《Piwi品種とは》
Piwi(ピーヴィー)品種とは、ドイツ語のPilzwiderstandsfahigen Rebsortenの略称で、意味は「カビ耐性品種」。ブドウの病気としてメジャーなうどん粉病やベト病などのカビに強い品種のことで、ヨーロッパ系品種にアメリカやアジアのブドウを掛け合わせて、より丈夫な品種を開発しているのです。
その目的は何よりも環境保護。安定したブドウ栽培に必要な薬剤を大幅に(最大で8割だそうです)減らすことができます。それは土壌に影響を及ぼすことなく畑を自然な状態に保てることを意味します。
現在の畑でこの先100年200年とブドウ栽培を続けていくために。そのための取り組みの一つがPiwi品種の導入なのです。
この「ソーヴィニャー・グリ」もPiwi品種のひとつ。カベルネ・ソーヴィニヨンとブロナーの交配で生まれた白ブドウです。
花のようななんとも言えない香りに不思議なスパイス感のある辛口ワインです。
このほかに、ソラリス、ヨハニター、ムスカリス、レゲントなどがたまに見かけます。
《ドイツのオーガニック最先端 ラインヘッセン》
ラインヘッセンは「安ワインの産地」というイメージがあるかもしれません。ドイツで最大面積のワイン産地でありながら、ラインガウやモーゼルに匹敵するリースリングも、バーデンに匹敵するシュペートブルグンダーもつくれない。「リープフラウミルヒ」に代表される薄甘口のワインを大量生産するところ。そんなイメージを持たれても仕方がない歴史があります。
しかし近年の動きは違います。若手生産者を中心に、ビオディナミなどのオーガニック農法を導入して、既存の概念にとらわれないワインづくりをする生産者も現れ始めています。ラインヘッセンは「千の丘」という名前の由来のとおり、起伏はあれど急斜面は少ない地形。農業の機械化がやりやすく、農作業の増えるオーガニック農法を実践しやすいのです。
この先、ラインヘッセンでつくられるPiwi品種のワインが、ドイツワインの未来を変えていくかもしれません。
Auftakt Souvignier Gris