《生産者の歴史》
1841年からつづくJEAN FERY & FILSという生産者の別ブランドとしてスタート。歴史は長いものの、ずっとネゴシアンとしてワインを桶売りしていて、ドメーヌとして高品質のワインを作り始めたのは1988年から。当初はジャン・ド・カボット Jean de Cabottes というブランドでリリースしていましたが、2019年に満を持して現当主のフレデリック・フェリに改めました。
《味わいの傾向》
赤ワインの場合ブドウはすべて除梗して醸造します。ゆえに2021年のように涼しかった年でも青臭い風味にはなりにくいです。新樽比率は近年としては高めの40-60%。白ワインについてはなかなか樽リッチなスタイルで、赤ワインはしっかり滑らかな口当たりです。
赤ワインについてはあまり強く抽出しない『薄旨』タイプ。色合い淡くタンニンも穏やかなのに、香りはしっかりと広がり余韻も長く続きます。特に2017VTはその特徴が良く表れていました。2018-2020VTまで暑い年が続いて、薄旨感は控えめでしたが、2021VTは期待できます!熟成を必要としないタイプなので、さっさと開けてしまうのがいいでしょう。
《このワインについて》
なかなか日本で見かけることのない、ヴージョ村のプルミエ・クリュ。所有しているのはわずか0.147haで、800本程度しかつくられません。平均樹齢は40年。
樽香と調和したピュアな果実の香りが広がり、上品な余韻はシャンボール・ミュジニーを思わせます。
Vougeot 1er Les Cras Frederic Fery