《生産者について》
トーマス・バルテンは知名度は決して高いとは言えません。それは彼がほとんどの作業を一人でこなしているため、マーケティングに割く時間がないからです。 彼の目指すところは「いかに効率よく、いかに合理的に、いかに高品質のワインを造るか」リースリングを中心として、様々な醸造テクニックを試しながら高品質で低価格なワインをつくっています。その中には通常リースリングには用いないマロラクティック発酵(リンゴ酸を乳酸に変えて酸味をまろやかにする)を導入するなど、型にとらわれずできうる限りのことをするという姿勢が感じられます。
《このワインについて》
ドイツ、それもモーゼルのリースリングといえばどんなイメージでしょうか?
桃などの有核果実や柑橘の風味。スッキリとした中程度の甘味があり、上品な酸味と共に消えていく。シンプルながら飲み心地のいいワイン。こんなところでしょうか。辛口リースリングも多くつくられるとはいえ、やはり甘口のイメージが強いでしょう。
そのイメージそのまんまなのが、このトーマス・バルテンの白ワインです。バランス感として他の生産者と比べるなら酸味やや控えめ。その分親しみやすい味わいで、ワインをほとんど飲んだことのない方に飲ませてあげる時にもいいでしょう。
Thomas Barthen Riesling