ベルンハルト フーバー 醸造所

1987年の設立からわずか20年でスターダムを駆け上がったフーバー。
その始まりは13世紀に書かれた1冊の古文書との出会いでした。

フーバー醸造所のあるマルターディンゲン村。
フランスから布教に来たシトー派の修道士が、この地にピノ・ノワールを持ち込んだとの記載があったのです。
彼らは700年も前から、この地が故郷ブルゴ ーニュの風土と酷似していることを見抜いていたのです。
マルターディンガーは、ピノ・ノワール（ドイツ名：シュペートブルグンダー）の約束された土地だったのです。

1987年、ベルンハルト氏は所属していた協同組合を脱退し、独立します。
1990年にはいきなり「VINUM」誌にて最優秀赤ワイン賞を受賞。
2002年は「ニューズウィーク」誌で紹介。
2008年はゴーミヨ誌にて最優秀醸造家賞を1受賞。

同時にゴーミヨ評価は、バーデン地方で唯一の5つ房（最上位）に昇格しました。

2013年にはゴーミヨ誌にて2010年のヴィルデンシュタインが 「最優秀赤ワイン」 「10年後に飲んで美味しい赤ワイン」 「コストパフォーマンスに優れた赤ワイン」 前代未聞の3冠を達成しました。

約70秒のフーバー紹介動画

若き当主　ユリアン・フーバー

2014年にベルンハルト・フーバー氏が亡くなってからは、息子のユリアン・フーバー氏が陣頭指揮をとっています。
1990年生まれ、まだ30歳になったばかりの好青年です！

父の志を受け継ぎ、ピノ・ノワールとシャルドネといったブルゴーニュ品種へ一層注力。
リースリングやミュラートゥルガウ、オーセロワといったドイツ品種は減らす・取りやめて、ピノ・ノワールとシャルドネで土地の味を表現することに取り組んでいます。

ヴァイサーブルグンダー（ピノ・ブラン）も通常のラインナップからは消滅。それでもこのバリッククラブ用の区画のみは「昔からフーバーを飲んでくれている、日本のみなさんのために」と作り続けています。

ビーネンベルクの畑

フーバー醸造所の近くに広がるマルターディンガー・ビーネンベルクの畑

15haの畑を所有しているうち10ha余りが特級区画。
畑の名前の由来は「蜂の丘」であり、日当たりが良くいろいろな花が咲くので、養蜂が盛んだったことから。
他の畑に比べて樹齢が高い樹が多いのが特徴です。

近年、フーバー醸造所はピノ・ノワールとシャルドネへの注力をすすめていて、ヴァイサーブルグンダーの樹はもうほとんどが植え替えられてしまいました。しかし「昔からの付き合いだから」と、この企画のための区画だけは残してくれているのです。

ヴァイサーブルグンダー［H］

ビーネンベルクの畑の樹齢の高いヴァイサーブルグンダーを、この企画のためだけに確保してくれています。

「ヴァイサーブルグンダー」（ピノ・ブラン）と聞いて、「あ～美味しいよね」という方は少数派でしょう。イマイチ味わいがピンと来ないブドウ品種でしょう。
イメージとしては「骨太にはならないシャルドネ」。比べるとより花の香りが華やかで、ブドウの育て方や醸造法を素直にワインに反映されます。カリフォルニアのシャルドネのようにどしっとしたタイプはつくられません。でもオーク樽を使わず作れば柑橘やリンゴの風味をもつスッキリタイプに、オーク樽で熟しすれば骨格のしっかりとした熟成もできるタイプに仕上がるのは、シャルドネそっくり。
シャルドネの生産に注力するため、近年ユリアンはヴァイサー・ブルグンダーなどのほかの品種をほとんどシャルドネとピノノワールに植え替えてしまいました。バリック・クラブの区画は、本当に日本のためだけに残してくれている畑なのです。

1本あたり5,000円を超え、なかなかの高級ワインとなってしまいました。しかし値段に伴って品質も上がっています。このワイン用の区画のブドウは樹齢40年を超える立派な古木。風味の凝縮感やち密さが完全に高級ワインのそれです。

白い花やシトラスの上品な香りにオーク樽のニュアンスが絶妙に絡む、カチッとした味わい。その味わいがどんどんほぐれて表現力豊かなものになっていきます。

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