《「バガ」というブドウについて》
バガは主にポルトガルとスペインで栽培される黒ブドウです。果皮が厚く、酸味が高く、晩熟という力強いワインになる条件がそろった品種で、栽培が難しく生産者の腕が問われます。タンニンの質が高まるまで熟すには、長い日照時間が必要で、温暖なバイラーダ地方はその条件を十分に満たします。ゆえに若いうちは渋く近寄りがたいワインが多いのですが、それが熟成すると驚くほど表情を変えるのです。
《生産者について》
生産者のアデガ・コーペラティヴァ・デ・カンタンニェデは非常に大規模な協同組合。バイラーダ地区の生産量の40%を担っているといいます。
ポルトガルのベストワイン協同組合に3回選出されている、ポルトガルを代表するワイナリーの一つです。
《テイスティングノート》
ブラックベリーなどの黒系ベリーにキノコのアロマ。旨味を思わせる香りもあり、2000円ちょっとのワインとは思えない深みを感じます。濃厚系ワインのどしっと重たい感触は全くなく、しっとり滑らかでほどよい重量感。酸味は穏やか。余韻の長さだけなら4000円と言っても納得されそう。
この価格帯で熟成感を味わえるワインとしては、ボルドーワインが最も手に入りやすいです。2015年あたりの温暖なヴィンテージのものと少し似た雰囲気があります。一方で涼しいヴィンテージの熟成ボルドーとくらべると味わいの厚みに差があるので、相対的に酸っぱさを感じにくいです。高い酸味が苦手な方にも美味しいと感じていただけるはずです。
Colinas de Anca Colheita