《生産者について》
1992年にカーブドッチが新潟県で設立された当初、そこにワイナリーもブドウ農家もありませんでした。それから30年余り。カーブドッチの成功を追っていくつものワイナリーが設立され、「新潟ワインコースト」を形成するに至っています。
カーブドッチが営むのはワイナリーだけではありません。ビールや蒸留酒もつくっています。レストランや宿泊施設、結婚式場まであり、訪れて滞在して楽しめる複合型の観光ワイナリーです。
そのラインナップは次の3つのコンセプトで展開されています。
1.「セパージュ」ブドウ品種や土地の味を素直に表現したワイン
2.「どうぶつ」醸造法の特色を前に出し、イメージに向けてつくるワイン
3.「ファンピー」食用ブドウをつかったジューシーで親しみやすいワイン
《このワインについて》
どうぶつシリーズは醸造家である掛川さんが、自分好みの味に仕上げるために様々な細工をした「趣味のワイン」だといいます。
こちらはケルナーとソーヴィニヨン・ブランをつかってつくりますが、品種の個性は一切感じません。果皮浸漬の段階でピノ・ノワールの果皮を混ぜて複雑味を増し、果汁段階で酢酸のニュアンスをまとわせることで、とろっとした質感を加えています。不安定なワインのニュアンスを少し感じますが、これは意図的につくられたものです。
ツンと鼻の奥を刺激する香りとともに、しっかりフルーツの香りも広がります。口の中でじわっとやさしく広がる旨味感が魅力。そのとんがった味わいから、クジラの一種でカジキマグロのような角をもった「いっかく」という動物になぞらえました。
どうぶつシリーズは基本亜硫酸無添加でつくられているので劣化が早いです。抜栓したらその日のうちに飲み切ることをおすすめします。
Cave D'Occi Ikkaku