《生産者について》
ヘーグルはオーストリアの銘醸地として名高いヴァッハウに居を構える生産者。当主のヨゼフ・ヘーグルさんは、ヴァッハウの他の有名生産者のもとでワインづくりを学んだあとで、実家にもどって畑を引き継ぎました。
ヴァッハウはオーストリアのワイン生産地としては最も西に位置します。この辺りは東のハンガリー方面から暖かい空気が入ってくる影響で、東の地区ほど肉厚で力強いワインを生み、西へいくほど冷涼でエレガントな酸味を備えます。ヘーグルの醸造所があるのままさにその西の端であり、ヴァッハウの中でも非常にドイツ寄りなワインをつくる生産者です。
《このワインについて》
ヘーグルの所有する畑は「ブリュック」と「シューン」。シューンは「美しい」という名の通り、これぞヴァッハウと感じるような段々畑が整然と広がります。 ここは岩の風化が進んである程度保水性があるため、渇水に弱いグリューナーヴェルトリーナーも栽培できます。
このワインはヴァッハウ独自の格付け3段階で最上位にあたる「スマラクト」。言葉の語源は「エメラルド色のトカゲ」で、スマラクトがつくられる日当たりのよい畑に現れるトカゲから名づけられました。果汁の最低糖度と最低アルコール度数が決まっている辛口ワインで、「豊かな果実味と酸味が調和した、スケール感のある上質ワイン」という定義があります。
《テイスティングノート》
「スマラクト」の名に恥じないスケール感のある味わい。
アルコール14%を超えるボリューム豊かなスマラクトが多い中で、ヴァッハウの中でも冷涼地に位置するヘーグルは細身で上品なワインをつくります。
柑橘の皮や濡れた石、エルダーフラワーなどの香りを感じ、ドライで美しい酸味が全体に緊張感を与えています。余韻は程よく長く続き、密のような甘い風味もかすかに表れます。
銘柄を知らずに飲んでも、「これ、高いワインだ!」とハッキリわかる鮮烈なおいしさを持つワインです。
Hoegl Schoen Gruner Veltliner Smaragd