シンプルなエチケットは、その味わいに対するユリアン・フーバー氏の自信の現れでしょうか。
《生産者について》
フランスとスイスとの国境線沿いに位置し、ドイツで最も温暖な地、バーデン地方。そこで今、最も注目を集めているのがフーバー醸造所です。
初代当主ベルンハルト・フーバーさんが研修生だったころ、13世紀の古文書に出会い、そこで故郷マルターディンゲン村がかつてピノ・ノワールの一大名産地だったことを知ります。1987年、当時加盟していた協同組合を脱却、醸造所を立ち上げ、まさにゼロからのスタートをきりました。残念ながら、2014年6月、55歳の若さで永眠されたベルンハルトさん。今はその熱き魂を受け継いだ息子であり新当主のユリアンさんによって素晴らしいワインが生み出され続けています。。
《このワインについて》
フーバーのゼクト(ドイツのスパークリングワイン)といえば、以前は瓶にマーカーで手書きされたボトルが印象的でした。それがユリアン氏への代替わりに伴い、ゼクトもエチケット変更。一説には、生産量が増えて手書きが不可能になったという噂も。
以前は鉄分の含有量が多い石灰岩土壌のビーネンベルク畑のぶどうを使用していましたが、2012年は白い石灰岩土壌のシュロスベルクの特級畑区画から収穫。太陽の光を正面から受ける南向けの急斜面で採れたぶどうを使用。岩だらけで水はけが良い畑なので、ぶどうの粒が小さくなって皮の比率が高くなる分、色合い濃くロゼでありながらボディを感じるのが特長です。
《テイスティングノート》
見た目通りのチェリーのようなフルーツ感、芯があってミネラリー。フーバー節とも言うべき際立った上質な酸が心地良く、優良区画ならではの味わいの密度の高さをしっかりと感じ取れます。高級なシャンパーニュにも引けを取らない存在感です。
Huber Sekt Rose Brut