タナという品種がまったくわからない、型破りな赤ワインです。
珍しいもの好きだけでなく、実は赤ワインになじみがない方にもおすすめできます。
同じ生産者の普通の製法のタナと比べることで、このワインの個性が引き立つことでしょう。
《生産者について》
ドメーヌ・ラウゲをいま形成しているのは、1991年生まれの若き醸造家シルヴァン・ダバディ氏。数世代にわたってブドウ栽培を行ってきましたが、彼の父の代になってワインづくりを始めました。2013年にシルヴァンがワイナリーを引き継ぐと、畑の管理方法を改革しオーガニックへの転換を開始。政府が認める環境価値重視認証も取得しており、果実味豊かで現代的なスタイルを追求しています。
30haの畑は、21haが黒ブドウのタナとカベルネ・フラン、9haが白ブドウのプティ・マンサンとグロ・マンサン、プティ・クルビュが植えられています。
《このワインについて》
タナという品種は「タンニン」が語源のブドウで、それほど豊富にポリフェノールを含み渋味がとても強いのが特徴です。しかしその特徴は全く感じません。
これはマセラシオン・カルボニックという醸造方法の効果です。ブドウをそのままで密閉容器に入れることで、酸素がなくなるとブドウの果皮で細胞内発酵がはじまります。これが少しアルコールを生み、果皮の細胞壁が壊されて果汁が出始め、通常の発酵が始まります。
ドメーヌ・ラウゲでは48時間後のまだ発酵途中の段階でプレスしてしまうため、アルコールに溶け出しやすいタンニンがあまり抽出されないのです。これがタナを使いながら渋味が少ない理由です。
この製法により色合いはある程度濃く、フルーツの香りはいろいろ感じるのに、軽い口当たりで渋味の少ないワインが出来上がります。ボジョレー・ヌーヴォーにも使用される製法です。
ワインの名前にはシルヴァンの遊び心が表れていて、「Ta Nature(あなたの自然)」を略して「Ta Nat’s」という品種名と同じ発音の言葉にしているのです。
Vin de France Ta nat's Domaine Laougue