《生産者について》
1853年に設立されたカレスキー。南オーストラリア州きっての銘醸地であるバロッサ・ヴァレー、グリーノックに位置します。
それから約170年間、一貫して無農薬・無肥料でブドウを栽培してきました。「有機栽培」という概念がない時代からです。オーストラリアを代表するプレミアムワインで、ペンフォールズがつくる「グランジ」にブドウ提供してきた栽培家の一つでもあります。
シュナン・ブランやカベルネ・ソーヴィニヨンなど多様な品種を栽培していますが、特に評価が高く樹齢の高い畑を持っているのは、シラーズやグルナッシュなどのローヌ品種です。
カレスキーのワインは、単なる「濃厚」という言葉ではあらわせない、ブドウのパワーのようなものを感じます。
《このワインについて》
人気の低さの割に飲めば値段の割に美味しい。そう言えるのがオーストラリアのGSMブレンドです。「グルナッシュ」「シラー」「マタロ(ムールヴェードル)」の頭文字をとったもの。フランスのローヌ地方の銘醸ワイン「シャトーヌフ・デュ・パプ」の基本となるブレンドであり、決して珍しいものではありません。
ブドウ品種名が表記されていたほうがワインの味を想像しやすい。特に飲んだことのないワインについて、品種名表記のほうが安心して買えるという心理もわかります。でもこれはブレンドが味で劣るということは意味しません。むしろ3品種をワインメーカーが『一番美味しいと思える比率で』年毎に混ぜるのですから、作り手の腕が良ければ単一品種を超えることも珍しくありません。
《テイスティングノート》
プラムなどの凝縮したベリーの香りにバラのような華やかさ。キャンディのようなまったりとした甘い香りはグルナッシュからでしょうか。バロッサ・ヴァレーのワインとしてはずしっと重たい感じは控えめ。人によってはミディアムボディに感じるでしょう。しなやかなタンニンは味わいの骨格を形成しており、カレスキーとしてはスタンダードクラスなのに余韻の長さは驚くほどです。
Kalleske Clarry’s GSM