《GSMを飲む理由》
GSMとはグルナッシュ、シラー、ムールヴェードルの頭文字をとったもので、ローヌ系3品種のブレンドワイン。ローヌ産のものは「コート・デュ・ローヌ」などの名称で販売されますが、そのスタイルを継承したものであることを表しており、オーストラリアでもこの名称が使われます。
その特徴は豊かで滑らかな果実味。同じ価格で比較した場合、カベルネ・ソーヴィニヨンに比べて果実味の凝縮感と味わいの厚みに優れることが多く、酸味と渋味は少し穏やかです。スパイス系の風味をより強く感じる傾向です。
手頃に濃いワインを探しているけど、渋味は苦手。そんな方にとてはカベルネよりも満足できるお気に入りが見つかるかもしれません。
《テイスティングノート》
アメリカンチェリーやサクランボのようなフルーツ感に、スミレやコショウのニュアンス。少し土っぽさも感じます。しっかりと熟した果実味が口いっぱいに広がり、渋味はあまり目立ちません。まったりと滑らかな余韻です。
《生産者について》
1970年代にドイツ系スイス移民のニッキーとガビー・ハーン夫妻が設立したワイナリー。その本拠地はモントレー・カウンティのサンタ・ルシア・ハイランズであり、その地が政府認定のワイン生産地域として認められるよう働きかけた生産者です。
カベルネ・ソーヴィニヨンは当初からつくっていましたが、沿岸を流れる寒流の影響からカリフォルニアの中でも冷涼な地域であることもあり、ピノ・ノワールとシャルドネに注力していきました。
現在、合計444haの自社畑を所有している大規模なワイナリーへと急成長。高いコストパフォーマンスが魅力です。
《ハーンの味筋》
一口飲んであっと驚き感動するような味・・・・では決してありません。生産地域とブドウ品種、それから価格をあわせたときに期待する味わい。その味わいのタイプは期待通りで、満足度は期待通りかほんのちょっと上。決して奇をてらわない、安心できる味わいがハーンの特徴です。きっとワインマニアな人には物足りないでしょう。
だからこそ一般の消費者に飽きずに飲んでもらえる。だからこそ急成長できた。言ってしまえば「普通」な味わいこそが、ハーンの強みなのでしょう。
Hahn GSM Central Coast