《生産者について》
著名シャトーがひしめくボルドー、オー・メドック地区にあるシャトー・ボーモン。サン・ジュリアン4級のシャトー・ベイシュベルと同じグラン・ミレジム・ド・フランス社傘下のワイナリーで、その資本を活かして確かな品質のワインを低価格に提供します。
規模としても有名シャトーに引けを取らず、例えば2016年の「シャトー・ボーモン」は4.5万ケースもの数が生産されています。
《このワインについて》
シャトー・ボーモンがつくるセカンドワインが「レ・トゥール・ド・ボーモン」。セカンドワインだけでもこの年は9万本もの生産量です。
セカンドワインは本来、ファーストラベル「シャトー・ボーモン」のブランド価値を保つために、質で劣るブドウでつくるもの。ファーストラベルより手ごろで、飲み頃が早く訪れるものです。
ただ「シャトー・ボーモン」自体が非常に手ごろなワインなので、実は数百円程度の差しかありません。「その程度の差ならファーストラベルを買おうかな」と思われるかも。
ところが試飲会で飲み比べてビックリ。ヴィンテージの特徴も手伝って、この「レ・トゥール・ド・ボーモン 2015」は「シャトー・ボーモン 2017」を明らかに超えていました。異なるヴィンテージで比較しても仕方のないことかもしれませんが、セカンドがファーストよりおいしいという珍しい例です。
2015年はフランス全土で非常に暑い年で、ボルドーにとって非常に当たり年でした。厚みのある果実味を持ち、熟成によって2000円のワインとは思えない複雑さを備えています。カベルネ・ソーヴィニヨン多めというこの価格帯にしては珍しいブレンド比率と、2015年の特徴がかみ合ったのでしょう。ボディ感と酸味の素晴らしいバランスを感じさせてくれます。
Les Tours de Beaumont