《ワイナリーの歴史》
アンツフィールドは、ニュージーランドワイン生産の中心地であるマールボロにて、最も古い畑を所有するワイナリー。
1873年にこの地に初めて商業用のブドウ畑を開きましたが、一旦は衰退してしまいました。
それを2000年に購入したのがカウリー家のルーク&ベン兄弟。それぞれが醸造家・栽培家として、創始者の意思と情熱を継いだワインづくりをしています。
《ワイナリーの特徴》
ワインは全て自社畑。その面積は65haとなかなかの規模です。
ピノ・ノワール、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランの3品種に絞って生産されています。
アンツフィールドのワインの特徴は、しいて言うならド直球。
「果実の熟度が高い」とか「やたら繊細」のような言葉にしやすい特徴ではありません。
このマールボロの土地・気候を素直に愚直にグラスの中に表現する。
そしてすべてのキュベにおいて価格以上の価値を示している。
そんな信頼がおけて人に勧めたくなる生産者です。
まだ日本ではほとんど知名度がないのもポイントです。
《このワインについて》
アンツフィールドは手ごろな「スライディング・ヒル」「シングル・ヴィンヤード」のクラスが非常に優れており、堅実に売れています。それらが順調だからこそできる、儲けを考えない道楽的なキュベが「シングル・ブロック」のシリーズであり、この「ヘリテージ」はその極みともいうべきものです。
アンツフィールドの畑の中でも特に傾斜のきつい、古樹の植わった区画のブドウを使用。そのため、ブドウの樹1本に1kg以下のブドウしかつきません。
《テイスティングノート》
豊富なタンニンを思わせる、非常にストイックなアロマ。そこにダークベリーやなめし皮のようなアロマが混ざります。非常に凝縮感が高く、開けたては少し攻撃的なところがありますが、空気に触れるにつれて柔らかい口当たりへと変化していきます。雄大なスケール感を感じさせるワインで、まだまだ若い。10年後に飲めばまた大きな変化を味わうことができるでしょう。
20年熟成が期待できるマールボロのピノ、そう多くはないはずです。
Heritage Pinot Noir Auntsfield