1895年から家族経営でワイン造りをするジルベール ピク家は、シャブリの町の南東に位置するシシェ村で、シャブリとプルミエ クリュを合わせて約10ha所有しています。長男ディディエ、弟パスカルでワイン造りを行う生産者。パーカー氏がノーマルのシャブリですら91点を付けるシャブリでも5本の指に入る生産者です。
タンクかオーク樽熟成かというシャブリの2つの相対する造り方について、かねてから論争があります。このドメーヌでは両方を試した結果、タンクで熟成させた方がより良い品質になったということで、最近では、年々タンク熟成を長くし、瓶詰めを遅くしています。ワインが酸化して、ポテンシャルが高くなるからとのこと。
『採石場の上に』と名付けられた、このキュベは特別な土壌の畑と古い葡萄樹から造られるシャブリ。35年樹齢で西向きのスモンと呼ばれる畑と、32年樹齢のパラディと呼ばれる真南向きの畑から造られます。これらは放棄された採石場の上にあり、土壌はドリルでも壊れない石灰質。葡萄樹の樹齢とこの土壌が、引き締まってお手本のようなミネラルをもたらします。バランスがよく、ミネラル感があり、シャブリらしさもしっかりとあります。
[ワインアドヴォケイト誌 2019年の試飲]
昨年のタンクでの印象的な出来栄えが確固たるものとなっている。さわやかな黄色の果樹園の果実、乾燥した白い花、さわやかな桃、スモークのアロマを感じる。ミディアムからフルボディで、口に含むと、つやつやと包み込まれるような味わいだ。豊かなアタックで、中盤からは張りのある鋭利な味わいへと続いていき、最後にミネラルでフィニッシュ。このワインを探し出す価値は十分にある。
ウィリアム・ケリー による試飲 飲み頃予想2019年-2029年
Chablis Dessus La Carriere Gilbert Picq