《ブルゴーニュ・ルージュの相場観》
ブルゴーニュワインの値段は高止まりしています。
背景にあるのは円安と需要の高まり、それから2021年の大凶作。凶作の影響は一時的なもので、2022年、2023年は豊作だったため、出し値は少し下落の傾向が見られます。しかし円安が相変わらずなので、日本での流通価格は下がりません。2024年も凶作なので、今後もなかなか値下がりしないでしょう。
ブルゴーニュワインのスタンダードである「ブルゴーニュ・ブラン」「ブルゴーニュ・ルージュ」は、それほど高級感のない生産者ですら5000円近くが多くなりました。人気生産者だと7、8000円です。3000円前後で入手できるのは、コート・シャロネーズやマコンのブドウをつかったものがほとんど。
そのなかでマシャール・ド・グラモンの本拠地はニュイ・サン・ジョルジュ近郊。所有畑はマルサネからピュリニー・モンラッシェでコート・ドールのブドウのみ。それで3000円台半ばという価格は、お買い得感が非常に高いのではないでしょうか。
《生産者について》
1960年代まで存在していた「デュフルール」というネゴシアンが前身で、現在はアルノー・マシャール・ド・グラモン氏を当主とした家族経営です。
多くのアペラシオンを手掛けており、畑の所有面積は22ha。ロバート・パーカー氏が「ブルゴーニュの中で最も信頼できる作り手の一人」と絶賛するように、その醸造技術は最先端をいきます。
味筋として赤も白も果実味の凝縮度が高い傾向です。
白は割と強めに樽香を感じるスタイルで力強い味わい。赤ワインは味わいに密度がありながら、若いうちからあまり硬さは感じさせず、赤白ともに熟成をそれほど必要としません。ほかの生産者に比べてリリースが早めなので、ヴィンテージの特徴を見極める生産者として自分のものさしとするのもいいでしょう。
ただし輸入元向けにもほとんど情報を出さない生産者で、キュヴェごとの詳しい情報はあまりありません。
Bourgogne Pinot Noir Domaine de la Vierge Romaine Machard de Gramont