これらが、豊かで層の厚い、滑らかな口当たりを持ち、角が一切なく、非常に長く、陶酔的で贅沢な余韻を残すフルボディのピノ・ノワールへとつながっています。アルコール度数は16%ながら、バランスは完璧で、口当たりは軽やかでクリーンなまま、飲む喜びに満ちたワインです。
[Jeb Dunnuckによる試飲 飲み頃予想2015 - 2020年]
Ch. Igai Takaha Sono Pinot Noir