《1000円台前半のワインで比較すると》
ワインをパッケージングして船で輸入し、港から全国の販売店やレストランへ。皆様の手に届くまで多くの業者が関わっており、それぞれに販売費用がかかっています。つまり日本で1000円ちょっとのワインを販売してワイナリーが手にする金額はわずかなもの。
だからこそちょっとの金額差でワインの美味しさが大きく変わるのは当然です。
栽培面でも醸造面でも「この手法でもっと美味しくなるだろうけど、コストが見合わないからこのワインには使えない」という妥協は、いろいろな点であるでしょう。だからこそこの価格帯のワインは「いいところを伸ばす」よりも「悪いところを感じさせない」に注力しているものが多いと感じています。
そしてこの「マン」は、その「悪いところがないワイン」という点で非常に優秀です。
《生産者について》
マン・ファミリー・ワインズは2001年設立とまだ若いワイナリー。創業者3人それぞれの妻である、マリー、アネット、ニッキーの頭文字をとって「MAN」と名付けられました。初年度はわずか600ケースから始まり、現在は17.5万ケースを生産するまでに拡大したといいます。
先ほど挙げた手頃で美味しいワインを生産する国。共通点は地中海性気候に属する地域があることです。ブドウ栽培に圧倒的に恵まれた気候のもと、低コストでブドウ品種の特徴がピュアに表れたワインづくりをしています。
《テイスティングノート》
フレッシュな酸味とトロピカルフルーツの風味。典型的な暖かめの産地でできるシャルドネの特徴です。この価格帯ながらオーク樽熟成をしており、そのボリュームのある風味をほんのりと感じます。
この価格のシャルドネとして驚くような要素はありませんが、「平凡」以外に悪いところも挙げられない。だからこそレストランのグラスワインとして、晩酌のデイリーワインとして、いつ飲んでも期待を裏切らない安心感があります。
Man Chardonnay Cellar Selection