《生産者について》
ロングリッジは南アフリカ、ステレンボッシュの中でも比較的海に近い平野部にあるワイナリー。
ここのコンセプトは「余計なものをなにも加えないワインづくり」です。ブドウの栽培はビオディナミを実践。さらに馬やヒツジを飼い、野菜を育て、ブドウ畑を含むその環境全体が健康であること。それが200年後でも継続していることです。
《醸造家について》
ロングリッジのラインナップは3つのブランドに分かれており、このキュベ・リカは醸造家であるヤスパー(ジャスパー)・ラーツ氏の名を冠したものです。
彼は南アフリカで最も注目されている醸造家の一人。フランス、ロワールの名門アンリ・ブルジョワがニュージーランドに進出した際、「クロ・アンリ」としてワイナリーを軌道に乗せることに大きく貢献したのが、ブドウ栽培家兼ワインメーカーとして働いたヤスパーなのです。
《価格間違いから始まった!?》
このワインを初めて日本に輸入する際、ロングリッジ側が間違えて安く販売してしまったそうです。一つ上のグレード、5000円以上で販売されるクラスだからこその蝋キャップなのです。
本来なら次のロットから通常価格に戻るところ、「この値段でお客様にたくさん案内しちゃったから」と価格交渉。たくさん仕入れることでこの値ごろ感が実現しました。
世界的な流れで以前よりじわじわ値上がりしてはいますが、それでも安くて美味いピノ・ノワールの一つとして名前が挙がります。
《このワインについて》
「リカ」というのは南アフリカで女性の名前としてポピュラーなもので、ヤスパー氏の母の名前でもあるといいます。
元々は冷涼なエルギン地区にある借りた畑のブドウを使っていましたが、2020年ヴィンテージからステレンボッシュにあるワイナリーに隣接した自社畑に。以前のものよりアルコール度数が上がり、力強い印象に変わりました。
《テイスティングノート》
凝縮感のある赤系ベリーやストロベリー、スパイスなどのアロマ。果実味に力強さがありますが、上品で豊かな酸味もしっかりと蓄えており、メリハリのある味わいです。
Jasper Raats Cuvee Rika Pinot Noir Longridge