《生産者について》
F.X.ピヒラーはヴァッハウのみならずオーストリアでNo.1といってもいい評価を受ける生産者。1928年に3haからスタートした畑は、いまや20haまで拡大しています。この地らしいテラス状の急斜面の畑で、グリューナー・フェルトリーナー、リースリング、それから少量のソーヴィニヨン・ブランを栽培しています。
ワインの味わいの傾向としては、ふくよかでボリューミーで力強いといったもの。同地域で同じく評価の高いプラーガーと比べると、硬さや厳しさはあまりなくて、早くに開くのが特徴です。一時期はアルコール度数が高く酸味がひくくなりすぎる傾向にあったそうですが、今はしっかり修正してきていて、ふくよかな味わいでありながら上品な酸味が支えています。
ヴァッハウ独自のアルコール度数による格付けに反対し、協会を脱退してしまいました。「フェーダーシュピール」や「スマラクト」などの表記がないのはそのためです。
《このワインについて》
クロスターサッツの畑はバイエルンとザルツブルクの修道院によって拓かれた、ヴァッハウでもトップクラスに古いブドウ畑です。FXピヒラーの醸造所のすぐ北側の平野部にあります。
ドナウ川の雄大なカーブが形作ったもので、表土は深く細かい砂粒子の土壌。下層は砂利質です。
フレッシュなフルーツのアロマと、シュール・リーに由来するだろう酵母の香りがクリアに広がります。直線的で力強く、ピュアな酸味。熟成ポテンシャルを感じさせます。
Loibner Ried Klostersatz Riesling F.X.Pichler