「世界一のワインをつくりたい」
そんな夢に向かって突き進む青年によって設立され、ファーストヴィンテージ2000年より歴史が始まったのが「ビービー・グラーツ」です。
故郷に対する誇りを強く持ちながらも、ワインの作り方については伝統にとらわれない芸術的な考え方。それは抽象的なイラストのエチケットにもあらわれています。
テスタマッタはこの生産者を代表するワイン。イタリアにてその言葉の意味は「自分の信念を曲げずに突き進む人」。そのスケール感の大きな味わいと合わせて、逆境をはねのけて自分の道を突き進む勇気をくれるようなワインです。
【パーカーポイント94点】
[ワインアドヴォケイト誌 2020年8月のレビュー]
2018年のテスタマッタは、エレガントなサンジョヴェーゼの純粋さと透明感を示し、繊細なワイルドベリーとブルーベリーのトーンで始まり、砕いた石灰岩とキャンプファイヤーの灰のタッチのかわいらしいアクセントで長い余韻が続く。グラスに注ぐと輝きのあるルビー色やガーネット色の鮮やかなワインが広る。オークの使用は最低限に抑えられ、16年目までの樽を使用している。「古ければ古いほどいいんだ」とビービーは説明する。グラスの中でワインが開くと、きれいなライラックとバイオレットが現れる。このワインは、トスカーナ地方のさまざまな場所(すべて有機農法で栽培された古木のある場所)の果実をブレンドしている。フィレンツェに近い最北端の畑は、この冷涼なヴィンテージの特徴であるフローラルな香りを加える傾向がありる(平均より少し雨が多く、畑でブドウの木を健康に保つために特別な作業が行われた)。私は2018年にビービーと一緒にこの畑を訪れ、ブドウの木に現れたブドウがとても美しかったのを覚えている。ここで使われている果実の多くは、シエナとモンタルチーノの中間に位置するカシアノ・デル・ムッロのヴィーニャ・デル・カンチェッロからもたらされている。このような南部の土地は、ワインに骨格とタンニンを与えている。ビビ・グラエッツは、この6万本のリリースのために、ブレンドの作成に苦労したと教えてくれた。最終的なブレンドを決めてから、2カ月半後に気が変わり、再度ブレンドすることになったそうだ。2回目のブレンドは、フィネスを表現し、ワインのタンニンを和らげることを目的としている。実際このワインは最終的に、パワーや中盤の味わいよりも長さ(新鮮な果実味と明るい酸味)の方が勝っている。余韻はシルキーで長く、とても繊細だ。
[Monica Larnerによる試飲 飲み頃予想2022 - 2042年]
Testamatta Bibi Graetz