《生産者について》
名門の多いラインガウ地方にて、辛口リースリングにおいてはトップの評価を受けているといってもいいのが、ゲオルク・ブロイヤーです。
伝統ある著名生産者は甘口も辛口も両方つくるところが多いのに対し、ブロイヤーがつくるのはほとんどが辛口。より食事にあわせて飲んで楽しめるようにとの意図です。
ドイツの辛口リースリングの復権に挑んだ故ベルンハルト・ブロイヤー氏のあとを、娘のテレーザ・ブロイヤー氏が引き継ぎ、変わらず素晴らしいワインをつくり続けています。
味わいの特徴としては低めのアルコールによる繊細な香りと、クリスタルのように透明感があり研ぎ澄まされた酸味、そしてミネラル感。どこまでも美しいリースリングは世界中の人を魅了しています。
《このワインについて》
ゲオルク・ブロイヤーのワインは4つのグレードでつくられています。
特級相当の単一畑からつくるトップクラス。それらの畑のブドウをブレンドしてつくるセカンドラベル(テラ・モントーサ)。特級以外の畑もつかう村名クラス(このワインを含む)。それからベーシッククラス(ソヴァージュ)。
このなかでセカンドラベル以上は若いうちは結構味わいが硬くて人を選びます。硬質なミネラル感が強く出すぎる傾向にあるのです。それがほぐれてうま味となるには時間が必要です。
ソヴァージュにはその小難しさはありませんが、今度は酸味のシャープさが際立ちます。暑い日やスッキリしたワイン好きにはそれが心地良いのですが、人によっては酸っぱいと感じるかも。
この「エステート・ラウエンタール」は、酸味はいつも高いのですが、ボディ感がソヴァージュよりしっかりしているので「酸っぱい」と感じにくい。より多くの人に受け入れられるちょうどいいバランスに仕上がっています。
《テイスティングノート》
柑橘や上品な白桃、白い花、濡れた石のような繊細な香り。その控えめな印象は口に含んでもそのとおりで、11%前後のアルコールによってあくまで軽やかです。しかしそれは決して薄く弱弱しいわけではなく、確かな芯の強さを持っていて豊かな風味があります。キュっと締まる余韻によって、ともかく美しい印象です。
Georg Breuer Estate Rauenthal Riesling