《生産者について》
日本ワインはその栽培効率の悪さゆえに、輸送費が低くとも輸入ワインに対して決して割安感はありません。特に新設のワイナリーは設立費用の返済があるので、ワインが割高となるのは致し方ありません。
そのうえで「安くて美味しい日本ワインを」と考えるなら、歴史の長い生産者を選ぶべきです。その一つがこの「タケダワイナリー」。前身の「武田食品工場」がスタートしたのは1920年というのですから、100年以上の歴史をもっています。
当時は「金星ブドー酒」を名乗って青果物商と兼業していました。現社長の父である重信は、あるときボルドー1級シャトーである「シャトー・マルゴー」を飲んで感銘を受けます。それを目指してカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローを植えるものの、当時は失敗続き。そんな折に1974年に武田食品工場が全焼してしまいます。そこであきらめるのではなく、むしろワインを専業にする方に舵を切ります。ボルドーの土壌を研究して自社畑の土壌改良に着手。念願の「シャトー・タケダ」をリリースしたのが1990年のことでした。
15haの自社畑からつくる「ドメイヌ・タケダ」シリーズは、ものによっては1万円を超える高級ライン。一方で山形県の購入ブドウを使う「タケダワイナリー」シリーズは、非常にリーズナブルな価格が魅力です。
《このワインについて》
山形県が日本最大の産地である「デラウェア」と、黒ブドウであるマスカット・ベーリーAをつかったベーシックな位置づけの白ワイン。当店には取り扱いがありませんが、ハーフボトルや1小瓶も用意されるほど注力しているワインです。
デラウェアの甘く華やかな香りにとボディ感。そこにマスカット・ベーリーAがアクセントを添えています。「その年の山形を表す一番おいしいワイン」を目指しているそうです。
Takeda Winery Blanc