《テイスティングノート》
香りからハッキリと感じる「古酒」。飲み頃の終わり際、人によっては劣化と感じるほどの「枯れ感」があります。
ドライフラワーにしたバラや枯れ葉、紅茶のようなアロマ。果実味はほとんど感じず、上品で少し酸の目立つ味わい。しかしブドウの質は高かったのだろとうかがえる、滑らかな口当たりと余韻の長さがあります。
古酒好きの方でないと、ワインだけで飲み続けるのはすこし疲れてしまうでしょう。しかし、だからこそできるフードペアリングがあります。
たとえばお蕎麦。つけそばやかけそばの出汁の旨味に、熟成して果実味が減退したピノ・ノワールの旨味感が同調します。若くてフルーティーさが強いとぶつかるのです。お吸い物やお浸しなどにもいいでしょう。
そしてスクリューキャップの熟成というのがポイントです。輸入元さんいわく、あまりボトル差はなく枯れているとのこと。コルクの熟成ピノはいくらでもありますが、ボトル差は避けられません。
ソムリエやワイン通のみなさま、なにを合わせますか?腕の見せ所です。
《生産者について》
ブラック・エステートがあるのはニュージーランドのノース・カンタベリー内ワイパラ・ヴァレー。マールボロから南に100kmほどいった海側にあります。1994年に前オーナーであるラッセル・ブラック氏が植樹を開始。それをロッド・ナッシュ氏とその家族が2007年に買い取りました。娘婿のニコラス・ブラウン氏がワインメーカーを務めています。
現在は畑を買い足して、合計24haの自社畑を持ちます。
この地域の年間降水量は600mmと少な目。灌漑(かんがい)が必要かどうかのきわどい量ではありますが、石灰質の土壌ゆえに無灌漑での栽培が可能です。石灰質の母岩はスポンジのような役割を果たし、雨が降れば素早く水がはけるのですが、水分をしっかり保持することで乾燥にも強いのです。
その乾燥した気候ゆえ有機栽培に適しており、2017年にはすべての畑がBio Groというニュージーランドの有機認証をとりました。現在はデメター認証を取得中だといいます。
冷涼な気候に適したピノ・ノワールやシャルドネをはじめ、リースリングやカベルネ・フラン、シュナン・ブランなど多様な品種を栽培しています。ワインになるべく余計なものを加えたくないとの考えから、添加物を使わず、熟成に使うオークも古樽のみ。畑の酵母を培養してスターターとすることで、添加酵母を使わずに安定した醸造を行っています。
Black Estate Pinot Noir