《スペインの新たな潮流》
ボルドースタイルの熟成を必要とする高級赤ワインと、1000円台~2000円台なのにしっかり樽熟成される旨安濃厚ワイン。スペインワインのイメージとしては、こんな感じが主流ではないでしょうか。
その流れにくさびを打ち、新たな潮流をもたらそうとしてきた生産者。一人はテルモ・ロドリゲスであり、そしてもう一人はこのラウル・ペレスでしょう。
従来のスペインワインとは何が違うのか。一つは土着品種を用いて、しかもその品種特性を表現すべく濃厚さを追い求めないこと。もう一つは単一区画からつくることでその地の産地特性を表現することです。
《生産者について》
ラウル・ペレスは「ビエルソ」というスペイン北西部の生産者。アルバリーニョで有名なガリシア地方にも近く、スペインといっても暑く乾燥した地域、というわけではありません。
1752年からという長い歴史を持つ栽培農家に生まれた彼は、実家であるボデガ・カストロ・ベントーサに参画。そののち2007年に自身のドメーヌを設立しました。特にメンシア、ゴデーリョといった土着品種で一大ムーブメントを起こした生産者として有名です。
「ブドウに与える影響を最小限に」といういわゆる「不介入主義」であり、馬をつかった畑の耕作、最小限の亜硫酸添加、熟成に古い樽を使うことなどが特徴です。
【パーカーポイント96点】
[ワインアドヴォケイト誌 2022年2月のレビュー]
2020年のエル・ラポラオにはクリーミーなタッチがあるが、これはおそらく使用された3つの樽のうち1つが少し新しいからだろう。メンシアはとてもデリケートで繊細なので、そのような小さなディテールが出来上がったワインに顕著に現れる。このブドウは収穫日にも非常に敏感だ。テクスチャーは繊細なタンニンとハーブのタッチで、2019年とまったく同じ口当たり。フィニッシュはビターなタッチで終わる。1500本生産。
[Luis Gutierrezによる試飲 飲み頃予想2023-2030年]
La Vizcaina El Rapolao Raul Perez