《生産者について》
「そのうちドイツの頂点に立つ生産者になるよ」
そう語るのは、ピノ・ノワールにおいてはもう頂点といっても言い過ぎではない、ベルンハルトー・フーバー醸造所のユリアン・フーバー氏。彼がそれほどまでに絶賛するのが「リングス」です。
リングスがあるのはファルツの北部。銘醸地のエリアです。主力品種はリースリングとピノ・ノワール。リースリングはとかくラインガウやモーゼルと比べられがちですが、土壌が粘板岩ではなく石灰岩であるためキャラクターが大きく違います。よりシャープに引き締まったスタイルで、チョークのようなミネラル感をしっかりと感じるスタイルです。
一つ注意すべきは、VDP(ドイツ高級ワイン生産者連盟)加盟ワイナリーの常として、若いヴィンテージのワインは硬いです。このスタンダードのリースリングですら10年以上は余裕で熟成しそうですが、その分現時点では本領を発揮しない。酸の強さとミネラルが突出している、飲む人を選ぶワインです。
《このワインについて》
リングスが所有する3つの畑からつくられる、「リングスはまずこの1本から」という位置づけのリースリング。
熟したリンゴや柑橘、濡れた石のようなアロマ。口当たりは「ライトボディ」と表現していいほど軽やかでスマート。しかし「薄さ」とは全く違い、しっかり舌を酸とミネラルが刺激します。しっかりと長く続く余韻が、このワインのポテンシャルを物語ります。
まずはこのワインの熟成ポテンシャル。数年の熟成で酸の角がとれ、より味わい深くなるはずです。
そして日本での展開。2023年の末に輸入され始めたばかりのワイナリーです。これから取り扱いワインも増えて、いろいろなボトルが楽しめるようになるはずです。
最後に生産者の評価。ユリアン氏が話すようにドイツの頂点へと駆け上がっていくのでしょうか。
3つの意味で未来に期待したいワインです。
Weingut Rings Riesling