《エルデナー・トレプヒェンについて》
エルデナー・トレプヒェンはベルンカステルにあるほぼ南を向いた急斜面の畑。その斜度は70%にもなるといいます。トレプヒェンという畑名の由来は、あまりの急斜面ゆえに丘の斜面に石の階段がつくられたことから。
青色粘板岩、灰色粘板岩も見られますが、ドクター・ローゼンが所有する区画に見られるのは赤色粘板岩。そこから作られるリースリングは、筋肉質なボディ感を持ち、風味豊かで鉄分に由来する独特のミネラル感を持つといいます。
《このワインについて》
桃やアプリコットの熟した風味を持ちながら、軽快なアルコール度数のやや甘口リースリング。一例として2021VTは、涼しかった年であることもあってアルコール度数は8.4%にとどまりました。40.7g/Lの残糖も高い酸味に支えられて控えめに感じます。
「甘口だから初心者向け」ということは決してなく、むしろ土壌に由来するワインの違いに関心を持ち始めた方が深く満足するワインと言えるでしょう。
《生産者について》
ドクター・ローゼンはドイツ、モーゼル地方で代々続く生産者。ドイツ国内ではファルツにヴィラ・ヴォルフを所有しているほか、ワシントン州では「エロイカ」というワイナリープロジェクトに携わるなど、リースリングのコンサルタントとして世界中で活躍。人は当主エルンスト・ローゼン氏を「リースリングの魔術師」と呼びます。
Erdener Treppchen Riesling Kabinett Dr. Loosen