《ドメーヌについて》
ドメーヌ・ユエの設立は1928年。ヴィクトール・ユエとその息子ガストンによって30haのシュナン・ブランの畑が拓かれました。
現在の醸造長ジャン・ポール・ベルトメ氏は、この地にてワインをつくって35年以上。シュナン・ブランを知り尽くしていると言えます。
《畑について》
「ル・モン」「ル・オー・リュー」「ル・クロ・ド・ブール」
3つの畑は全て大まかに分類するなら粘土石灰質ですが、それぞれ細かな組成が異なります。
そしてその土壌の違いがしっかりとユエのワインに表れている。
この地で先駆けて導入したビオディナミ栽培が関係しているのでしょう。
ル・モンは1957年に取得した畑。土壌は粘土質が少なく、小石やシリカの含有量が「ル・オー・リュー」よりも多いのが特徴。ミネラル感に富み、若い内は閉じ気味だが熟成してから一気に変化すると言われています。
《ブドウがワインを決める》
辛口から甘口までつくるユエですが、作りたいワインによって醸造法を変えている訳ではないといいます。
その年のブドウの熟度により、果汁糖度が150~400g/Lとばらつきがある。それを自然酵母のみで醸造するから、途中で発酵が止まることもあり、甘口になるのだというのです。
彼のワインには、ブドウが収穫されるまでの1年が詰まっていると言えるでしょう。
《このワインについて》
冷涼ゆえかモワルーの入荷がほぼなかった2021年のあと、温暖だった2022年らしさを表現した甘口が入ってきました。
ワインアドヴォケイトは2022年をまだレビューしていませんが、96点(2020VT)、95点(2018VT)、94点(2017VT)と非常に高い評価が続いています。
今飲むワインとしても、数十年後に飲むワインとしても卓越した美しさを感じさせてくれるでしょう。
Vouvray Le Mont Moelleux Domaine Huet