《クリストムについて》
オレゴン産のピノ・ノワールをけん引するクリストム・ヴィンヤーズ。1992年にポール・ゲリーらによって創設されました。
クリストムの魅力であり特徴は、特別なテロワールと醸造家スティーブ・ドナーです。
《クリストムのテロワール》
オレゴンの銘醸地ウィラメット・ヴァレー。その中にあるエオラ・アミティ・ヒルズの東側にクリストムの畑はあります。東側斜面にあるクリストムの畑は、空気は循環するものの冷たい風の影響を受けすぎず、ブドウがしっかり熟す傾向にあります。
畑は火山性の玄武岩土壌で鉄分を多く含むため赤味がかっており、区画によって違う表土の厚さがワインに個性をもたらしています。それを最大限表現するため、上級クラスはブルゴーニュのように単一畑からつくられます。
《スティーブ・ドナー》
創業当時からクリストムのワインメーカーをつとめるスティーブ・ドナーは、以前はカリフォルニアのカレラでジョシュ・ジェンセン氏のもとワインをつくっていました。「ワインは畑から作られる」のモットーのもと、自然酵母を用い、高い比率で全房発酵を行うなど、カレラで培った手法を踏襲しています。
《マージョリー・ヴィンヤード》
創業者ポール・ゲリーの母の名前をとって「マージョリー」と名付けられた、3.4haの自社畑。植樹密度が約1500本/haと他の畑より低く、樹にストレスがかからないため凝縮感は低めです。購入時点で1982年に植樹されたブドウがあったため、樹齢40年を超す樹も少しあるのですが、一度フィロキセラが広まって収穫量が激減し、樹を植え替えている途中です。そのため最も生産量が少なく、また安定しません。その希少性もあいまって、クリストムのファーストレディーの呼び声が高いトップキュベです。ただ希少なだけでなく、芯の強さと複雑さを備えています。
Cristom Pinot Noir Marjorie Vineyard