ワインのつくり方

微発泡ワインのおすすめ8選|楽しみ方のコツやペットナットとの違いを解説

2026年4月30日

 
初夏が近づく5月、食卓を軽やかに彩るのは「微発泡ワイン」です。素材の味を活かす穏やかな泡は、レストランやパーティーシーンより日常にこそ活躍します。選び方のポイントは甘辛度合いと泡の強さ。タイプの違いや楽しみ方のコツとともに、8本に厳選したおすすめの微発泡ワインをご紹介します。
 

微発泡ワインのおすすめ8選

 
微発泡ワインを選ぶポイントは、甘味の有無と泡の強さです。
「微発泡」の分類の通り、強いものでもスパークリングワインよりは優しいです。一方で穏やかなものは、スパークリングより白ワインに分類されるようなもの。シュワシュワの刺激が弱い代わりに、炭酸が抜けた後もバランス感があまり変わらず、それはそれで楽しめます。
 
 

にごりがワインを酸素から守る

辛口|穏やか~しっかり泡
 
日本には濁った状態の日本酒スパークリングもいろいろ流通しているので、親しみがあるのでしょう。このにごりによる旨味感が魅力の「てぐみ」は、ワイナリーを代表する人気ワイン。桃やリンゴのような甘い香りとはギャップのある、しっかり辛口な味わい。余韻にほんのり苦みが残り、食欲を引き立てます。泡の強さには結構ボトル差があるようです。
 
 

微発泡ワインのド定番

やや辛口|穏やかな泡
 
ポルトガルの「ヴィーニョ・ヴェルデ」は、毎年暑くなるにつれ売り上げがグングン上がってくるワイン。柑橘系の爽やかな風味とジューシーな果実味、キレのいい酸味とプチプチした泡感の調和が非常に心地よいワインです。手頃な価格帯でいろいろ見つかるので、全部飲みたくなっちゃう!
 
ヴィーニョ・ヴェルデについて詳しく▼
 
 

スクリューキャップで手軽なスパークリング

やや辛口|しっかり泡
 
スパークリングといっても3気圧程度なら、スクリューキャップでも栓ができるのだとか。開け閉めラクラクなこのワインは、香りや味わいもフルーティーでカジュアル。ブドウ由来の甘い香りと元気な泡感で、楽しくなるようなワインです。
 
 

晩ごはん時の名パートナー

辛口|穏やかな泡
 
美食の街であるサン・セバスチャン周辺でつくられる「チャコリ」は、幅広い料理を美味しくしてくれる使い勝手のいいワイン。スッキリ系のフレッシュな風味で、やさしい泡感がさらに爽やかさを加速させています。ほとんど白ワインに近いような穏やかな泡なので、泡が抜けてしまっても楽しみやすいのが魅力です。
 
 

後味のビターさで後味スッキリ

辛口|しっかり泡
 
Petillant(微発泡)のPetと、ネコなどのペットをかけたのでしょうか。リラックスして飲みたいカジュアルでシンプルな風味ながら、柑橘の皮のようなビターさが秀逸。まるでトニックウォーターのように後味がサッパリするので、ついもう1杯飲みたくなります。
 
 

ピュアなフルーツ感にうっとり

辛口|しっかり泡
 
微発泡ワインとしては高価な部類といえるこのワイン。それだけ良いブドウを使っているのでしょうが、その価値はピュアなフルーツ感とうっとりするような美しい酸味に感じられます。ひっかかりのないスムースな口当たりとクリーミーな泡。ワイン会のスタートや中盤のムードチェンジにもピッタリでしょう。
 
 

甘味と爽やかさのバランスが絶妙

甘口|穏やかな泡
 
手頃なワインの多い「モスカート・ダスティ」としてはやや高価なこのワイン。その分、上品な酸味と甘みの調和が素晴らしい!甘いのに後味爽やかで、普段は辛口ワインばかりの方も楽しみやすいはず。ワイン飲み始めの方もいる席へ持参する1本にいかがでしょうか。
 
 

ワイン通こそ楽しめる新感覚!

甘口|穏やかな泡
 
赤のスパークリングといえば「ランブルスコ」が有名ですが、それよりもっとフルーティーでデザートのような「ブラケット・ダックイ」。フルーツパフェを飲み物にしたような味わいは、酒飲みさんにはワインと認識できないかも?ワイン通こそ体験していただきたい、伝統の新感覚ワインです。
 
 

微発泡ワインとペットナットの違いとは

 
近年流行りをみせる「ペットナット」は、「ペティアン・ナチュレル Petillant Naturel」の略。それは微発泡ワインの分類の一つで、製法に由来する名称です。
まずは微発泡ワインの分類と違いを解説します。
 
 

微発泡ワインの定義とは

 
一般にスパークリングワインとは、20℃のときのガス圧で3気圧以上と定義されます。熟成していない若いスパークリングワインは、一般に6気圧程度です。
それより穏やかなワイン、3気圧未満のワインを「微発泡ワイン」と呼びます。各国で呼び方が異なり、次のように呼びます。
 
フランス:ペティアン Petillant
イタリア:フリッツァンテ Frizzante
ドイツ:パールワイン Perlwein
 
 

微発泡ワインと税金

ヨーロッパの中には、発泡性ワインにより高い税金がかけられていることがあります。例えばドイツの「ゼクト税」は1.02ユーロ。微発泡であるパールワインはスティルワインとして扱われ、その税を回避できるので、より安価に販売されます。

 
 

微発泡ワインの製法とは

 
スパークリングワインと同様、微発泡ワインにも何種類かの製法があります。
 
まずは発酵時の炭酸が自然と残るもの
そもそもブドウ果汁が発酵してワインになる際、二酸化炭素が発生します。なので発酵終了時のワインには、ある程度の炭酸が入っている状態。二酸化炭素が溶けていると酸化に対してより強くなるので、わずかに泡を残して瓶詰する場合もあります。
ポルトガルの「ヴィーニョ・ヴェルデ」やスペインの「チャコリ」などは、この発酵時のガスを保持する方法が伝統的なものです。こういった微発泡ワインは、ほとんど白ワインに近いような弱い泡感です。
 
サイダーのように炭酸ガスを注入する方法もあります。安物ワインに使われるイメージがあるかもしれず、実際コストは低いです。しかし、ワインの状態をなるべく変えずに微発泡にする手法としての利点もあります。
 
イタリア/ピエモンテ州で有名な「アスティ」の製法は少し独特です。発酵の途中にタンクを密閉し、ワインの中に二酸化炭素を閉じ込めます。その発酵をどこで止めるかで、微発泡の「モスカート・ダスティ」になるか、スパークリングワインの「アスティ・スプマンテ」になるかが決まります。
 
 

ペットナットの製法とは

 
ペットナットの製法は、先ほどの「アスティ」の製法を、1本1本のワインボトルで行うものです。
 
果汁の発酵中、まだ糖分が残っている段階で瓶詰めします。瓶の中で酵母が活動を続け、二酸化炭素が逃げずにワインに溶け込みます。
発酵時に増殖した酵母は、アルコールが上がり糖分が無くなると、死んで澱(おり)として沈殿します。ペットナットの多くは、この澱を除く工程を行いません。ゆえにボトルには白い濁りが沈殿しており、飲み進めるにつれて味わいを変えます
ペットナットの中には、出荷前に澱引きすることで状態を安定させた、クリアなワインもあります。明確な定義があるわけではないようです。
 

画像はAI生成のイメージです。実際にはもっと細かなものです。

  

瓶内2次発酵との違いとは

シャンパーニュに代表される瓶内2次発酵は、1次発酵が終わったワインに酵母と糖分を添加して瓶詰します。その際に糖分の量がコントロールされるので、しっかりとした泡立ちのスパークリングワインになります。
ペットナットは瓶詰前、基本的に何も加えないのが大きな違いです。

 
 

ペットナットが注目される理由とは

 
ペットナットをつくる製法を「メトド・アンセストラル Methode Ancestrale」と呼びます。さきほどご紹介したBヴィントナーズは、まさにそれをワインの名称としています。
これはシャンパーニュの製法が確立される前から、発泡性ワインをつくる方法として知られていた、非常に古い製法です。
 
これが近年注目されている点は、ハンズオフワインをつくりやすいから。二酸化炭素はワインを酸化から守ります。澱もまた還元作用があり、亜硫酸の量を減らしても酸化しにくくなります。つまりワインに何も加えず、最小限の介入で造りたいと考える生産者たちが採用しているのです。
 
 

他にはない微発泡ワインの魅力

 
微発泡ワインは単に「泡の弱いスパークリングワイン」ではありません。そこにはスパークリングワインにはない、赤ワイン・白ワインとも違った魅力があります。
 
 

食事を通して楽しむ1本として

 
辛口・半辛口の微発泡ワインは、乾杯から最後までその1本で食事を楽しみやすいワインです
 
シャンパンをはじめとしたスパークリングワインは、乾杯のイメージが強いでしょう。多くのスパークリングワインは炭酸とバランスをとるため、わずかな甘味が添加されています。そのためワイン単体でのバランス感が良く、レストランなどで料理が出てくる前の食前酒として適しているのです。さらに炭酸の刺激が胃を活性化させ、消化促進も期待できます。
ただし炭酸は満腹感も与えます。スパークリングワインでコースを通せば、途中でお腹いっぱいになり最後まで食べられないかも。
 
 
その点で微発泡ワインなら、穏やかな泡感なのでそれほど満腹感が強くありません。味わいとしては軽めなので、メインの肉料理に対しては弱いかもしれませんが、ワインの味わいが隠れてしまうだけで邪魔はしないのです。
もちろんレストランのコース料理に限らず、家庭の夕食でもOK。食事前や料理中に飲み始め、食事中から食後まで。どのタイミングで飲むのも違和感ないでしょう。
 
 

幅広い料理への万能アイテムとして

 
今回ご紹介したヴィーニョ・ヴェルデの白やチャコリなどは、幅広い料理と楽しみやすいワインです。
 
「ワインは食事にあう」と考える方は多いです。実際に食事を美味しくしてくれるワインというのもいろいろありますが、逆に絶望的な相性のワインもまた存在します。素材の生臭さが引き立つ、ワインが酸っぱく感じる、苦みが出てしまうなどのミスペアリングです。
ヴィーニョ・ヴェルデやチャコリは、「なんにでも合う」とは申しません。しかし絶望的なミスペアリングは起きにくいワインです。どちらも沿岸地区でつくられるワインのため、潮風に似た風味が魚介の風味と同調します。微発泡ワインなので味が濃すぎず、野菜料理などとも違和感はありません。
 
「今日はこの料理にしよう。ならワインは・・・」そう考えるのが面倒に感じるなら、「これでいーや」と辛口・半辛口微発泡ワインを開ければいいのです。
 
 

ワインの入口の1本として

 
私の周りのソムリエさんには何人か、「初めて美味しいと思ったワインはアスティ」という人がいます。
 
ワインはビールやチューハイなどよりアルコール度数が高いですし、酸味も強いものが多いです。赤ワインの渋味なども、飲み始めのころは苦手だったのでは?
対してマスカットの風味が豊かに香る甘口の微発泡ワイン「アスティ」は、そのジュースのような味わいで初心者も楽しみやすいワインです。
 
 
家で飲むのに特別な器具が要らないのもポイント。あの強く甘い香りは、ワイングラスでなくても楽しめます。ほとんどのアスティは、抜栓にソムリエナイフも栓抜きも要りません。
銘柄を指定しなければ、多くのワイン売り場で何かしらは置いているので、入手しやすいのもメリットです。
 
何も持っていないワイン初心者が、自分で購入して楽しみやすい。「アスティ」のような甘口微発泡ワインは、ワインのすそ野を広けてくれるかもしれません。
 
 

軽い味わいと軽いアルコール

 
微発泡ワインの多くは、スティルワインよりも少し低いアルコールでつくられます。甘口なら7%前後。辛口のものは10~12%程度でしょうか。
 
同じ量を飲んでも、赤ワイン・白ワインと比べるとアルコール摂取量が少なくなります。明日も仕事で朝が早い日、微発泡ワインの軽いアルコールなら手を伸ばしやすいでしょう。
その軽いアルコールは、軽い口当たりにもつながります。気軽に飲めるような味わいが、「今日はワインを飲むぞ!」と構えず、リラックスして楽しめる飲み心地の良さにつながっています。
 
ただしアルコール度数が低いからといって、ガブガブ大量に飲めば、身体に良いとは言えません。
 
 

ペットナットは味わいの変化に飽きない

 
ペットナットの澱引きをしないタイプ、瓶底に澱が沈んでいるものは、味わいの変化も楽しめます
 
飲み始めはクリアでさっぱりとした味わいでゴクゴク飲めてしまう。それが飲み進めるにつれて澱が舞って濁りはじめ、酵母の旨味を感じ飲みごたえが出てくる。1本の中でそんな変化を楽しめるので、1人で飲んでいても飽きにくいのです。
1本の中で異なる風味を楽しめる。いろいろなワインを飲み比べるのが楽しい方にとって魅力的です。
 
今回ご紹介した「てぐみ」や「Bヴィントナーズ」は、澱が沈んでいて味わいを変えていくタイプです。
 
 

微発泡ワイン 楽しみ方のコツ

 
微発泡ワインには、その他のワインと少し違う楽しみ方のコツがあります。「どうやったらより美味しい」というより、「こういう時には開けるべき/違うワインがいい」というシチュエーション選択です。
 
 

開けたら飲み切るのは早めに

 
微発泡ワインを最も美味しく楽しむなら、開けたその日に飲み切るのがおすすめです
もちろん世の中には様々な微発泡ワインがありますから、私の知らない翌日以降に美味しくなっていくものもあるかもしれません。しかしその多く、特に手頃なものは、開けたその時がベストです。
 
というのも炭酸が抜けやすいからです。微発泡ワインは一般に、多くのスパークリングワインより短期間でつくられます。ゆっくり泡が溶け込んでいないので、抜栓後は早く抜けていきます。特に甘味と炭酸でバランスを取っているタイプ。今回のヴィーニョ・ヴェルデやモスカート・ダスティ、「キングラビット」のようなワインは、炭酸が抜けると甘味が目立ってバランスが崩れるでしょう。 
「夫婦で飲むから、1日に1本空いてしまう」という方なら全く問題ないでしょう。しかし一人暮らしの方は、たっぷり飲める日を選んで開けた方がいいでしょう。「少量ずつ、数日に分けて飲みたい」という方は、白ワイン・赤ワインを選択した方がいいかもしれません。
 
 

基本は小さなグラスでよく冷やして

 
甘みを残して仕上げられることから、微発泡ワインはよく冷やして飲んだ方が美味しいことが多いです。ちょっと面倒ですが、暖かい季節は抜栓後も冷蔵庫保管し、飲む分だけグラスに注ぐのがいいでしょう。温度が上がって香りが開く効果より、スッキリ感が減る方が強いと予想します。
ワイングラスは小ぶりなものが基本です。ただ、フルートグラスに限らなくていいでしょう。小さ目の白ワイングラスの方が、よりいろいろな風味を楽しめるはずです。
 
 
ヴィーニョ・ヴェルデやアスティなど、甘味と酸味と炭酸のバランス感に魅力のあるものは、ワイングラスがないシチュエーションでも活躍します。アウトドアなどワイングラスを用意しにくいシーンで、プラカップで飲んでもあまり魅力が減らないのです。そういうハンデのある状況なら、高価な赤ワインなどより美味しく感じるかもしれませんね。
 
 

微発泡ワインは早く飲むべき?

 
微発泡ワインは一般に早く消費すべきです。1か月2か月で変わるものではありませんが、何年も熟成させて美味しくなるタイプではありません。ほとんどの微発泡ワインは購入時が美味しさのピークと考え、もったいぶらずに飲むべきです。特に澱の沈んだペットナットは早めがいいです。
 
澱は酵母の死骸ですが、全く活動をしないとは限りません。わずかに残った糖分により、出荷後も少し発酵が進むことがあります。なので澱が沈んだタイプのペットナットは、状態が変化しやすいです。
同じワインを複数本購入。半年後に飲めば味のバランスが変わっていることもあります。それが好ましい変化の可能性もありますが、だいたいは出荷直後のバランスがベスト。私の経験上は、ペットナットは早めに消費すべきワインです。
 
それに比べたら、澱のない微発泡ワインの方がボトル差が少なく、状態も安定しています。ただ、その風味の魅力はフレッシュ感にある場合が多いので、やはり熟成させず早めに消費するに越したことはありません。
 
 

暑くなっていく季節はペティアンで乾杯!

 
5月、6月はどんどん暑くなってくる季節。しかし夏本番の厳しい暑さほどではありません。微発泡ワインのやさしい泡感は、暑いけれども暑すぎない、こんな季節がベストではないでしょうか?
微発泡ワインには手頃な価格のものが多いです。しかもその味わいも気軽に飲みやすい、カジュアルなものが大半。それでいて開けたての元気なシュワシュワ感から、じわっと旨味を感じる後半のプチプチ感まで、ワイン1本を通していろいろな表情を見せてくれます。
 
仕事で疲れたからお酒で気分をリセットしたい平日。明るいうちからワインだけで飲みたくなっちゃう休日.特別な日ではないごく普通の自宅飲みに、微発泡ワインは活躍するはずです。
 
 





※投稿に記載しているワインのヴィンテージ・価格は執筆時のものです。現在販売しているものと異なる場合があります。
購入の際は必ず商品ページにてご確認ください。




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