《このワインについて》
ゲオルク・ブロイヤーが所有する4つの特級クラスの畑のブドウをブレンドした、いわばセカンドワイン的な存在が、この「テラ・モントーサ」です。その意味はラテン語で「急斜面」。斜面の畑で効率よく日照を得られるため、高いブドウの熟度が得られます。
風味はよく熟すものの、目標アルコール度数を決めて収穫しているため、研ぎ澄まされたような高い酸味はどのヴィンテージも共通。地球温暖化が進んだ今も、ほぼアルコール12%未満のリースリングをつくります。
《テイスティングノート》
レモンやアプリコット、カモミールに交じって、濡れた石のような上級リースリングらしいアロマがピュアに漂います。酸味は高く非常にシャープ。一般的に高い酸味を苦手とする日本人にとっては、決して万人受けするワインとは言えません。長く続く余韻にも塩味に似た硬質なミネラル感。印象として「親しみやすさ」とは対極の「厳しさ」を感じます。
最初はビックリするようなこの酸味も、慣れてくるとこれが愛しくなるんです。『孤高』というような飲み手におもねらない味づくりは希少で、「好きな人だけ評価してくれればいい」という潔さがむしろ心地よくなってきます。
《生産者について》
辛口リースリングの生産者としてはドイツでトップクラスの評価を受けるゲオルク・ブロイヤー。父ベルンハルト氏の後を継いだ若きテレーザ・ブロイヤー氏が当主をつとめます。
ラインガウの西側にある急斜面の畑を中心に、いくつもの銘醸畑を所有。ワイナリーで極少量販売するデザートワインのほかは、辛口のリースリングに特化しています。
特にアメリカでの評価は高く、ワインの価格はグイグイ上昇傾向なのが悲しいところです。
Georg Breuer Terra Montosa