《生産者について》
ジャン・トプノとドゥニーズ・メルムが1963年の結婚を機に始めたのが、このドメーヌ・トプノ・メルム。双方ともに先祖からの畑を継承しており、コート・ド・ニュイ、コート・ド・ボーヌに合計13haの畑を所有しています。中でもモレ・サン・ドニ周辺が優秀な印象。
「テロワールを重視し、複雑でピュアな味わいを追求」といううたい文句は極めてありきたり。しかしトプノ・メルムの美味しさを言葉にするなら、どうしてもこの定番文句になってしまうんです。
それほど抽出は強くなくて、オーク樽の風味も控えめ。畑にもよりますがリリースしたてのヴィンテージからでもそれほど硬くなく、しなやかな口当たりなのが魅力です。
「口当たりなめらかなワインが好きだけど、自分で5年10年と熟成を待つなんて無理!」そんな方にピッタリの生産者です。
《テイスティングノート》
多くの生産者がいくつもの村名ワインをつくる場合、ヴォーヌ・ロマネが最も高価で、シャンボール・ミュジニーとジュヴレ・シャンベルタンがそれに続き、モレ・サン・ドニは少し安いのが通常です。しかしトプノ・メルムはモレがジュヴレよりも高く設定されています。それだけこのワインに思い入れと自信があるというもの。
生産者は「シャンボールのフィネスとジュヴレの力強さを併せ持つ」と語ります。実際に樽熟成を感じさせるなめらかでスムースな口当たりは、リリース仕立てから極めて上質。そこにベリーやリコリスなどの複雑な香りが広がります。
トプノ・メルムを初めて飲むなら、このワインから入ることをおすすめします。
Morey Saint Denis Taupenot Merme