《レストランで愛用される理由》
個別の銘柄としてではなく産地・ワインとして「シャブリ」は非常に高い知名度を誇ります。それはレストランの利用客として注文しやすく、また提供側としても売りやすいことにつながります。だからちょっといいレストランはだいたいシャブリを置いている。
どの生産者のシャブリを選ぶかにおいて、もちろん味と値段が最重要ですが、入手性も大切。いくら美味しくても、年に1度だけ入荷してすぐに完売してしまうような量の少ないものは、レストランとしては使いにくいです。その点、このヴォコレのスタンダードクラスはだいたい1年を通して輸入元在庫があります。それほど頻繁にワインリストを更新しないお店にとっては、ありがたい銘柄です。
もっとたくさんつくられているものはいくつもあります。でも「シャブリジェンヌ」「ルイ・ジャド」「ウィリアム・フェーブル」のように、どこでもスーパーでも売っているようなものは使いにくい。その点でもヴォコレはほどよい知名度の"低さ"です。
《このワインについて》
シャブリ全体で見たとき、ヴォコレは決して飛びぬけた特徴のある生産者ではありません。シャブリらしい上品な酸味は活かしながらも、ほどよくボリューム感のある味わい。価格はドメーヌものとしてはやや手頃ですが、特別値ごろ感があるわけでもない。
だからこそ、「シャブリを飲みたいな」というお客様の要望に、安定して90点で応えることができるでしょう。
Chablis Vocoret & Fils