《フランスにおけるカリニャンは・・・》
カリニャンは南フランス、特にラングドック・ルーション地方でメジャーなブドウ。ただそのポジションは「安ワイン用」と言えるかもしれません。
カリニャンが栽培される地域には、たいていグルナッシュやシラー、ムールヴェードルも植えられています。それらより「高そうな味」はつくりにくいブドウなのです。
ジューシーな果実感がハッキリと現れる品種で、そんなに風味の複雑さはありません。酸味や渋味も穏やかで、熟成能力を持つことは稀。だから手頃なワインに使われやすい品種です。
でもそれは手ごろなワインをつくる上では全くマイナスになりません。むしろ手ごろなのにしっかりフルーツ感が詰まったワインをつくりやすい。この「レ・クルーズ」は正にそんなワインです。
《カジュアルなワインレストランで》
ボトルワインが3000円で楽しめるような、カジュアルなレストラン。そのボトルワインの小売価格はだいたいこのワインくらいです。グラスワインが赤白3種類ずつくらいの中の1本としてもバランスをとりやすい。渋味が穏やかなので、誰に出しても嫌われにくいのもいいところ。値ごろ感があってほどほどに濃いこの「レ・クルーズ」は、ソムリエとしては使いやすいワインです。
Les Crouzes Vieille Vignes Carignan